できない文系院生の悲惨な末路(5)
さて研究室での「大学院生カースト」の最下層にあっという間に堕ちてしまったMくん.その後は,常に「他人からどのように見られているか?」を気にしながら院生生活を送っていたように思う.指導教員の学部ゼミの学生で指導教員が目をかけて飛び級してきたKくんと当然実力が違う訳だから研究会での報告も異なってくる.当然であるが「にわとりMくん」が毎回報告をしくじり,Kくんは,論文を書くための研究指導がなされることになる.ここでMくんはKくんに対して猛烈な嫉妬心をもつことになる.
根底にあるのは,Mくんの学歴コンプレックスである.指導教員は多様な人材を好む人だったので,(自分が見込んだ(ここ重要!))学生であれば,どこの大学を卒業していようと関係なしに研究室に受け入れてくれた.したがって,研究室のある大学だけでなく全国から国公私立問わずいろいろな経緯の持ち主がいた.ただ,その中でもMくんが卒業した大学は(もちろん偏差値ですべては測れないが),レベル的には一番したであった.このことをMくんは非常にコンプレックスを持っていた.学部なんてどこでもいいとは言わないが,大学院ではそれほど気にすることではないのだが,Mくんは非常に気にした.常に
「〇〇〇大学卒ってことでみんなオレの事バカとおもってないか?」
といった感じである.実際に,研究室の院生はそんなこと思っていないし,考えるのもばかばかしいと思っていたはずである.しかし,Mくんは違った.ことあるごとに自分の学部の大学はいい大学であることをアピるのだ.常に他人との比較で自分を評価し,学歴コンプレックスを持っているもんだから,研究会で指導教員に指導される(まぁ,怒られるわけだが)と,
「俺はKくんのようにここの学部でなく,〇〇〇大学の学部卒だから先生は俺よりもKくんはひいきするんだ」と考えるようになり,自分ができない院生と思われないように,虚勢をはり,必死に自分が「できないやつだ」と思われないように痛い痛しい振る舞いをするようになった.
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