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【漫画】『タコピーの原罪』所感~おじさんの現在

長谷川誠 何も持ってないけど 長谷川誠 おみくじは大吉♪
マハラージャンの新曲、心の傷三部作の第三弾『持たざる者』が良すぎて頭から離れません。マハラージャン、真面目にカッコよく不真面目・おふざけができるという、個人的にスネオヘアーを思い出しますな長谷川誠です。

本日は『持たざる者』をBGMにお送りします。ファンキー。

さて、ネット各所で異様な考察合戦となっていた『タコピーの原罪』を読み終わりました。単行本を購入したわけではなく、「ジャンプ+」のアプリです。アプリは既にインストール済&活用済だったため、いつでも読める状態だったのですが、アプリ最近開いてなかった…。ついでに未読が溜まっている『怪獣8号』と『ダンダダン』も読まねば(笑)

さて、『タコピーの原罪』である。

ネタバレは極力避けて書きますが、正直な感想は、非常に良い「物語」だったなぁ、と。※以降、あくまで年のいった”おじさん”の感想っぴ。

どちらかと言うと、こういった「しゃれにならない辛いリアルな現実世界+ファンタジー」という作品は「ヤングマガジン」や「ヤングサンデー」といった”ヤング”雑誌の専売特許だったような気がします。「ジャンプ+」という挑戦的な新媒体だからできた実験的な連載だったのではないでしょうか。

「ジャンプ+」という媒体だったがために、ヤンマガ・ヤンサン層よりも若年層が触れる機会が増える→衝撃を受ける人たちが続出→単行本が入手困難に…という背景なのかなぁと夢想してみたり。

確かに、私が『キン肉マン』やら『魁‼男塾』やらで盛り上がっていた頃にジャンプワールドに『タコピーの原罪』が来たら、確実にどエライ衝撃を受けていたと思われます。

そりゃ当時は、藤子・F・不二雄(藤本先生)が短編で描くようなダークな一面も知らなかったですし、厳しい現実を鮮やかに描きすぎるあまり、辛すぎて読み進められないような漫画(『三月のライオン』のいじめ回や新井英樹先生の漫画全般等)も知りませんでしたから…。

各所で考察している皆さんがいらっしゃいますが、”原罪”(無自覚な産まれながらにして背負っている罪)というキリスト教用語が物語の構造を説明している点に気付いた時などは深夜に一人フォォォォォォっ!と盛り上がる程に素晴らしかったです。

作者のタイザン5先生がインタビューに答えているように、作品の骨子は現代版明るくない『ドラえもん』。藤子・F・不二雄(藤本先生)が『ドラえもん』や短編にて”一神教の神”やキリスト教を数多く取り扱っていたことを考えても納得の”原罪”っぴね(何目線?)

そして、最終回。敢えて説明は省き、読者にある程度委ねる形の終わり方だったため、色々と皆さんが考察されております。

長谷川誠的な解釈ですが…
※わかる人にはわかる表現をしてしまいますので、ネタバレが嫌な方は読み飛ばしてください!!

アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』で暁美ほむらが、意図せずに鹿目まどかが存在する数々の世界線を束ねてしまい「アルティメットまどか」になるほどの因果を蓄積させてしまったように、あの最終手段とはタコピーも「自身が存在した数多の世界線を束ねた」のではないでしょうか。

束ねたことにより、主要な登場人物たちの脳内には全て「辛い現実の中に存在する無垢でファンシーで平和な存在(タコピー)」が存在。その存在がきっかけとなり登場人物たちが先の人生へと歩んでいくことが、あのエンディングなのではないかと思いました。

いやー、とにもかくにも。
考察される作品ほど面白いのは鉄板ですね。キリスト・ユダヤ教的な考察が増えていく様は、エヴァの死海文書考察を思い出しましたよ(すぐ自分の世代に合わせた、こういうことを言うからオタクおやじは嫌われる)(笑)

未読の方は「ジャンプ+」アプリをインストールすれば読めますので、是非ご一読下さい。

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