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マイノリティ視点のアメリカの祝日

あっという間にもうすぐ年末。
アメリカでは今週末はThanks Givingで4連休です。

この祝日期間は里帰りして家族で七面鳥とパンプキンパイでワイワイ!が
大衆的な過ごし方ですが、日本人の私としてはおひとり様でおうち時間を
満喫しています。

日本人だから、というだけではなくこの祝日の歴史背景を学んだあと
お呼ばれしても参加しないと、決めたことについて
連休中のおうち時間も少し持て余しだしたので綴りたいと思います。

マイノリティから見た感謝祭

この祝日について初めて学んだのは中学1年生で移住した際。

ESL(English as Second Language)のクラスで幼稚園児向けじゃないか?
というような本とプリントのワークシートで学んだのがこちら:

北米に着いたイギリスの開拓者たちが農耕に失敗し、飢饉にあった際に、
先住民<ネイティブアメリカン>に助けられ、その感謝と収穫を祝う祭り。

そういった認識のまま、
家族ぐるみでThanks Giving dinnerに招待されたことも。

そんな中全く違う視点を知ったのは大学に入ってから。
ネイティブアメリカン視点の感謝祭は、

「略奪と大量虐殺の始まり」

であるというショッキングなボディブロー。

開拓者が入ってきたアメリカ・カナダでは先住民である
ネイティブアメリカンの暮らしを野蛮で文明的ではないとし、
イギリスから独立した新天地として開拓すると言う大義名分を掲げて
「インディアン絶滅キャンペーン」なるものまで打ち出した歴史があります。

英語がむずかしくて歴史を理解してなかったのかしら?
恥ずかしい!

と思ったのですが、きっとテキストの短い部分に端的に記載されているということと、私が中学で習ったシナリオが祝日として扱われている
という事実が暗い歴史に蓋をしている様子。

「いや過去の話じゃない」と流されそうですが
215人分のネイティブアメリカンの子供の遺骨がカナダで1969年まで運営されていた寄宿学校跡から見つかったのは今年の5月。
そこに通っていたことがあり、危うく難を逃れ存命の方もいます。

そんなアメリカ史始まって以来ずっと虐げられてきた
ネイティブアメリカンのコミュニティでは、いまだに根深い貧困や自殺者の多さ、相次ぐ失踪事件などがいまだに続いているので
「過去の出来事」と一蹴していいものではありません。

大多数の人から見たら「ふつうじゃない日常」がマイノリティにはある、と言うテーマを再確認するきっかけとして綴ってみました。

追記

これを書いている際にふと思い出したことが一つ。
移住して中学校に通いだし、初日から強制参加だった習慣について。

「毎朝学校でPledge of Allegiance<忠誠の誓い>を星条旗に向かって立って暗唱する」

というもの。

各々の教室に星条旗があり、大体2時限目のクラスの最初に校内放送で流れてきた記憶があります。(1限目ない人もいるので。)

全く意味も知らず、暗唱できるまでになったのですが、

「星条旗に忠誠の誓いを立てる」ということが第二次世界大戦中、
日系アメリカ人にとってどういう意味合いだったのか・・・
という歴史的背景を初めて習った時の衝撃。

え、なんでこんなのいまだにやらされてんの?

と思い、周りのクラスメイトも学校も疑問に思わないのかと憤り、
小さな抵抗として「Pledge of Allegianceの際は席におとなしく座って黙る。」スタイルを貫きました。

居心地は悪かったけれど、
そんなん知って、忠誠心なんかあるか!!!
と初めて反抗した、高校時代の「ふつうじゃない日常」の思い出でした。

・・・まだこれ学校でやってるんでしょうかね?気になります👀

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