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保健機能食品のまとめノート



医薬品と食品の違い

食品の定義

第4条 この法律で食品とは、すべての飲食物をいう。ただし、薬事法(昭和35年法律第1 35号)に規定する医薬品及び医薬部外品は、これを含まない。

昭和二十二年法律第二百三十三号 食品衛生法

つまり、医薬品や医薬部外品、再生医療等製品等の医療目的で使用される物以外のすべての飲食物のことを食品と定義しているようですね。

過去にこの文章のまま正誤を選ばせる問題が出題されています。
問題に出たとき、「すべて」と表現されると「1つくらい例外があるのでは・・・」と抵抗を感じますが、ここは素直に選びましょう!

食品の定義はわかりましたが、どこまでが医薬品等に分類されるのかわからないと、食品かどうかが判別できませんよね。
そこで、次のような基準が定められています。


医薬品の範囲に関する基準

下記4つの要素に該当するものは医薬品とみなされます。
食品と称して販売していても、これに該当してしまうと、承認を得ずに勝手に販売された無許可無承認医薬品と判断されます。

1. 医薬品の有効成分が含まれている。
2. 医薬品の様な、効能効果が表記されている(または暗示されている)。
3. 医薬品の様なをしている。
4. 医薬品の様な、用法用量が記載されている。

つまり、「紛らわしい物作るんじゃねえ!」と言いたいんですね(笑)
それぞれの要素について、詳しく触れていきます。


1について
医薬品として使われている成分が入っていたら、それはもう医薬品と考えて問題ないよねという文章です。
当然ですね。
実際に医薬品成分が検出されなくても、その成分が入っていると表記すると、医薬品と判断されるため、OUTです!
ここは要注意ポイントですね。


2について
これは食品の包装や添付文書に限った話ではありません。チラシやインターネットももちろんNGです。


3について
「紛らわしい見た目の物は作るな!」という意味ですね。
ただし、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の、食品としても存在しそうな形状のものは、食品と表記されていれば、形だけで医薬品だと判断されることはありません。
舌下錠や口腔用スプレー剤等、食品とは考えにくい形状のものがこの要素に該当します。
口腔粘膜や舌下から食事をする人はいないですよね(笑)


4について
食品に明確な食べ方等が定められているケースを見たことありますか?
例えば、「このお菓子はおやつとして食べてほしいので、15時に100 gを食べてください」なんて表記になりますね。
実際に見たことはないですよね。
ここまで定められると医薬品と判断される可能性があります。
ただし、レシピにおける使用方法などの表記は問題ありません。

以上、4つの要素が食品と医薬品の境界線となります。


保健機能食品

食品の中でも、保健機能についての表示が許可された医薬品を、保健機能食品と総称します。

保健機能食品は食品に分類されるため、届出や許可は消費者庁を通す必要があります。
医薬品だと厚生労働省なので注意が必要です!

保健機能食品には、以下の分類があります。
・特別用途食品
特定保健用食品(トクホ)
栄養機能食品
機能性表示食品

特に紛らわしいのは、太字で列挙した部分ではないでしょうか。
これらの違いについて、簡潔にまとめていこうと思います。


保健機能食品の分類


特別用途食品

  • 妊産婦や病者などの健康の保持・回復などに適するという特別の用途について表示を行う食品。名前の通り、特別用途で使われる食品のこと。

  • 特定保健用食品の一部も該当。

  • 消費者庁の許可または承認が必要。

特別用途食品のマーク



特定保健用食品

  • 個別承認型規格基準型の2種類が存在する。基本は個別に審査が必要。

  • 承認に必要なレベルのエビデンスが揃っていないが、有効性が確認されているものは、条件付き特定保健用食品として許可される(要件は後述)。

  • 疾病リスク低減表示が認められている成分がある(現在はカルシウム葉酸のみ)。

特定保健用食品のマーク
条件付き特定保健用食品のマーク

規格基準型について
エビデンスが十分に蓄積された成分に関しては、規格基準を満たしていれば特定保健用食品として扱っても問題ありません。
これに該当する成分は下記3つのみです。
・食物繊維
・オリゴ糖
・難消化性デキストリン

(+α) 条件付き特定保健用食品の審査基準について
特保と条件付き特保の審査基準の違いは、以下の表の通りです。

特保と条件付き特保の審査基準
p≦0.05は危険率5%以下、p≦0.1は危険率10%以下であることを示す。


審査基準としては大きく2つあります。
作用機序の明確化対照群との有意差です。

特保として認められるには、作用機序が明確であり、かつ、無作為化比較試験において、対照群と危険率5%以下の有意差が認められる必要があります。

この条件を満たすまではいかないが、表のようなエビデンスがあるものは、条件付き特保として認められます。

表記も特保とは違い、「根拠は必ずしも確立されていませんが、―な方に適している可能性のある食品です。」と限定的な表現になります。



機能性表示食品

  • 事業者の責任で、その機能性を表示するため、個別審査は不要

  • 消費者庁への届出は必要



栄養機能食品

  • 成分含有量が基準内であればOK!個別審査不要(規格基準型)。

  • 表示可能な成分はビタミン×13種類、ミネラル×6種類、n-3系脂肪酸の計20種類のみ。

  • 消費者庁への届出も不要。



今回のpoint

以下の部分をおさえていれば、問われても対応できると思いますので、最低限覚えておきましょう!

1. 食品と医薬品の境界線を明確にする。
2. 保健機能食品の届出・個別審査の有無を明確にする。
3. 特定保健用食品には条件付き承認や疾病リスク低減表示が認められているものがあることをおさえる。
4. 食品は消費者庁が管理している。

各成分についての説明は別の記事で行います!
お疲れ様でした!

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