ちょいワル四間飛車術~振り飛車・裏手筋~第1回

皆さんこんにちは、将棋が大好きなので将棋についての記事も投稿していきます。将棋についてのプロフィールは後日リンク貼ろうと思いますが
簡単に、観る将よりの指す将で振り飛車、四間飛車党。アマ二段です。

このシリーズではちょいワル四間飛車術と称して書いていきます。
四間飛車好きの皆さんに少しでも参考になれば嬉しいです。

第3回までの目次・局面

第1回

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第2回

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第3回

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趣旨、対象、要点

3つの局面を挙げましたが、いずれも本手筋である△85歩に▲77角と受けない、という(裏)手筋の紹介となります。
私がアマ2段なので、指し将棋の記事の対象は級位者~アマ初段としたいのですが、初級者は特に、ここは普通に▲77角と受けたいですね(笑)
基本は大事です
1、ハメ手とか奇襲ではなく、正確に指すとこちらが悪い
、”飛車先の歩交換3つの利あり”という格言がありますが、
現代的には”飛車先の歩交換3つの利と1つの不利あり”ではないでしょうか。不利とはずばり手損です。居角左美濃急戦や現代相掛かりで飛車先の歩をすぐに交換しないしない理由の一つと思っています。
3、こちらは形良く攻めの形を作れるのに対し、後手は対応に迫られるため形が崩れることが多い
4、角交換四間飛車の骨子と同じく
・穴熊に組ませない
・四間飛車側から動く、動きやすい
という趣旨の手筋
5、飛車道が止まっていなければ、飛車が四間飛車の位置に居なくても使える(手順違い)、手筋の一種なので先手でも後手でもOK。
6、アプリなど77角と指すのを間違って指してしまった場合に使える
(間違って指してしまった時の手筋としてほかの棋書に書いてあったのも参考にしています。)
7、相手の角道が空いている場合、読みが深くなる。
8、少しぐらい悪くても、なんとかする、捌いていくという振り飛車の心意気が大事(笑)
9、ちょいワル四間飛車術は2の概念と都成流の概念のミックス

以上が主な趣旨、要点となります。

第1回

<1図>

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それでは今回は第1回です。
第1回はいわゆる都成流です。
都成流そのものははっきり定義づけされたものではないと思いますが、

こちらのサイトで紹介されている形、
・後手番
・先手角道が空いていない
・飛車を振っていない
の所からの▲25歩に△33角や△33銀と受けない指し方を
都成竜馬奨励会三段(当時)が指したことから都成流と言われています。
私見では、都成六段の棋譜を全部見ているわけではないですが、
この局面に限らずちょっと見ない”捌き方”を彼が指した時に都成流と私は呼んでいます。

さて、<1図>に戻りましょう。この局面初手から
▲76歩△84歩▲68飛※a△85歩▲78銀※b<1図>
※a 四間飛車の意志を表明
※b △85歩に▲78銀と指すのが都成流風→▲66歩は第3回

この△85歩に▲78銀と指すことで居飛車側にとってみれば
<飛車先の歩交換3つの利あり>だし76の歩も取れるという読みがあるし
何か間違って指したのでは?という思惑も働かせるので
次は△86歩としたくなる。というのがこちらの本線である。
<1図>指し方は色々あり

<1図>からの指し手

①△普通に86歩 ②様子見の62銀 ③無難な34歩 ④玉を固める42玉 が考えられる。

結論から言うと飛車先の歩交換3つの利あり、というだけあって①△86歩が最善(以下、ソフト検証にて評価値が高いものを基本的に最善とする。)である。
今回の記事では以下、都成流の変化①△86歩について書いている。
(他の手の場合については書かないが、相手が守りの手(玉を囲う)をするならこちらも美濃囲いを作っていくか、攻めの形を作っていく。
攻めの形の理想はいずれも<2図>のようになる。
▲66角~▲77銀~▲88飛)
先に都成流の要点書くと、相手の手の流れに乗って攻めの態勢(左辺)を作っていくのが都成流の一つと考えられる。
理想の局面は

<2図>

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ただし、①△86歩を選ぶと都成流の変化に飛び込むことになる。
(※私は批判的な意味で使われる奇襲戦法やハメ手という言葉は好みでなく、基本的に将棋の戦法はどれも研究して使われる真っ当なものと思っている。穴角とか角の不成とかは別)
都成竜馬6段としてもハメ手として指したわけではなく
自分のやりたい形をするための手順だったと思われるし、
①を選ばなかった場合、こちらがより良い駒組みができる。

<1図>から
△86歩▲同歩△同飛▲66角※c <3図>

<3図>

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この形が都成流への基本的な変化となる。
(ここからの変化が都成流だと思っていた)
※c 77角もある。後手番で飛車を振っていない形なら、
△33角▲28飛△24歩▲68玉△23銀のように銀冠に組んでいくような手順もあるし、振り飛車にする手順もある
先手番なら▲77角は新都成流と言ったところだろうか(こちらのが最善)
しかし▲66角のが変化が面白い。
▲77角については後に研究して投稿したい。

<3図>からの指し手
①格言にそって飛車を深く引く手△82飛 
②思い切って横歩を撮る△76飛 
③桂馬を取りに行く△88歩
④その他 △34歩、△42玉、△62銀、△72金、△64歩等

①②③は都成流の変化のうち。
手の流れとしてはこの3つが思い浮かぶだろう。
ソフトに読ませると実は④の手なら△34歩以外は互角だが後手良しとなっている。△34歩は都成流の変化では触れられていないと思う。疑問手ぐらいであるが棋風に寄ってはこれもアリ。先手が窮屈そうな形なので角を先手に捌かれると局面がほぐれやすくなる、という事で少し評価は悪い。
(最善から△62銀、△42玉、△82飛。ほぼほぼ同列。棋風によるか)

以下は都成流の変化で知られる③②①の順で述べていく。

③△88歩、一番の悪手

<3図>から
△88歩▲77銀※d△82飛▲88飛△同飛成▲同銀<4図>

<4図>

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※d △88歩にぐいっと▲77銀と上がりに当てる
△88歩は初級者の目には映り易いが▲77銀とあがり飛車にあてられて後手がまずい。1歩を取られたうえに先手が3手ほど手得をしているので形勢判断は先手有利となる。

②76飛

<3図>から
△76飛▲77銀△74飛▲88飛<5図>

<5図>

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△76飛は歩をただで取れるがこれは囮であり、
▲77銀△74飛▲88飛となって、後手は1歩得に1歩持ち駒にできているが先手は手得(4:2?)の上、攻めの形が出来上がっていて、且つ飛車が素通しである。飛車先の歩を交換されたはずなのに、なぜか先手の飛車の方が働きが良いという手順。振り飛車で角交換をしていない場合に、攻めの形としてはほぼ最善型ではないだろうか。(▲76銀~▲77桂がほんとの最善か。)この飛車先の歩を交換させて飛車を向かい飛車に振るのが都成流の要点の一つとなる。ここまで来たら、①や第2回第3回についても書かなくても分かってきていると思うが(笑)

①82飛

<3図>から
△82飛▲84歩△72銀▲77銀△42玉▲88飛<6図>

<6図>

画像9

この手順はややココセ(※こちらが指し手ほしいと思うような手)となるが、わりと自然な手でもある。
前述したように相手の飛車を抑えて、飛車を向かい飛車にする。都成流の変化の理想その2と言ったところ。(第2回第3回もこのような変化を目指すもの。)

評価値的には互角(+200ぐらい)であるが、攻め型が整っている分
”先手指しやすい”である。
ここまでの駒組みの手順違いで美濃ー舟囲いのように組み合っている場合は
先手有利(+650ぐらい)になる。
<6図>では一見攻め型がしっかり整っている、左辺は70:30ぐらいで勝っているようにも見えるが、意外と難しい。抑え込んではいるが1歩損だし実際は6:4ぐらいだろうか。このあとは角交換や角を切って金駒と交換できれば有利になるが、後手も交換させないように駒組みをする、角を歩で取れれば先手が劣勢となる。
△85飛と一度引く変化もあるが、▲77桂馬と跳ねられてしまうため(それでも難しいが)振り飛車の方が駒が躍動しているという意味で疑問手。

ちなみに相手が都成流とわかり、ここぐらいまでの変化まで来てしまった時に、▲84歩の時に△34歩や一番感覚として嫌な手、the都成流潰しのような手は△86歩という手がある。
本家の都成流では、▲79金が入っている形もある。 
四間飛車▲79金型は、ちょいワル四間飛車術ではないシリーズでも出てくるかと思う(笑)

まとめ

都成先生は後手番で指していたが先手番なら四間飛車を先に表明できるので、四間飛車党としては手損でも飛車を振りたい。
(飛車道が止まっていなければ上記の変化は(条件次第で)できる。)
都成先生は飛車を振っていないので、
私的にオリジナルで四間飛車・都成流と名付けたいかも(笑)
普通の四間飛車戦法でも結局三間に振ったり、向かい飛車に振ったりするので、たと初手▲78飛でも(心は)四間飛車と言いたい(笑)
将棋ウォーズではとにかく最初に▲68飛と指して四間飛車扱いにする時がある。相手に先に飛車を振られてしまうと2手目△42飛では相振り飛車になってしまう(;´∀`)
86歩と指させて攻め型を整えるという、ちょいワル四間飛車術第一回はいかがでしたでしょうか?第一回はほぼほぼ都成流の紹介でしたけどね(笑)
この形は(第一回のテーマ図)は、ここの所は都成先生のこの形は見られていないので忘れてる人も多いかもしれないけど、比較的知られている形かな、と。「ん?この形なんかで見たことあるな…、あ、都成流って奴か???」みたいな。知られていなければほぼほぼ△86歩と指してくると思います。ちなみに△85歩にノータイムで▲78銀と指すと
4~5秒ぐらい考えて△86歩と指してくると思いますw
ここで10秒20秒考えてから同歩と指すと、▲78銀は間違えたんだな、と思ってくれることが多いので勝負術としてはありかもしれませんw
(第2回、第3回も共通の裏手筋w裏勝負術)

第2回第3回もきちんと更新したいところ。定期的に。
このシリーズ第3回か、長くとも第8回ぐらいに収めたいところですが、
第3回以降はまだテーマ局面が決まってません。
恐らく今回の3つに角道が開いている場合での捌きについて書こうと思っていますが冒頭の要点7に書いた通り、読みが深くなるので級位者向けでないし、できない変化も出てくるので、どうかな?って思っています。
逆に研究してみて、都成流は対策があるけれど、角交換したほうが、四間飛車側に有利な変化も出てくるかもしれないな、と思っています。

第2回第3回も相手の角道は開いていますねw
自然な手順では開いていて然りでしょうか。
第2回第3回で伝えたいのは、66歩が入っていて
78銀と上がっているケース(都成流は66歩が入らず)と、
78銀すら受けないケースということについて書きます

上記に書いた繰り返しになりますが、いずれも、
相手に飛車先の歩を交換されるけれども、それを手損にさせ、
こちらは手に乗って攻め型をを作る、という裏手筋です。
四間飛車でなくとも使える、最善ではないので
振り飛車・裏手筋としています。

まったく別件ですが、棒銀の新手筋、裏手筋として使えそうな手順が結構前にツイッターで見たのですが(ソフトがやっていた手で角をぶった切ってゴリゴリやってく手順)もし知っている方がいたら教えてください(*´ω`*)
あまり検索できないってことは成立しないってことなのかなぁ。

またぜひお気軽に、コメント、フォローなどお待ちしております^_^

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