見出し画像

信念を賭けた勝負!

唐突だが、俺は “傘” が嫌いだ。
大嫌いだ。

雨が降っているときはいいよ。

むしろ好きだ。
実にいい。
自分が濡れるのもかまわず俺を守ってくれるなんて、なんて献身的で頼れる奴なんだ、こいつめ。
イカしてるぜ相棒!とさえ思う。

しかし、だ。

ひとたび雨がやみ、閉じられた傘のなんと邪魔くさいことか!

あぁもう!俺のズボンを濡らさないでくれ!

そもそもなんでオマエはそんな中途半端な長さなんだ!
杖みたいにして寄りかかるにはちょっと短いし、ぶら下げて歩くにはちょっと長いし!

横にして持てば前後左右の人々に雨粒と迷惑がかかるし!

なんだその先端のカールは!
腕に引っ掛けるには固くて痛いし、そもそも引っ掛けたとき斜めになるのがもう嫌!

と、先ほどまでの感謝の気持ちなど一瞬で忘れ、その場に打ち捨てて帰りたい衝動にかられるのだ。

なので、俺は極力、傘を持ち歩かないようにしている。
家を出るときにパラッとしている程度ならもちろん持たない。
天気予報で降水確率70%と言っていても、家を出るときどしゃ降りでなければ持たずに出かける。

あとは、天との、大自然との勝負である。
俺の晴れ男力が勝って、外にいる間に雨が降ってこなければ俺の勝ち。
雨に降られて濡れねずみにされてしまえば俺の負け。

これは俺の「傘を持たない」という信念を賭けた、勝負なんである。

今朝も、天気予報は雨。
今にも降り出しそうな、暗くどんよりした空模様。

しかし俺は傘を持たずに家を出た。

家から駅まで、自転車で10分少々。
電車に乗っている間はいくら降ってくれてもいい。

勝負は、最寄駅から勤務先までの徒歩約15分だ。

電車の窓越しに、暗い空を睨みつける。
窓にはぽつぽつと、小さな水滴が流れていく。
俺は睨む目に一層力を込める。

そして駅到着。

外に出た俺を迎えたのは…


なんと青空!

遠く西の空にはどんよりとした真っ暗な雨雲。

ぬはは、今日も大勝利である。

さぁ、次の勝負は帰り道。
往復あるところがこの勝負の難しいところ。

気合い入れていくかー!

***

2010年に「裸の男」名義で書いていたブログを記憶の奥底から発見したので、その中でもお気に入りのエントリを再掲。

しかしオモロいこと書いてるな、14年前の自分!

他のエントリにも興味出てきたわ、というアナタは☟こちらから。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?