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結局2024年問題って何なの?

どうも皆さん、東邦サービスです。

今回取り上げるお話は2024年問題です。
聞いたことはある~と思う単語だと思います
ぜひ、お目を通していただきたい問題です。

ニュースや新聞なので「2024年問題」と
取り上げられているかと思いますが

結局のところ2024年問題ってなに? 

となる方が多いんじゃないでしょうか。

実際のところよくわからないひとも多く、
神奈川県トラック協会が調査したところ、
運送関係者と一般の消費者との差に
ものすごい開きがあることが分かりました。

出典:神奈川県トラック協会「物流の2024年問題みんなの意識調査プロジェクト」
https://www.kta.or.jp/pub/project2024/01/

この記事ではその2024年問題について少しでも知ってもらいたいと思います。


1.そもそも2024年問題って
   なにがどう変わったの?


よく2024年問題、2024年問題って聞きますが

一体なにが問題なのか

「運転手(ドライバー)がいないから
荷物が遅くなるみたいなことでしょ?」

ニュースだとそのあたりがピックアップされています。

別に運転手がいないなら雇えばいいだけなのでは? と
この業界に来る前は思っていましたし、
むしろその単語すら知りませんでした。

改善基準告示

難しく改善基準告示なんて書いてありますが、
言い方を変えると「働き方改革」のことです。

これなら皆さん聞いたことがありますよね?

「働き方改革」とは

労働環境の質の向上と生産性の向上を目指し、
長時間労働の是正、柔軟な働き方の推進、
女性や高齢者など多様な人材の活用を促す国や企業の取り組み

のことを指します。
テレワークの普及、育児・介護休業制度の充実、
正規と非正規の格差是正などが主な施策として挙げられます。

関連法の成立で時間外労働の上限規制が導入されたり、
5日間の有給休暇取得が義務化されたりしたことに加え、
新型コロナの感染拡大の影響で、
一部の業種で休業や短時間勤務が求められ、
さらに労働時間が少なくなりました。


追加で連続運転時間(1回がおおむね10分以上、かつ、
合計が30分以上の運転を中断することなく
連続して運転する時間)を設けられました。

小まめに10分以上を3回とるか
30分以上休憩をとりましょうという内容です。

また中小企業で月60時間の時間外労働が発生した場合には、
2023年の法施行により割増賃金率が
25%から50%へ引き上げられることになりました。

結論から言えば
休憩もしっかりとって、運転手の労働時間が減りました! 
という風に見えますよね。

出典:厚生労働省「R6年4月から改善基準告示(トラック)」
https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/truck/notice

別に労働時間が減ったならいいこと、
ホワイト企業化になるいい機会! と思うのが
入社前の一般人だった私です。
しかし、ここには運送会社の給与形態があります。

2.運送会社の給与形態

運送会社の給料ってみたことありますか?

実は固定給料のほかに運転手当や無事故手当など
手当コンボが多いのです。

これは運ぶ荷物量によって
その人の給料に反映するという仕組み
になっている会社様が多いのです。

荷物を運ぶことでお金をいただく。
多くの荷物を運べば運ぶほどその運送会社に利益がでます。
逆に荷物を運ばない、
つまり仕事がないと収入もなく損失になります。

会社の代表、経理から見たら収入よりも
社員さんへの給料が大きいと赤字になり
経営がままならないため
こういう給与形態にされる会社がおおいようです。

いままで残業時間の制限がなく、
走って荷物を運んだ分だけ稼いでいたドライバーが
1か月ここまでしか残業できませんと
上限を設けられたとなれば給与にも響きます。

2-1.逃れられない負のスパイラル

給料が減ってしまったドライバーが考えることは何でしょう。
もしあなたがドライバーだったらどう思いますか?

頑張っても頑張れる上限が決まっており、
給料も上がらないどころか下がってしまう。
しかも物価はどんどん上がっています。

そこから導き出される答えの一つが転職です。
給料のいい会社に行こうと思うのが一般的な思考になると思います。

そうなるとどんどんドライバーは減っていき、
本来運べるものも少なくなってほかの人への負荷も増え、
体調不良や最悪事故を起こし、
運転ができなくなり収益が減ってしまうどころか
会社運営自体が難しくなってしまうのです。

給料低下による離職のスパイラルの例

2-2.運んだ分の料金を上げればいいのでは?

そのとおりですよね。

でも、それがなかなか難しいのです。

現代、国交省が公開している運送会社は全国で57,856社あります。
関東だけで見ると18,284社で構成比は全体の31.6%を占めています。
この57,856社が荷物を運ぶ、
つまり仕事をもらうためにしのぎを削っているわけです。

荷主(個人や企業において、荷物を所有する人のこと荷主を呼びます)企業はより運賃の安い業者へ依頼します。

その方が利益になるからです。

なので運送会社が運賃を上げたいというと、

「じゃあ○○さんよりも安いところと契約するけどいい?」などと

言われたりいわれて契約を切られることを恐れて価格交渉しにくい現状があります。

2-3.運送会社の負担は運賃だけではない

ここまでの話、運べる時間は少なくなるということは分かったけどそんなに運ぶのに時間ってかかるものなの? と思う方がそろそろいらっしゃるかと思います。

実はそこも運送会社の悩みの種でございまして
何が問題なのかといいますと
仕事内容によっては荷物を運んで終わり! ではなく
ドライバーさんが荷物を自身でトラックに積んで、届けてドライバーさんが荷物を卸すところまでやるという「手積み手卸し」があることで、作業時間が長時間となることがあります。
フォークリフトなどで運べるならドライバーさんの負担も減り、時間短縮になりますが、荷物の積載量がパレットの分減ってしまうため、嫌がるところもあるそうです。
それ以外にもその荷物を積むためにトラックが長蛇の列を作って待っているという着(発)荷主で荷待ち時間が発生したり、納品までのリードタイムや時間指定等の条件がある、事故などで渋滞に巻き込まれるなどございます。

3.問題解決に必要なこと

この2024年問題というのはいろんな問題が重なり合ってできたものです。
何か一つ改善すればいいというものではありません。
しかしながら少しずつでも改善していくことができれば解消されていくかと思います。

3-1.荷主さんにお願いをする営業力(運送会社がやれること)

1番の解決策で1番触れづらいかもしれませんが運賃の値上げ交渉です。
運ぶ賃金を上げることで運転手さんへの給料をアップすることでモチベーションの維持や会社に残ってもらうように働きかけること。
「安いところ使うからいいよ」という荷主さんは今はいいかもしれませんが近い将来運ぶ会社が無くなり運んでもらえなくなります。
実際、2024年1月~6月までの間に帝国データバンクのデータをみると運送業だけで186社の倒産と発表がありました。
いままで安く運んでいた会社が無くなってくれば新しく運んでくれる会社は安い運賃では動いてくれません。
安い金額しか提示しない荷主様を切って、新規開拓して成功した会社様もあります。 
値上げ、または標準的な運賃への交渉や新規開拓ができる営業力というのが運送会社に求められています。
また、運賃だけではなく高速道路利用料や燃料サーチャージ代なども払ってもらえるような交渉も必要です。

3-2.運送会社と連携する提案(荷主さんがやれること)

運送会社さんで大変なのが高齢化してる中で手積み、手卸しをしなくてはいけなく、それにかかる時間も含めて労働時間です。
さらに言うとその手積み、手卸しするまでに待ってる時間も労働時間としてカウントされます。
この時間を短縮できるように予約システムを導入されたり、一度に運ぶ量が減ってしまいますがパレットを使って運べるように準備するということだけでドライバーさんの負担が軽減されます。
小分けでの配送よりも中1日でも空けて、満載での運行ができれば長距離ドライバーへの負担も減らせます。

3-3.企業努力を知ること(消費者側がやれること)

個人的に一番重要なことは今まであまり意識していなかった一般の方々の意識が一番必要なのではないかと思っています。

ひとつ目は

トラックドライバーさんは4時間走行したら30分休まなくてはいけないということなんて知らないからか、高速道路のPAやSAで大型専用あるいはトラック専用の駐車スペースに普通自動車が止まっているせいで休めないこともあります。

これは本当に運送会社さんにとって死活問題になります。
もし、休めなかった場合どうなるかと言いますと
数年に1度の監査によって厳罰処分を受けることになります。
この厳罰処分には営業停止や車両停止をいった仕事をさせなくする期間を設ける処罰もあります。

このダメージはものすごく大きく、会社を維持することが難しくなります。

ふたつ目は

Amazonなどの配送では荷物一つ届けることで報酬をもらう仕組みです。
不在だった場合には家まで向かう時間に、燃料がかかっているのに報酬をもらうことができません。

再配達を依頼してもまた不在となれば再度連絡をとったりする時間もまたかかります。
再配達にならないように確認して問題ない宅配ボックスを準備したりすることで再配達をしなくてもいい環境づくりをする。もちろん、ちゃんと配達業者が指定するものに準するものを用意しましょう。

ほんの些細なことかもしれませんが、我々消費者が工夫するだけでも状況は変わっていきます。

4.まとめ

今回は2024年問題とはなにかというところから解決策になりえるものを上げてみました。
まだまだ抱えている問題はありますし、一般の方にはわからない用語があってなかなか感じられにくいところはあるかと思います。

ただ、知ってほしいのは
いままで商品が無くなることがなく買い物ができていたことも会社で必要な部品や紙などの雑貨も運送会社があってできているということです。

今回はこの話を知ってほしいという思いで書かせていただきました。
少しでも運送業界に興味/関心を持っていただければ幸いです。

なお、弊社では人材紹介の資格もありますので
運送業に興味のある方はぜひお声がけください。

いろんな会社様と関わっているのでご紹介できます

ご拝聴ありがとうございました。




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