見出し画像

【Netflix】“THE CIRCLE”がめちゃくちゃ面白い

他人と一度も対面せずに、SNSだけを利用して関係性を築く。

現代社会ではもはや当たり前となったこの行動を、エンタメコンテンツとして番組にしたのが、Netflixで配信中のリアリティー番組"THE CIRCLE"だ。

多様なバックグランドを持つ参加者たちは、同じマンションに滞在。
しかし、互いに会ったり顔を見ることはできない。
代わりに、"CIRCLE"と呼ばれるSNSを通じてのみ、交流することができる。

参加者たちは"CIRCLE"上で自分の理想の姿を演出し、チャットで交流を深め、互いに印象を探り合う。
そして定期的に人気ランク付けを行い、各回のランク付けで上位1・2位の参加者が"インフルエンサー"となる。

2人の"インフルエンサー"はチャットの話し合いを通じて、1人の脱落者を決める。
脱落者となった参加者はその時点で"CIRCLE"からブロックされ、マンションから退去することになる。

最後まで"CIRCLE"に残り、最終的な人気投票1位となった参加者が高額の賞金を獲得できるというルールだ。

なんとなく見始めたこの番組だが、想像以上に面白い。
(この文章を書いている時点では、シーズン1の5話までみている。)

個人的に最も面白いのは、参加者の個性が豊かで、割とみな違うことを考えているということだ。

SNSにおける自分の存在をどのように構築し、他の参加者にアプローチしていくかは人によって異なっている。

たとえば外見で中身を判断されることが嫌だと感じてきたモデルの参加者は、SNS上では"モデルらしくない"素の自分の姿を積極的に演出しようとする。
他人が求める自分に過剰に適応するのではなく、実際の自分をオープンにすることで、モデルに対するステレオタイプを打ち破ろうとしたのだ。
しかしこの参加者は結局なりすましを疑われ、すぐに脱落してしまう(残念)。

また、今までほとんどSNSを使ってこなかったという参加者もいる。
この参加者はSNS上で自分をよく見せようということをあまり考えず、そのままの自分で勝負しようとする。
SNS受けする写真を載せたりしないため、最初の頃は他の参加者にあまり良い印象を残さない。
しかし交流が深まるなかで、徐々に性格の誠実さや賢さが明らかになり、ついにはランク1位にもなる。

自分のありのままの姿を極力変えない参加者がいる一方で、なりすましをする参加者もいる。

たとえば、現実の自分の彼女になりすます参加者や、素の自分より"セクシー"な人格を演出する参加者、写真だけは偽物にして性格は自分のままの参加者など。
なりすましの種類や程度もバリエーション豊かだ。

様々な参加者がいる中で、全員に共通しているのは、自分が他の参加者にどう思われるかについて常に神経を使っているということ。

"CIRCLE"では、チャットの文章や写真のチョイスによって、自分の印象や相手の好みにあうかどうかが決まってしまう。

そんな限られた可能性の中で、他人と良好な関係を築くために頭をひねり、より"好かれる"自分を演出しようとする試みの数々がとにかく面白い。
そしてどれだけ頭をひねろうとも、節々に本心がにじみでてしまっているようなところもまた、面白い。

また、こうした様子を客観的にみていると、SNS上のやり取りの多くは戦略であり、100%の善意に基づいた関係性など存在しないように感じられる。

しかしそんなフェイクだらけの中でも、チャットやゲームでの交流を重ね、本当に信頼しあう関係性を築く参加者たちの姿もみられる。
そうした参加者たちは、決して皆に良い顔をしようとしていたわけではなく、むしろ自分の良い面も悪い面も積極的に開示していたように思える。

まだまだ視聴は途中。
これからの展開も楽しみにしていきたい。
(1位になるのはサミーかクリスかシュバムかなー)





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?