秋の夜長(時差あり)
久しぶりの、長めの海外出張に来ています。日中は忙しいし、時差もあるから、彼とのやり取りは少なめ。おかげで、悶々としたやり取りもせずに済んでいる。
「今日はこんなふうだったよ」と伝えても、「俺なんて朝から子どもが熱出して大変だったよ……」とか言われてしまいそうだから、ワインあけてご機嫌な写真とか、街で見つけた変な看板の写真とか、送るのもやめていた。遊びで来てるわけでもないし。
心身ともに疲れていると、他人が楽しんでいるのを喜ぶ余裕がないのはわかる。でも、私は、楽しそうな彼の旅の写真を見たら、うれしくなると思うけど。
いや、家族旅行の写真とかだったら「フン」と思うかな……?
思うかもなーー。
などと考えていたら、滞在して数日経ったころ、穏やかな夜のやり取りが復活した。今日あったことや仕事の話をして、「ちょっと、子ども寝かしつけてくるね」と言って、その後またしゃべりに戻ってきてくれる。
それでも、長く話しているうちに、彼のちょっとした言葉がトリガーになって、一気に気分が落ちることがある。それから、ウザ絡みしてしまう。あーあ。アンガーマネージメントみたいに、ウザ絡みマネージメント出来るようになりたい。
せっかくのお付き合いだから、お互いニコニコ気持ちよく。いい自分でいたいし、少しの我慢は胸の内に……と思う反面、付き合ってしばらくした頃、彼に「あんまりこういうの言葉では言わないけどさ」と前置きしつつ、「好きなことなんかもういいから、なにに怒ってんのか、悩んでるのか話してほしい。負の感情を受け止めたい。そう思うなんて、大好きってことじゃない?」と言われたことがあった。うれしかった。
だからって「負の感情を受け止めてあげたい」=「気を遣わずにぐずってよい」っていうのは意訳すぎるので、やっぱりウザ絡みは避けたい。そもそも、彼はもうそんな気持ちではいないかもしれないし。
出張中でいつも以上に気ままに連絡できる私と違って、リモートワークで、家族や子どもと四六時中一緒にいる彼が、こうして朝昼晩とメッセージをくれるのは、大変なことだろうな。朝ごはんを作ってる最中とか、夜も寝かしつけたあと布団にもぐったり、うす暗いリビングでスマホを触っている彼を思ったら、胃が縮むように申し訳なくなるし、「いつもありがとう…」と心底思います。(かしこまってお礼を言ったら、「なにしおらしくしてんの?笑」と言われたけど)。
お互い気ままな時間にメッセージを送り合って、返事を待たずに済むし、タイミングが合えばリアルタイムでしゃべって。時差も悪くないなと思った。