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大石明弘
2024年8月6日 13:46
「8000m峰に行こう」私のその言葉に応えてくれたのは平出和也だけだった。21歳の時だった。平出は私とは違う大学で、陸上部から山岳部に転部したばかりだった。長髪で無口だった彼は、東京周辺の山岳部が集まる飲み会で異様なオーラを放っていた。しかし、その雰囲気とは裏腹に、「やりましょう! 絶対いきます」と言って、親し気に顔を向けてきてくれた。一年後の2001年10月、大学4年生の秋。私