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TTL63 あなたにとって”よいありかた”って何ですか?~well-beingについて実践と哲学から考える〜
問い立てラボではお馴染みの哲学者真田宗仁郎さんをお招きし、Well-beingについて深く考える二日間でした。
今年度の問い立てラボの年間テーマとして、「Well-being」を設定しました。とはいえ、Well-beingという言葉はよく耳にしますし、何となく意味はわかりますが、何だかふわふわとした言葉でよく分かりません。こんな時こそ、哲学の出番だと思い、真田さんをお招きし、深く考える時を持ちました。
今回は、中高生も何人か参加し社会人と中高生が一緒になって、Well-beingについて考えました。
最初に、運営側から、Well-beingの一般的な意味、なぜ今Well-beingなのか、教育とWell-beingについての関係について説明しました。その後、真田さんからWell-beingについてやその周辺の知識について哲学的に掘り下げてもらった後、「Well-beingを目指すことの良さ、難しさ」「Well-beingを目指す教育は現場でどのように実践されるのか」などを小グループで対話しました。
印象的だったこと3選
1.Well-beingは三方良し
Well-beingというと、自分自身が、その時良いあり方であると感じられる状態であればそれで良いと思っていました。しかし今回、そうではなく、自分良し、相手良し、社会良しのいわゆる三方良しの状態であると知りました。
私の中の日本人的な感覚で言えば、自分だけでなく周囲も含めて「良い」と言える状態は巡り巡って自分自身もさらに「良い」状態であると言えると感じます。ただし、その分周りの人のこともより考えないといけないので実現するのが難しくなるということだと思いました。
2.Well-beingは人それぞれ
Well-beingを達成するための要素や感じ方は人それぞれです。その人の属性、年齢、育ってきた環境、住んでる国、その国の文化などなど、何をもってWell-beingと言えるかは全然違います。だからこそ、「自分にとってのWell-beingとは何か?」という問いを立て、考えることが重要です。また、だからこそ当事者同士でしっかり対話することが必要です。学校であれば生徒のWell-beingについて教員だけで考えても意味がありません。生徒と教員が腹を割ってお互いのWell-beingについて考える機会を作ると良いと思いました。
3.対話最高!!
今回、2日間で10時間近くWell-beingについて、年齢も職業も違う多様なメンバーで対話しながら考えました。
結果的に一人で考えていてもイマイチよく分からなかったWell-beingについての理解が少し深まりました。自分とは考えの違う他者の存在が、自分の価値観を揺さぶり、気づいていなかったことに気付かせてくれます。
昨今、「それってあなたの感想ですよね」みたいな言葉が本来の趣旨とは違い、対話を深めることを拒むためかのように使われています。そんな中で、改めて、対話というのはあるゴールに向かって他者と共に何かを積み上げる営みであると再確認しました。
より良い対話を生み出すために、話し手も聞き手もお互いをリスペクトし批判的思考を持って話し、聴き、その「場」を作り上げる姿勢が重要です。今回の2日間がそんな「場」になったのは参加された皆さん一人一人のおかげです。ありがとうございました。
Well-beingへの道のりは長い
今回の2日間では、「Well-beingとは何か?」という本質的な答えは見つかりませんでした。でもぼんやりと、Well-beingというものが見えてきた気がします。
また、今の自分の状態がWell-beingだと胸を張って言えることもできません。これもまた、「自分にとってのWell-beingとは?」という問いを立てながら、それに近づいていいくものなのだと思います。
「トイタテビト」として、これからも悩み続けていきます。
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