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【日記】芥川と谷崎の小説論争が面白い
『文芸的な、余りに文芸的な/饒舌録 ほか』を読んでいる。
ちなみにこの記事を書き始めた時点ではまだ読了していない。そのため、【読書感想文】ではなく【日記】とした。
昨年11月、『文豪とアルケミスト』のアニメ一挙放送があった。原作であるゲームの方は開始当初こそやっていたが、以降はすっかり放置していた。それでも、昔から本が好きで、自分も文章を書く者として、なかなか面白く見ることができた。そして、学生時代にはその面白さがよく分からなかった近代日本文学を今もう一度読み直したいと思った。
青空文庫で短編をいくつか読み、芥川龍之介の『文芸的な、余りに文芸的な』を読み、これは対となる谷崎潤一郎の『饒舌録』も読まなければ、と思って調べたところ見つけたのがこの本だった。そもそもこの論争の始まりは、雑誌『新潮』の合評会で谷崎の小説を論評中芥川がした発言である。その合評会の内容、そしてこの論争掲載中に自殺した谷崎から芥川に対する追悼文までを収録している。
文豪をキャラクター化したゲームから始まった興味というのは、つまるところ個人の人間性及び個々人の人間関係に対する興味に端を発するものである。そしてこの本には、まさにその知りたいことが詰まっていた。
また、これらの文章は小説論争であるが、同時に同時代の多くの作品について言及している。かの谷崎潤一郎が激賞する小説や、芥川龍之介が感嘆した小説が何であるかが、ここには書かれているのだ。近代文学を読んでみたい、と思っている人間にとってはその点においても非常に興味深い。
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