戸泉 邦康 / DX,Fintech
保険ビジネスを考える
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保険ビジネスを考える

戸泉 邦康 / DX,Fintech

私は日々、保険代理店の社長や幹部の方々とお話をしています。
そこで色々と感じることがありますので、それを書いていきたいと思います。

保険代理店の社長の多くは、プルデンシャルやソニー生命といった、フルコミッションのプランナー出身で、優績者だった方が多いです。

こういったフルコミの保険会社はプランナーがとても強く、トッププランナーは、社長や役員、本部長、支社長、営業所長よりも高い報酬であったりします。

トッププランナーの場合、マネジメント側(営業所長、支社長、本部長、役員)にまわることは、報酬を大きく下げるリスクがあり、マネジメント側へのキャリアを望みません。

トッププランナーを営業所長や支社長などがマネジメントすることは不可能で、圧倒的にプランナーの能力の方が高いので、何も言えないというくらいです。ですので、マネジメント層の方が上ということは、立場的にも報酬面でもありません。役割が違うというだけです。

そのため、マネジメント層には、社長杯やMDRTにはもちろん入るほどには優秀だけれども、トッププレイヤーまではいけないゾーンのプランナーで、人を採用して育成することや、メンバーをまとめていくのが向いている方が志願してなっていきます。

営業所長や支社長は、まずは採用、育成、離職率をおさえ、全員の生産性を上げていくというものが主だったミッションになります。営業所長や支社長がプランナーに貢献できるのは、入社1か月目や、長くみて1,2年ほどで、以降はあまりプランナーのレベルアップには貢献できていないのが実情です。

ゴリゴリに個人保険をやるような支社、営業所ですと、プランナーは入社から数年間、営業で優秀な成績を収め、やりきったところで営業所長になり、若いころの自身に似たような営業マンを多数ヘッドハンティングし、その彼らに同じオペレーションをしていくといった具合です。これが成功するとメンバーが何人か営業所長になり、自身は支社長になるといった仕組みです。

この個人保険をハードにやる仕組みは、スポーツ選手のようなもので、精神的にも肉体的にも旬の期間が限定されているように思います。そういったことをわかっているプランナーは、事業保険や富裕層提案を徹底的に勉強、研究して、その人脈やマーケット拡大に注力し、法人営業にシフトを目指していきます。シフトできた方は、その先も長く好成績を出し続けることができます。

脳みそまで筋肉になってしまっているようなプランナーですと、ひたすら個人保険をやり続けることしかできないので、活動量、新規の見込顧客の数を集めていかないと、徐々に成績が維持できない状態になっていきます。学生時代にスポーツで全日本レベルのスター選手で、鳴り物入りで入社して、一気に成績を上げて目立っていたが、数年であれれ?といったプランナーも見受けられます。

トッププランナーの多くは事業保険や富裕層マーケットで仕事をしており、人脈の質や数も相当なものです。特に保険営業の場合は、営業対象は上場企業ではなく、未上場の優良企業や中小企業のオーナー社長が対象ですので、魅力的な経営者との関りが多くあります。日々そういった方々との会食・趣味・旅行・ゴルフなどの交流をしていると、彼らの自由なライフスタイルに触れ、自身も事業オーナーになりたいと感じるプランナーもいます。

トッププランナーは人脈を持っていますので、保険代理店の方との交流もあり、類似商品の販売で、保険代理店の方がコミッションが倍近いものもあるなど、様々なことを知ります。

保険代理店の立ち上げ自体は、優秀な過去実績のあるプランナーが社長であれば、保険会社も期待をしてきますので、スムーズです。ビジネスモデル、採用や育成、離職率などの方が大きな課題です。

直販時代と同じフルコミモデルの場合は、利益率の薄いビジネスとなります。フルコミ訪販代理店の多くは、コミッションを営業8:会社2としていますので、社会保険料や地代家賃、採用コスト、販管費などを考えていくと、会社に残る利益はとても薄いです。

このモデルの場合、MDRT終身会員・COT・TOTといった、一般プランナーの数倍~10倍以上の数字をあげてくれるトッププランナーを採用できるかや、プランナー数を100名以上などに増やしていけるかどうかにかかっています。フルコミの特性上、人の出入りは激しいので常に採用をしていかないと、人数は減ってしまいます。トッププランナーは独立や他社に引き抜かれてしまったり、成績がでない方は業界を去っていきます。私の知るとあるフルコミ保険代理店では、トッププランナー陣が皆一気に辞めて独立してしまい、もぬけの殻になってしまったところもあります。

昔は完全なフルコミであり、経営サイドには雇用しているリスクはさほどありませんでしたが、昨今では社会保険料負担などが義務付けられていますので、赤字社員をかかえるというリスクも出てきています。

一方で固定給タイプの保険代理店は、生産性が課題となります。トッププランナーや優秀なプランナーで固定給の保険の仕事に就く方はいません。一般の保険プランナーで、場合によっては売れていなかった方も採用していくことになります。保険営業は本当に難しい仕事です。そう簡単には預かれませんので、かなりの営業力やセンスが求められます。マニュアル通りにやってもなかなか売れません。そんな簡単に売れるのなら、保険会社さんも直販のみで良いわけですが、なかなか売れないので保険代理店にも販売をしてもらっているわけです。固定給の社員さんがフルコミレベルで結果をだしてくれるかといえば覚悟が違いますので、難しいかと思います。

フルコミも、固定給もウーンと思われてしまったかもしません。
これからはハイブリッド型が良いのではと考えています。
固定給+大きめの業績連動ボーナスです。

また、従来の保険営業のように、見込顧客の発見~アポ、面談、プレゼン、ご契約、保全、支払いといった全てを1人のプランナーが行うのではなく、分業・専業化です。保険営業は特に訪販系においてはマーケティングとセールスがプランナーに属人化していますので、この分業化です。

これからのニュータイプの保険代理店は

・マーケティング、ブランディング専任者
・リードを見込顧客化するアポインター(クロスセル・アップセルも)
・面談専任営業
・保険証券分析、アジェンダ作成、設計書作成 担当者
・契約、進捗管理、保全、支払い 担当者

などの専業化、分業化です。
各セクションごとに能力に応じた報酬やボーナスを用意し、保険営業ビジネスを細分化することと考えます。
潤沢な見込顧客を集められることと、レベルの高い営業が面談対応をすることが重要な部分です。

MDRTの会報誌では上記に近い海外事例も見受けられます。従来の保険営業は全ての能力が高くないと成績が出ませんでした。人間はひとそれぞれ得手・不得手がありますので、得意なことに注力して能力を最大限に発揮していくべきです。見込顧客の発見(マーケティング能力)が苦手な方が、それをやっていても生産性は上がりません。面談が得意な方が苦手な契約事務に時間をとられているのも勿体ないです。

前職でも、あまり成績は上がらない方で、新契約が入ると契約書類進行に詳しくノーミスで最短成立という方がいる一方で、営業は得意だが、契約書類が不備だらけという方などがいました。

全員が保険の各種ライセンスを持ち、スプリット契約化(同一代理店内で複数名で担当すること)すればコンプライアンスもクリアできそうです。

優秀なプランナーでも全ての業務をやっていると、1日のうちの真の営業時間(プレゼンなど)は数十%程度かと思います。ほとんどの時間を面談に注力できれば、日に5面談、10面談とできるわけです。それにより何倍もの生産性が期待できます。

とある元直販→保険代理店に移られて活躍されているトッププランナーの方が、こう言っていました。

「私は見込顧客の発見の仕事をしたいのではない。お客さまに役立つ提案をすることだけのためにプランナーをしている。」

自分は何が強みで何が得意なのか。何のために何をしたいのか。それが発揮できる環境に身を置いているか。そういったことを突き詰めていった方が、格段に成果は上がると思います。

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戸泉 邦康 / DX,Fintech
DX,Fintech / Business Development / BtoC金融マッチングプラットフォーム事業で、金融業界を変革中。前職は外資系金融機関の法人営業(11年4ヵ月)。COT 5回、MDRT 連続11回、MDRT終身会員。年間成績で上位0.28%、全国11位。