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倉敷市仮設住宅 トレーラーハウス見学(2)- 入居中の方にお話を伺いました。

前回記事はこちら -「倉敷市仮設住宅 トレーラーハウス見学(1) - トレーラーハウスとは?

今回トレーラーハウスの見学をご相談したところ、自治会長を務めるI様に1日案内していただきお話伺う事ができました。
※皆さん生活している場ですので、見学には自治体の事前許可が必要です。


自治会長I様と敷地を見学

見学後、集会所で色々お話をお聞きしました。ここもトレーラーハウス(コンテナハウス)ですが、数棟をつないで壁を無くすことで広い面積のあるスペースになっています(そういった使い方も可能という事ですね)。

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集会所には倉庫、トイレ・水回りが複数備えられていました。

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壁には支援くださった団体からのメッセージが。


入居までのこと、ここでの暮らしについてお聞きしました。

Q.トレーラーハウスは皆さん初めて目にするものだったはず。なぜこちらを選ばれたのか?
(以下 Iさん)被災当時、仮設住宅はどこお応募多数で抽選で漏れてしまいました。またみなし仮設住宅(アパートなど)も探していたのだがすぐには見つからず…そんな時トレーラーハウスなら入居できると情報があり申し込みしました。
(といれたす) 避難所生活は体力・精神的にも辛く、住めるならすぐにでもという気持ちは皆さん強いのだと思います…。


Q.実際暮らしてみていかがでしたか?
■ 日常的な事は解決できた。その後は支援や環境次第。
IHのコンロ、炊飯器、備え付けのお風呂などがあるおかげで日常的な事は早い段階で出来るようになりました。その他必需品は支援の利用、親戚から貰う方、買う方様々ですが、頼れる人がいるかいないかでその後の暮らしも大きく変わると思います。

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■ プライベートが無いこと
仮設住宅も同じですが、トイレ・お風呂以外は一部屋ですし、家族と一日一つの部屋にいると疲れることもあります。ただ、逆に被災前から一人住まいだった方の中には今の暮らしをポジティブに受け入れているという話も聞きます。

■ 住み心地、暑さ・寒さ
倉庫に住むようなのイメージもあって夏は暑く、冬は寒いと思っていましたが、エアコンが常時ついているおかげで気温については年中安定していてむしろ住み心地は良かったです。

※入居後はエアコンは常時オンにするよう決められている(前回記事)。

■ 騒音は少ない
他エリア(プレハブタイプの仮設住宅)ではお隣と声や音でトラブルになる事があると聞きますが、ここではそういった話は無かったので防音については良いのではないでしょうか。

■ 買い物、移動手段
近隣にスーパーやコンビニは無く、大半の方が自家用車も失っているので最初は日々の買い物にも困りました。入居後しばらくして(※)巡回バスの運行が始まり助かっています。
※生活環境の改善に動いた議員さんがいたそうです。

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コミュニティバスのルートと時刻表。スーパー、病院、ホームセンター、老人ホームや公園などを巡回するコースになっていました。

想定外のこと、トラブル・困った出来事

■ 入居直後は何もない、そして何もないことが辛くなる
最初にふとん、炊飯器は自治体から提供いただけましたが、たとえばタオル1枚も無いため、お風呂に入るのにもどうしようと途方に暮れることがありました。
また暮らしてしばらくすると、地面から雑草が姿を見せるようになりました。お手入れしようかなと思うものの、家財はすべて無くしていますのでスコップなども無く草むしり程度の事も出来ないのかと気落ちする事がありました。仮住まいである以上、物を増やすのにも躊躇しました。

■ 車のトラブル
住宅近くは車の通行が禁止されています。これは車の重さで家の水平が狂っってしまう事、舗装の下に走っている配管を傷めない事からそう決まっていたのですが、自宅前まで荷物を運びたいために守らない方がおり少しトラブルになりました。

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※駐車場と住宅エリアは現在カラーコーンなどで区分けされています。
荷物を持って歩くのが辛いご年配の方を駐車場よりの家にする、駐車場を中心に円形に家を配置するなどなにか出来ることがあると良いですね。

■ ちょっと良いこと「部屋には木の香り」
部屋の中を無垢の木の柱や梁が通っていてちょっと木の香りがします。私は好きなポイントでした。
(といれたす)大変な話が多い中で少しユーモアを持たせてくれたのかもしれませんが、確かに部屋に入ると木の良い香りがしました。

■ ベッドが辛い
ベッドはコンテナハウスの設備としては無く、折り畳みのものが別途支給されていました。日々の寝床としては辛かったようです。

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集会所の倉庫にあったベット

まとめ

今回実際に住んだ感想をお聞きして、導入のスピードや住み心地。特に暑さ・寒さや騒音の不満が無いという点は良い意味で意外な点でした。
住まいの機能・役割(トレーラーハウスかプレハブか)以外にも課題は数多くありますが(書ききれなかった辛いお話は他にもたくさんお聞きしました…)、ここ数年続く災害の中で少しずつでも色々な取り組み・改善が行われている事は感じることが出来ました。

これからのこと
仮設住宅の利用期限は最長2年(ニュースによると期間延長の可能性があるようです )と決まっており、すでに半数が空き部屋となっていました。とは言え半分。決められない方もやはりいるそう…。
家を再建出来る方、だれか頼りのある方にとっては猶予のある2年。しかしそうでない方には目途をたてることも難しく二極化傾向があるようです。


支援窓口の紹介

最後に岡山県倉敷市の支援窓口をご紹介いたします。もしご関心があればこちらもご覧ください。

倉敷市の平成30年7月豪雨災害に関する専用ページ
・倉敷市 義援金の受付について




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