型どられた蕾

思考は灰色で、意見は白色で、みんなは十人十色、とはいえ純色で、自分の不純な白色を恨んだ。


きっと僕が単子葉類でも、周りが双葉ばっかりならば、その誇りを驕りを持って裂き、バウムクーヘンみたいに笑うだろう。

身体を温めてくれる毛布は、僕の心の中なんて見向きもしない。
用が済んだらさっと行ってしまう。
だから僕の方から燃やしてしまった。

「じゃあ一人で暖まっていればいいだろう」って。

毛布は最後に呟いた。

「孤独に弱い君は一人になってしまうのに、いいのかい?」

今更言われても、困るよ。
でももう届かなかった。燃やし尽くしてしまったから。

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