『富江』はなぜ今バズっているのか?について
今、『富江』がアツい
ある日、普段通りにInstagramを惰性で眺めていると次の投稿に目が留まる。
「富江風メイク」…?
「富江」といえば漫画家の伊藤潤二氏による同名のホラー漫画『富江』に登場する妖艶な美少女「川上富江」のことだ。
興味を持って調べてみると、どうやら2020年ごろから富江にインスパイアされたメイクが流行しているらしいのである。
しかしながら、なぜ約40年前に発表されたキャラクターが現代で注目を集めているのだろうか? その原因について(いまさら)考えていく。
なぜ今『富江』が流行しているのか?
そもそも『富江』はどんな作品なのか?
『富江』は不死の美少女・川上富江がその美貌で出会う男たちを魅了し、彼らを狂わせていく様を描いたホラー漫画であり、これまでにドラマ化・映画化・アニメ化を果たしている。
原因1:伊藤潤二作品の海外人気
1つ目に、伊藤潤二作品の海外での人気が高いことが挙げられる。
海外に向けても刊行され、20を超える国々と地域で読まれている
「漫画のアカデミー賞」とも呼ばれるアイズナー賞を4度受賞
今年(2023年)からNetflixでアニメ作品『伊藤潤二『マニアック』』が配信開始(香港、タイ、ベトナムでは週間ランキングTop10入りも)
これらの理由から、同氏の作品が海外でも支持されていることが分かる。
原因2:K-POPの提示する女性像
2つ目に、グローバル市場で大きな成功を収めているK-POPの掲げる女性像と「富江」の親和性の高さが挙げられる。
K-POPではしばしば、「ガールクラッシュ(女性が憧れる女性)」的な"強い女性"像をコンセプトとし、人々に提示してきた。
このようなコンセプトを持ったアイドルが若者に支持され成功を収めた結果、跳ね上げたアイラインや綺麗にカールしたまつ毛、深みのある色のリップなどといった"強い女性"像を表現するメイクもそのコンセプトに共感した人々の間で流行した。
このような女性像の流行により、切れ長でつり目がちな瞳や三白眼、白い肌といった容姿でミステリアスで妖艶な雰囲気をもつ「富江」がその女性像を表現するキャラクターとして若者によって「再発見」された、と考えられるのではないか?
原因3:アニメ・漫画と密接なサブカルチャーの存在
3つ目の理由として、SNS上のサブカルチャーの存在が考えられる。
SNS上には、ヒップホップ、ゴス、レイヴ、アニメ、K-POPなどからの影響を多分に受けている若者のサブカルチャーが見受けられる。
そういったカルチャーの中で、漫画やアニメのキャラクター、とりわけダークな一面を持った「中二病」的なキャラクター(『東京喰種』の金木研や『NARUTO』のうちはイタチなど)は好まれ、内面に悩みを抱えている若者のアイコン的存在としてイラストやタトゥーといった二次創作に用いられている。
そういった文脈で、絶世の美貌を持ちながら人ならざるグロテスクさを併せ持った「富江」はそのダークな設定から、それらのカルチャーに歓迎されたと言えるのではないか。
まとめ
1980年代に発表されたホラー漫画『富江』は
高い海外人気を誇り、KPOPやSNSにおける若者の文化に発見され受け入れられることによって、現代になって再び高い人気を博しているのではないか?(ある意味日本では逆輸入の形で流行したのではないか?)
と考えた。
(個人的にこうだったらいいな...という意見なので真偽は定かではありません、あしからずm(_ _)m)
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