驟雨

時間という概念が無いならば

雨は無数の糸となる

そのこの世の何よりもか弱い糸を

あなたは奪って我がものとしてしまう。

触れると(熟れ崩れた果実のように——)

解けてしまう、と知っていながら

虫のように蠢く彼らは

あなたの心をかじるでしょう。

終日止めどなく流れる時計が、

律儀に実線上をゆくだろうか?

誰かが、止めてしまうかもしれない。

1人1人違う時間の流れを

同じくするというのならそれは、

一身に受ける寵愛をば

捨てるという事であるから…

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