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#古明地こいし
僕は道端の小石に話しかけている
ぼくには、ぼくだけに見えるおともだちがいる。
その子の名前はこいしちゃん。
どこから来たのかも、ふだんどこにいるのかもぼくは知らない。
だけど、ぼくがさびしい時にはいつもちゃんと来てくれるんだ。
*
とある一軒家の六畳間。そこにはおもちゃがたくさん並んでいる。その真ん中に座っている少年は、側にあったおもちゃを一つ取って遊び始めた。特に「これがいい!」といったものもないらしく、ある時
閉じ込めた日々を瘡蓋で綴じて
私には、忘れられない「ある出来事」がある。
それは今まで誰にも言えなくて、自分で思い出すことすら憚られる類のものだ。
意図せず思い出した時は辛かったし、忘れてしまいたいと心の底から思っていた。どうにかして過去の痛みを消せるなら、どんな方法にでも縋ったと思う。
だけどあれから大分時間が経った今では、その傷も少し癒えたのかもしれない。時間が解決してくれるという言葉は、ちょっとだけ本当なのかもし