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#togグラフ ver.2 #8 解説

 当記事では #togグラフ ver.2 #8 の正解の発表・解説を行います。
 まだ解いていない方は、以下の記事を先にお読みください。

 正解だけを見たい方は、目次から「3.1. 正解」に飛んでください。

1. 問題の解説

1.1. 問題

 さて、今回の問題は下図でした。

問題 グラフ (再掲)

 1枚目 のグラフは、棒グラフのようです。

 縦軸は 1~4 の整数のみのように見えます。
 ただし、棒が生えていない部分が 0 なのか null なのかは分かりません。
(※ 0 が存在するのか、 0 すら存在しないのかが分からないという意味です。)

 本数は 36本 ですね。
 ただし、棒が生えていない部分も含めた横軸の長さを正確に把握することは、簡単ではないかもしれません。
 50 以上は確実にあるでしょうが、 100 まではなさそうなので、 75前後 と考えておくと良さそうです。

1.2. 0 に注目

 グラフの右半分は棒の生え方が疎なので、簡単に正確な数値が分かる 30辺り までを見てみましょう。

問題 グラフ 横軸方向拡大

 まず、何本目の棒が生えていないか……を見てみます。
 11, 13, 17, 19……この辺りまでは何か規則性が見えないでしょうか?

 1~10 はすべて生えていますね。
 11~20 は素数だけが生えていないようです。
 21~30 は素数に加えて、 22, 26 も生えていません。

 素数が関係する可能性があるため、素因数分解をしてみましょう。
 22 は 2×11、 26 は 2×13 ですね。
 2つ の値だけの共通点ではあるものの、どちらも「10以上 の奇数を 2倍 した値」であることが分かります。

1.3. 偶数か奇数か

 さて、元のグラフを見てみると、偶数の値を取っている棒が多いように感じます。

問題 グラフ 奇数強調

 奇数の値を取っているものは 9本、偶数は 27本 ですね。

 ここで、また 30 までに注目してみます。

問題 グラフ 奇数強調 横軸方向拡大

 奇数の値を取っているのは、 1本目・4本目・9本目・16本目・25本目……です。
 これは 1〜5 の 2乗 ですね。

 この規則性が分かった状態で、元のグラフを見てみると、奇数の値を取っているものが 36本目、 49本目、 64本目、 81本目 と続く可能性が高いように感じます。

問題 グラフ 奇数強調 (再掲)

 以上より、生えていない部分も含めた棒の本数は、全部で 81 の可能性が高そうです。

 1~81 まであり、素数では 0 に、平方数などでは奇数に、多くの場合は偶数になるもの……といえば何でしょうか?

2. ヒントの解説

2.1. ヒント①

さて、 ヒント① は下図でした。

ヒント① グラフ (再掲)

 このグラフだけで分かることは非常に少なそうです。
 直線が 9本、傾きが少しずつ増えていくように並んでいます。

 また、下図のように、谷部分だけ、山部分だけに注目してみると、それぞれ比例しているように感じます。

ヒント① グラフ 補助線

 今回は 4ヒントクイズ なので、重要なことは、 1枚目 と合わせて考えることでしょう。
 1枚目 で得た最大値が 81 だという仮説を基に考えると、山部分が比例しているのであれば 9 の倍数になる可能性が高そうです。
 そのため、以下のような目盛線を引けると思われます。

ヒント① グラフ 仮目盛線

 1 から 9 まで増えていき、 2 に戻って 18 まで増えていき、 3 に戻って 27 まで増えていき……これは一体何でしょうか?

2.2. ヒント②

 さて、 ヒント② は下図でした。

ヒント② グラフ (再掲)

 O が何か、 E が何か……に気づけるかは個人差あると思います。
 謎解き等に慣れている方や、プログラミング・統計が得意な方なら、 E と O を見た瞬間に、それらが何かを脳内変換できることでしょう。

 重要なことは、要素数は合計 81個 であることが、このヒントで確定したことです。
 問題グラフから 81 を導けなかった方でも、このヒントで 81 が得られるため、 ヒント①・ヒント② を組み合わせて考えれば、前述のグラフを導けることでしょう。

ヒント① グラフ 仮目盛線 (再掲)

2.3. ヒント③

 さて、 ヒント③ は下図でした。

ヒント③ グラフ (再掲)

#togグラフ 初登場のバブルチャートです。
 バブルチャートは、マーカーに大きさという次元が加わった散布図です。
 縦軸・横軸・大きさの 3つ の数値を同時に比較することができます。

 今回は、横軸・縦軸ともに 9本 存在しますね。
 規則的に 81個 のバブルが並んでいて、全て目盛線の交点上に乗っています。

 また、斜めに補助線を引いてみると、その両側が線対称になっていることがわかります。
 つまり、座標 (1, 2) と 座標 (2, 1) が同じになるように、縦軸と横軸が入れ替え可能な数値だということになりますね。
 あるいは、問題グラフで 9個 あった奇数の棒は、この補助線上の 9つ のバブルを表していると考えられます。

ヒント③ グラフ 補助線

 今回の問題は、問題グラフ+ヒント① か ヒント①+ヒント② の組み合わせで考えると解きやすくなっています。
 ヒント③ は単体で考えるなら最も簡単だと想定していて、複数のヒントを組み合わせて解くのが苦手な方にとっては、 ヒント③ が重要になるのではないかと考えています。

3. 正解の解説

3.1. 正解

 さて、正解画像は以下です。

正解 グラフ

 正解は「九九の積」でした!
 問題グラフでは、積ごとの登場回数を表しています。

 掛け算には交換法則があるため、基本的には偶数になります。
 しかし、平方数は 1回ずつ しか登場しないため、平方数の積の部分だけ奇数になります。

 1の段 が存在するため、 1~9 は全て「九九の積」が存在します。
 また、 1の段 が 9 までなので、 10以上 の素数には「九九の積」が存在しません。
 そして、 2の段 が 18 までなので、 19以上 では 2×{10以上の素数} に「九九の積」が存在しません。
 このようにして、グラフの右側へいくにつれて、棒の生え方が疎になっていきます。

3.2. 解説

3.2.1. ヒント①

 ヒント① は、 1の段 から順番に九九を言った時の積の推移を表していました。

ヒント① 解説

 マーカーがないので、 1つ の山が 9個 ずつだと分かるのは、 81 から逆算するか ヒント③ と合わせて考えるか……をしてからでしょう。

3.2.2. ヒント②

 ヒント② は、積が奇数か偶数かを表していました。

ヒント② 解説

 偶数を英語で "even"、奇数は "odd" といいます。
 謎解きにしても、プログラミング・統計にしても、 "E" と "O" のペアを見かけたらそれは、偶数と奇数である可能性が高いと思います。

 2の段・4の段・6の段・8の段 の積はすべて偶数です。
 残りの段でも、 2・4・6・8 をかける際は、積が偶数になります。
 前者は 4/9 = 36/81、後者は (5/9) * (4/9) = 20/81 で、合計 56/81 ≒ 69.1% ですね。

3.2.3. ヒント③

 ヒント③ は、バブルチャートで九九の積をすべて表していました。

ヒント③ 解説

 フラットな状態では、要素が 9×9=81 の並びになっている、このグラフが一番考えやすいと想定しています。

 ただし、バブルチャートが初登場なこと、棒グラフが頻出なことから、 #togグラフ に慣れている方にとっては、それらの難易度が逆転していたかもしれない……とも考えています。

 まだまだ問題の案はあるため、既存の出題形式も続けていきますが、それらだけでは表現が難しくてボツにした問題も多いです。
 そのため、今後も新しい表現方法を模索していきたいと考えています。

 新しい出題形式の際は、グラフが分かりづらかったり、難易度調整を誤ったりすることが増えてしまうかもしれません。
 しかし、今後も出題を続けていくためにも、頂いた意見・反応を参考に改善しながら、表現の幅を増やしていきたいと考えています。

3.3. おわりに

 問題を解いてくださった方々、ありがとうございました。
 次の問題は以下です。

 前の問題は以下です。

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