伝統と革新が交わる 若き蔵元が織りなす未来への挑戦① 【とうほくGenki × 青森県酒造組合】
海外での日本酒人気が高まる中、国内では若者の日本酒離れが課題となっています。その中で、日本酒の魅力を若い世代にアピールしようと、各酒蔵による伝統にとらわれない新しい「日本酒」へのアプローチが注目を集めています。
若き蔵元たちの日本酒に懸ける新たな挑戦について、青森県酒造組合 広報委員会委員長を務める駒井秀介(八戸酒造株式会社 専務取締役)さんへお聞きしました。
「あおもりの地酒アンバサダー」任命
SNS通じて国内外に魅力発信
ホテルなどで定期的に開催していた「青森の地酒を味わう会」の実施がコロナ禍によって難しくなったことから、青森県酒造組合は2020年にネット媒体・SNSを中心に地酒の魅力を発信してもらう「あおもりの地酒アンバサダー」の公募を始めました。これまで任命したアンバサダーは1期が15人、2期・3期は5人ずつ、4期は7人で、国内はもちろん上海や香港、シンガポールなど海外にもいらっしゃいます。
アンバサダーの方々には、お送りしたテイスティング用のお酒に合う料理をつくったり、お仲間と一緒に味わったりする様子をSNSで紹介していただくのですが、中にはオリジナルTシャツ制作やオンライン試飲会の呼び掛けなどをしてくださる方もいらっしゃいます。こうした活動ぶりが業界内外でも知られるようになり、関心を持たれた方々からの応募方法に関するお問い合わせや県外酒造組合からも問い合わせをいただくことがあります。
幅広いターゲットに向けてイベント開催
日本酒の入り口広げる挑戦
青森県酒造組合では、コロナ禍の2022年に消費者向けに向けて青森の地酒をPRするリアルイベントを企画し、4月29日に「あおもりの地酒SPRING FES in弘前」を開催しました。桜の見頃ということもあり、地元の方だけでなく観光客もターゲットとして、多くの方にご来場いただきました。同年7月1日には第二弾として「あおもりの地酒SUMMER FES in八戸」を開催しました。八戸市では久しぶりの日本酒イベントということもあり、来場者は600名を超え、青森の地酒を十二分に楽しんでいただくことができました。
また、「SUMMER FES」は継続事業として今年の7月7日にも八戸市で開催し、七夕に合わせて浴衣でいらした方には1杯サービスしました。金曜日の開催だったため仕事帰りのサラリーマンやOLたちで賑わい、三沢基地のアメリカ人の方々も多く参加されていました。
アルコール飲料に占める日本酒のシェアは低く、若い人たちのアルコール離れも指摘されています。そうした中で、いわゆる新ジャンルの商品としてスパークリング、ビールテイストなども手掛けており、果実やホップなど地元の産物にこだわりながら日本酒の入り口を広げていきたいと考えています。
青森県酒造組合 広報委員会委員長
八戸酒造株式会社 専務取締役
駒井秀介(こまい・ひでゆき)氏
1978生まれ。大学進学後、2002年八戸酒造入社、2003年から陸奥八仙のリブランディングを手掛ける。八戸商工会議所取引拡大委員会副委員長。
青森県酒造組合
青森市大字油川字柳川1番地3 TEL/017-764-0040
URL/http://aomori-sake.or.jp
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