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【IPランドスケープ】IPランドスケって、なんのスケ?その2 IPランドスケープは「魔法の箱」ではない!

IPランドスケープに取り組むことになったその後。がやってきました。

■IPランドスケープは「魔法の箱」ではない!
〜なかなか理解されない、他部門からの誤解

IPランドスケープを初めてから、きちんとした知識を得たいと思い、AIPE知的財産アナリスト講座を受講しました。
(講座については、機会があれば別途触れたいと思います)

ここで取り組んだのは、市場探索や、技術探索です。他部門と一緒に、という形です。

IPランドスケープに取り組まれている方の中には、以下のような話を受けた経験のある方も、居られるのではないでしょうか?
・「市場機会がどこにあるかを調べてほしい」
・「何でもいいから調べてきて」
・「とりあえずIPランドスケープやってみてほしい」

これはちょっと極端な例かもしれないですが、社外の方との交流を通じてお聞きした話からしても、あながち無い話でもないと思います。

もちろん、これは全くうまくいきませんし、実際そうでした。受け取り手からしても、「そうなんだ」「ありがとう」で終わってしまうパターンですね。

ではなぜこれがうまくいかないかですが、私の考察は以下になります。
先ほどのような問いですが、

・「市場機会がどこにあるかを調べてほしい」
・「何でもいいから調べてきて」
・「とりあえずIPランドスケープやってみてほしい」

このような話には、2つの問題があると思います。

1つめは、スコープが定義できない、というものです。

これは、どこまで調べたらよいのかという話です。
当然ながら、これは事業戦略や技術戦略から落ちてくるべき話です。いわゆる、「全集合U」です。これが定まらないと、調査範囲、つまり母集団を決めること自体ができません。事業戦略や技術戦略の主体者としては、「大体この範囲だな」というイメージは持っていても、必ずしも言語化、明文化されて出てきません。エイヤ!でスコープを定義しても、受取り手のイメージしている範囲とズレると、受取り手にとって「なんか違う」となります。

2つめは、「何があれば良いか」がわからない、というものです。

これは、調査観点と言っても良いかもしれません。公知例は色々出てはきますが、何があればよく、何があればダメなのかがわかりません。よって、ゴールがないので終わりません。最も難しいのと思うのは、「どのプレイヤーもやってない事が何かを探って欲しい」というものだと思います。無いものは何かという話です。これ自体が、無いものを見つけるという自己矛盾になっています。「A、B、C、があり、D、Eが無ければ良しとする」といった感じで、何かしら一旦置くことがいると思います。

表題の、「魔法の箱」の話に戻ります。
IPランドスケープは、俯瞰分析。俯瞰して見れば、レッドオーシャンもブルーオーシャンもわかる。俯瞰すれば、やることが見える!というのが、他部門からの期待だとします。これは期待としては理解できますし、応えたいのは山々です。しかし、それは現実から離れた、「魔法の箱」的なイメージだと思います。

では、知財アナリストはどうすればよいのでしょうか。どのように役割を置いて動くのか。それを次回に考察したいと思います。

#特許法
#知財

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