沖縄は暑くない? 気温のレキシ(那覇)
各地の気温の歴史について調べて分析している。
マクロな地球温暖化や気温上昇の話ではなく、
ミクロに、各地の過去の気温の推移について調査している。
今回は、沖縄・那覇の気温の推移を分析する。
1.那覇の気温の歴史
下の図1~3は、1890年から2023年9月現在まで133年の那覇の気温の推移である。
元データについては、いつもと同様、気象庁のデータベースにある観測結果を利用している。
グラフを眺めて見ての所感は、つぎのとおり。
・平均気温は、上昇。
・最低気温も、上昇。上昇幅は他の多くの地域同様に「最低気温>平均気温」。
・それに対し、最高気温は、ほとんど変わっていない。
これまで見てきたように平均気温が上がっているのは当然として、
那覇の分析結果として着目する点は以下の2点。
(1) 最低気温の上昇幅は、那覇でもやはり相対的に大きい。
(2) 最高気温は、ほとんど変わっていない。
(2)について、那覇の夏の最高気温は130年以上ほとんど変わっていないようである。
沖縄は気候変動のため最高気温は相当に高くなっているのでないかと予想したが、
それに反した調査結果だった。
2.那覇の気温の歴史(詳細)
①平均気温、②最高気温、③最低気温の各グラフについて、
近似曲線を引き「温度の上昇度」を調べた。
一次の近似曲線の傾きを比較したところ、
①平均気温:0.0128 [℃/年]
②最高気温:0.0027 [℃/年]
③最低気温:0.0216 [℃/年]
となった。
近似曲線の傾き、
つまり、1年あたりの気温の上昇について、
③最低気温>①最高気温>>>②最高気温≒0
という結果になった。
先に述べたように、特筆すべきは②最高気温の変化。
那覇の最高気温の値は、定量的にもほとんど上昇していない、
つまり130年間でほぼ変わっていないことが確認できた。
具体的な温度上昇度を近似式の係数から計算をすると、
過去133年間での各温度の上昇はつぎのようになる。
①平均気温:1.70℃
②最高気温:0.35℃
③最低気温:2.87℃
平均気温は、1.7℃の上昇で、たしかに気温は上昇している。
最高気温は、0.35℃の上昇で、わずかに上昇しているが、平均気温に比べるとかなり小さな上昇度である。
最低気温の上昇2.87℃は、平均気温よりも大きく、他の地域同様、沖縄の那覇でも最低気温の上昇度合いが大きいことが確認された。
以上が分析結果である。
沖縄・那覇は、平均気温や最低気温が上がっており、その点では温暖化している。
ただし、最高気温は上がっておらず、130年以上ほとんど変わっていないということが分かった。
また、他の地域を分析していくこととする。
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