見出し画像

4月の受賞者一覧と選者の講評

選者:水源 純(@ju_min) 以下、敬称略

今回の応募作品一覧はこちら


グランプリ受賞者

・草野理恵子 (@riekopi158)

元ツイート

選者の評

君と僕の濃密な関係は、一見、官能さえ感じさせるが、精神的な強いつながりを表わすものであろう。「美しい発音」は喩えかもしれないし、言葉のままかもしれない。どちらでもいい。それによって欠けたものが、それによって埋まるという体験を持つ者なら共鳴せずにいられない。

佳作 受賞者

・yosi(@GLn5LeFcUgiKNGV

元ツイート

選者の評

日々刻々と変わってゆくものだと信じて疑わないのは、精神の若さの、もしくは健やかさの証かもしれない。作者の言う「年月」がどれほどかは分からない。けれど私たちはいつしか知ったような顔をして、「いつか見た空」と思うだろうという示唆。この淡い寂寥感が余韻となって残る歌。

・Shii(@moegi5050

元ツイート

選者の評

休学に至る経緯は決して軽いものではないだろう。と想像したときに、この景のうつくしさの中で、作者の心情はより際立つ。「寂寞」にさえ納まりきらないものを感じる。言葉に言葉以上のものが宿ったとき、歌になる。

・hito_kakera(@KakeraHito

元ツイート

選者の評

フローラは花と豊穣の女神の名。卒業式か入学式かの十代の女の子の写真を見るよう。ピースサインとその造形美に焦点を絞って、若さと眩しさを見せる。反して後半のふくらむような表現からは、賛美や祈りのようなものが放たれる。たとえば孫娘へ注がれるまなざしは、このようなものではないだろうか。

いいね賞 受賞者

・もちゅ୨୧⑅*.(@IUwa51

元ツイート


今月の選者の総評

詩歌は言葉で表現されますが、表現されたものはやはり、ひとの思いなのだと、今回の82首を読ませていただいて改めて思いました。

たとえば今月は、桜の見える歌が多かったのですが、同じ桜(ソメイヨシノ)が、人の心を通すことでこんなに多彩になるのだと。

花の歌に限らず、強めの言葉のなかに潜む繊細な思いや、淡い言葉に潜む強い思いなど、表現の豊かさのなかで選はたいへん困難なものでした。
それでも歌を読むことは、人と対話することに似て、選後の疲労感はなんとも心地よいものです。

これを読んでくださった皆様も、ぜひモーメントの作品集を読んで、82人と対話されてください。対話の後にはきっと新たな歌も生まれるでしょう。

今回受賞された方のお歌は、月刊『五行歌』6月号でも受賞発表されます。
雑誌を購入して読みたいという方は下記URLからご購入をお申込み下さい。

雑誌購読申込フォーム

5月募集について

次回、5月の募集は5月1日の0:00にツイートされます。
募集要項は以下です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?