見出し画像

#togグラフ ver.2 #11 解説

 本記事では #togグラフ ver.2 #11 の正解の発表・解説を行います。
 まだ解いていない方は、以下の記事を先にお読みください。

 正解だけを見たい方は、目次から「3.1. 正解」に飛んでください。

1. 問題の解説

1.1. 問題

 さて、今回の問題は下図でした。

問題 グラフ (再掲)

 折れ線グラフと面グラフが 1つずつ ありますね。
 問題文が「これらのグラフは何と何を比較しているでしょう?」なので、折れ線グラフと面グラフが、何かと何かを比較しているグラフだと捉えられます。

 横軸は 18 から 40 まで、縦軸は 0 から 120強 までですね。
 グラフタイトルは "SB" で、これは何らかの頭文字か略記でしょう。

 また、「本問題で扱っているデータは、 2022年8月11日 0時 の数値に準拠しています。」と書いてあります。
 わざわざここまで細かく書いているということは、例えば前日の 2022年8月10日 や翌日の 2022年8月12日 だと数値が変わり得るようなものが、題材になっているのでは……と考えられます。

1.2. ジャンル・横軸

 コアジャンルは「スポーツ」で、サブジャンルは「歴史」と「現代社会」です。
 時事で扱われるほどメジャーなスポーツの出来事が題材になっていると考えられ、その上、戦前の出来事も関わってきそうです。

 ところで、横軸は 18 ~ 40 でした。
 「スポーツ」に関連する 18 ~ 40 の数値を取り得るものといえば、何があるでしょうか?

問題 グラフ (再掲)

 おそらく両端ともにしっくりくるようなものは少ないと思います。
 そのため、この点に注目して熟考したならば、多くの場合は「プロスポーツ選手の年齢」にたどり着けるのではないでしょうか。
 18歳 からプロ選手になるスポーツは多いですし、 40歳 くらいで選手寿命が終わるスポーツも多いと思われます。

 「面グラフ」の選手は 40歳 で引退した「戦前」にも活躍した選手のことかもしれません。
 そして、「折れ線グラフ」の選手は、現在 28歳 の、「時事」にもなるような有名な選手かもしれません。

 28歳 で引退した選手……と捉えられなくもないですが、その場合、前日の 2022年8月10日 でも翌日の 2022年8月12日 でも数値が変わらないでしょう。
 そのため、現役の選手の可能性が高そうです。

1.3. 右肩上がり

 折れ線グラフも面グラフも、一度も数値が下がっていることがありません。
 そのため、何らかの「累計」の値を扱っている可能性が高そうです。

 プロスポーツが題材ですので、シーズンごとの累計記録を扱っているのではないでしょうか。
 そうなってくるとグラフタイトルの "SB" はその記録がどんな記録かを表していそうです。

 以上より、「時事」としても扱われる有名なスポーツについて、戦前に活躍し 40歳 で引退した選手と、現役の 28歳 の選手を、 "SB" の累計記録で比較していると捉えられそうです。
 これは、一体何でしょうか……?

2. ヒントの解説

2.1. ヒント①

さて、 ヒント① は下図でした。

ヒント① グラフ (再掲)

 ここで、横軸が年齢を扱っていることが確定しました。
 また、 "K" に関する累計記録の比較が新たに追加されました。

 "SB" という略記はこのスポーツをそれなりに見る方でも、そこまで認知度が高くないかもしれません。
 しかし、 "K" はこのスポーツを観戦する方にとっては有名な表記だと思います。

2.2. ヒント②

 さて、 ヒント② は下図でした。

ヒント② グラフ (再掲)

 今度は "W" ですね。
 スポーツの記録で "W" といえば、 "Win" = 勝利数 を表す競技が多いのではないでしょうか。

 注目してほしい点は、 "K" のグラフと "W" のグラフは形が似ているということです。
 これらには正の相関が認められそうです。
 つまり、 "K" が多いほど、勝利に繋がりやすいということですね。

ヒント① グラフ (再掲)

2.3. ヒント③

 さて、 ヒント③ は下図でした。

ヒント③ グラフ (再掲)

 "HR" の「本数」を表したグラフが公開されました。
 "SB", "K", "W" でどのスポーツか分からない方でも "HR" なら分かるでしょう。

 面グラフは "BR"、折れ線グラフは "SO" というヒントが明らかになりました。
 これらはおそらく選手のイニシャルでしょう。 

3. 正解の解説

3.1. 正解

 さて、正解画像は以下です。

正解 グラフ

  正解は「ベーブ・ルースと大谷翔平の年齢別累計記録の比較」でした!

 日本時間 2022年08月10日、シーズン2桁勝利&2桁本塁打 を達成し、ベーブ・ルース以来 104年ぶり の偉業を果たしました。

 そのことを記念して、今回はその日までの累計記録を基に、グラフクイズを出題させて頂きました。
 数値は Webサイト『プロ野球記録』 の 2022年08月11日 0時 の数値に準拠しています。
 なお、年齢ごとに累計記録を計算しているわけではなく、その年齢のシーズンごとに計算しています。

3.2. 解説

3.2.1. 盗塁 (SB)

 さて、 1枚目 のグラフは盗塁数を表していました。

正解 グラフ① (再掲)

 盗塁は英語で "Stolen Base" と呼び、 "SB" と略されます。
 日本語でも盗塁のことを「スチール」と言いますが、 "stolen" は「盗む」を意味する英語 "steal" の過去分詞です。

 盗塁するためには、まず出塁をしなければいけません。
 大谷翔平選手は昨シーズン出塁率 .372 盗塁数 26 を記録しました。
 今シーズンは記事更新現在 出塁率 .360 盗塁数 11 です。

 ベーブ・ルースが 28歳 の時は四球 170 出塁率 .545 という目を疑いたくなるような記録を出しています。

 時代が違えば、それぞれの記録の出やすさ等も異なるため、この比較に意味があるのかは怪しいところです。
 しかし、タイムマシンでもない限り共演できない二人の選手を何らかの方法で比較したい……という気持ちになってしまうのは、スポーツ観戦が好きな人々の性でしょう。

 ちなみに、 2005年 に「ユーキャン新語・流行語大賞」で年間大賞に選出された「トリプルスリー」は「打率3割・30本塁打・30盗塁」を同一打者が同一シーズンに達成することです。
 これは和製英語で、日本プロ野球でのみ重視されている記録のようです。

 しかし、 MLB でも「30本塁打・30盗塁」はそれなりに価値のある記録のようです。
 大谷翔平選手の盗塁数のキャリアハイは、昨シーズンの 26回 です。
 「30盗塁」という点は、来シーズン以降注目される記録の一つになるのではないでしょうか。

3.2.2. 奪三振 (K)

 さて、 2枚目 のグラフは奪三振数を表していました。

正解 グラフ②

 奪三振は英語で "Strike Out" と言います。
 なぜ "K" なのかは諸説ありますが、 "S" が盗塁等の他の記録と被ってしまうため、 "Knockout" や "Kill" 等の何らかの単語の "K" としたのではないかとされます。
 盗塁 = "SB" はそこまで有名ではありませんが、 本塁打 = "K" は中継の表示や記事の見出し等でもよく見かけます。

 奪三振数については、すでにベーブ・ルースの生涯累計記録を超えています。
 2桁勝利&2桁本塁打 を達成した試合では、日米通算1000奪三振 も達成していました。

 ベーブ・ルースが投手として 100投球回 以上マウンドに立ったのは 20~24歳 の 5年間のみ だったので、投手としての累計記録はそこまで高くありません。
 そのため、「累計回数」関連の記録の多くは、今後もしばらく二刀流を続けられるのであれば、大谷翔平選手が上回ることでしょう。

3.2.3. 勝利投手 (W)

 さて、 3枚目 のグラフは勝利投手を表していました。

正解 グラフ③

 先発勝利の主な条件は、 5イニング以上 投げた上で、降板したイニングから試合終了までチームが勝ち続けている場合に達成されます。
 つまり、先発投手が強くても打線が打ち、継投が抑えない限りは実現できない記録なので、強いチームに所属している選手の方が達成しやすい記録です。

 「なおエンゼルスは敗れました」を略した「なおエ」という言葉がネットで流行するくらいに、大谷翔平選手の孤軍奮闘が目立つ時期もありました。
 そんなチーム状況の中で 10勝 を達成したところが、偉業を更に際立たせているかもしれません。

3.2.4. 本塁打数 (HR)

 さて、 4枚目 のグラフは本塁打数を表していました。

正解 グラフ④

 ベーブ・ルースは 32歳 のシーズンでキャリアハイの 60本塁打 を打っています。
 その後もたくさん打ち続け、37歳 のシーズンでも 41本塁打 を記録しています。

 ベーブ・ルースは 25歳以降 ほとんど打者に専念している上に、40歳まで 現役を続けていたこともあり、大谷翔平選手が打者成績の各種生涯累計記録を追い越すのは、かなり大変そうに思えます。

3.2.5. 規定打席・規定投球回

 野球には回数の記録だけではなく、「打率」や「最高出塁率」、「防御率」といった指標も存在します。
 これらは 1打席当たり の確率や 9イニング当たり の平均を計算した成績です。

 こういった指標はあまり試合に出ない人の方が高いスコアを出しやすくなっています。
 1打席だけ 立って 1回 ヒットを打てば 打率10割 ですし、 1イニングだけ 投げて 1点 も取られなければ 防御率 0 ですから。

 そのため、首位打者 (打率No.1) や最高出塁率と認定されるためには、一定の打席数を満たす必要があり、それを規定打席と呼びます。
 また、最優秀防御率に選ばれるためにも、一定のイニング数投げる必要があり、こちらは規定投球回と呼ばれます。

 そして、規定打席と規定投球回を同一シーズンで達成することは、ベーブ・ルースも実現できていない偉業です。
 大谷翔平選手は 日本時間8月23日 に規定打席を達成しました。

 MLB の今シーズンも 残り1ヶ月くらい です。
 その最大の見どころは、大谷翔平選手が規定投球回 162 を達成できるかでしょう。

3.3. おわりに

 問題を解いてくださった方々、ありがとうございました。
 次の問題はこちらです。

 前の問題は以下です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?