直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN
直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN
佐宗 邦威
ダイヤモンド社 2019年
https://amzn.to/2LlwWEe
を読みました。感想とメモです。イラストや文言を引用しています。
TL;DR
- はじめに
- 本の構成
- お気に入り(要約&自分の表現ありあり)
- まとめ
はじめに
ビジョン思考とは、
妄想を具体的な戦略に落とし込むために、手を動かしながら考えること
だと、(僕なりに)会得しました。
※ 妄想:自分モード
※ 戦略:理想と現実のギャップを埋める道筋
※手 :存在しない概念を具体化 = デザイン
本の構成
ビジョン思考以外の思考(カイゼン、戦略、デザイン)に少し触れつつも、今の時代を乗り切っていくためにビジョン思考を意識する必要性を説いている点がメインです。他は言語化と練習方法が記載されています。
お気に入り(要約&自分の表現ありあり)
イラスト
下記のイラストに惹かれて書籍を購入したと言っても過言ではないです。
自分含めて、戦略思考のまま新規プロダクトを考える人が多く、既存プロダクトを運営しながらの新規プロダクトを立ち上げる難しさを、あらためて感じました。
ビジョン思考のサイクル
妄想 -> 知覚 -> 組替 -> 表現
妄想:内面から掘り起こした「好き」や「関心」
知覚:複雑なものを複雑なままアウトプットし、解像度を高める
組替:分解と再構築を行い類推から発想を広げ、独自性をつきつめる(デザイン)
表現:手を動かして具体化しながら考える(プロトタイピング)
空想家とビジョナリーな人の違い
今まで、似たようなもんだと思っていましたw
空想家は「妄想」でおしまい。
ビジョナリーな人は「直感」を「論理」につなぎ「妄想」を「戦略」に落とし込む、つまり「好きなことを実現していく力を持っている」人だと思います。
10%成長と10倍成長の話し
10%成長とは・・・
カイゼン思考や戦略思考だと、目標と現在のギャップを埋めて達成率で測るため、達成不可能な目標を持つことはなく、チャレンジに制限・制約をかけており、クリエイティブさがない事が多いように感じます。
10倍成長とは・・・
実現可能性を度外視した妄想 = ムーンショット型のアプローチが必要で、努力では達成できないので、10%成長とか小さいことは考えなくなり、呪縛から解放され、IterativeにたくさんのTryをするようになるそうです。
ストレッチ目標が、いつのまにか、達成するための目標にすりかわって形骸化するのもこの違いにあるのかもしれないです。
ジャーナリング
妄想を引き出すためのメソッド『紙 x 手書き』し、『何もしない時間』を予約しましょう。
『そのときに感じていること』を『毎日決まった時間』に『決まったページ数』を『手書き』し、『人には見せない』ようにします。(cf. 感情アウトプット)
VISION DRIVEN
○ 妄想が実現したら何が起こるか?
✗ その妄想を実現するには何が必要か?
ビジョンで思考をドライブさせるには、理想と現実のギャップを認知することにより現実を変えるエネルギーになるとのことで、思考の広がりを感じます。
一方で、妄想 = ビジョンは実現可能性を考えるとエネルギーを失うとのことで、例文からも思考の収束を感じます。
アナロジー思考
ここは引用のみです。
未知の事柄A(ターゲット)と既知の事柄B(ソース)があったとき、両者のあいだの類似性Cをもとに「Aもこういう性質をもっているだろう」という推論を働かせること
自分のアイデアに類似したものを発見し、それに基づいて発想を広げたり(アナロジー)、未知のイノベーションアイデアをわかりやすい喩えで表現したりする(メタファー)
アイデアの組替を行ううえでは、メタファーをつくる力、その背後にあるアナロジーを見抜く力が決定的に重要である
エクササイズ
妄想ジャーナリング
目的は、妄想力(余白のデザイン)を強化する。大人の判断を壊し、頭のネジをぶっ飛ばす練習ともいう。
1枚の紙にタイトルを横書きで書き、箇条書き番号を1−3とふり、大きな紙に大きな文字で書く。
ひみつ道具プロトタイプ
目的は、妄想力(余白のデザイン)を強化する。手を動かして掘り起こしていくことにより、手で考える力を呼び覚ます練習ともいう。
「どんな道具があったら便利」とか「解決すべき問題は何か」などのくだらない事は考えない。
レゴでもマイクラでも適当にブロックを積み上げ、視覚情報を頼りに創造し、最後に名前をつける。
魔法の問いかけ
思考をドライブさせるためのビジョンをエネルギーに変えるための問いかけ。「もし・・・なら、どうなるだろうか?」というゼロからプラスを生み出そうとするドライブ。
ビジョン・スケッチ
目的は、妄想を視覚化する。
いきなり完成品をつくらず、下書き(A4コピー用紙) -> 清書(スケッチブック)を必ずやり、プロトタイプを何回もつくる。
対象を真ん中に大きく詳しく描き、どんな場所・どんな表情の人などの周囲の状況も描く。清書時は、大事なものほど太く描く。
あまのじゃくキャンパス
『あたりまえ』を『洗い出し』、『違和感を探り』、『逆を考える』という分解ステップの実践法。ビジョン・スケッチを使う。
分解テーマの周囲に「あたりまえ」と連想させるものをポストイットで貼っていく。そこから「違和感」を探しつつ、内容的に関連しているものは近くに置きなおす。収束が目的ではないため、重複や的外れなものも残す。最後に、違和感を抱いた常識を含めて追加しても良いので「あたりまえの逆」をいちばん外側に貼っていく。常識と非常識でつながるものは線を引いて結び関係を分かりやすくする。
アイデア・スケッチ
分解した要素(ターゲット)から似ているもの(メタファー)を割り出し、アナロジーをもとに発想する、再構築ステップの実践法。
まとめ
変化のスピードが速く、幅も大きな時代だと、「変化を予測する」意味はなく、がむしゃらにやっても疲弊して脱落者が増えていきます。
また、「変わること」をやめるのは停滞感や閉塞感につつまれ苦しくなり、やはり脱落者が増えてしまいます。
そんな時代の流れに乗りつつ、満足感や成長を味わっていくために必要なのがビジョン思考であり、その根底に流れるのは「自分を強く持つ」だと思います。
自分が弱い責任者が多いのはなぜか。自分を持つとはどういうことなのか。
最近はそこを考える機会が多かったので、本書を読んで自分なりに言語化できそうなので収穫でした。
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