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ゼロからバズを生み出すTogetterの記事広告はどのように作られているのか

こんにちは。ツイートまとめツール「Togetter」の記事広告を担当しているMです。

このnoteではWEBサービスの記事広告担当者として悩んでいること、そしてそれの解決のために実施していることを包み隠さず紹介しようと思います。

メディアの広告担当者の方にはおそらく共感していただける内容だと思いますし、出稿側からは「ふーん、そんなに言うなら見せてもらおうじゃないか、Togetterとやらの力を」となる内容になってるはずです。多分。

「無料」が当たり前のインターネットの世界でどうやってサービスを提供するか

突然ですがみなさんインターネットで見られるコンテンツに毎月いくら払っていますか?

WEBサービスを運営するにあたって多くの人が頭を悩ませるのがコンテンツの収益化です。なぜならユーザーにとってインターネット上のコンテンツは無料で楽しめるのが当然であり、お金を払うようなものではないからです。よほど熱狂的なファンでないかぎり「お金を払う」という発想には至らないのが現実です。
その上Netflixやソシャゲなど、ネット上には「お金を払うべき」メチャ強コンテンツがいっぱいあります。どんな弱小サービスでも、インターネットという究極の平等世界の上ではそれらと同じ土俵で戦わねばなりません。

弊社が運営するツイートまとめツール「Togetter」も同様で、そのためページ内に表示される広告が主な収入源となっています。にもかかわらず、当サービスを利用するユーザーにはネット慣れしている歴戦の猛者が多いため、サイト上に表示される広告なんかそうやすやすとクリックしないというハードモードのなか運営しています。なんならAdBlock(広告非表示ツール)を入れている方も多いのでは。

有料コンテンツと変わらないサービスの質やサポート環境を求められる一方で、お金は払いたくないけど広告も見たくないというユーザーの気持ちにも向き合わなければなりません。

私自身もインターネットのヘビーユーザーなのでネット上に溢れる広告に辟易する気持ちは当然分かります。広告のないインターネットがあったら素敵ですよね。けれど仮に広告が非表示になる「有料版Togetter」を作ったところで、すでに無料で使えるサービスにわざわざ課金する人はそう多くないでしょう。

現実的に考えると、「なるべくユーザーにとって好ましい広告を表示する」というのがサービス運営側の懐事情と、ユーザーの利便性、両方を踏まえた落としどころになるんじゃないかなと思います。

ユーザーが楽しめる広告としての「記事広告」

その一つの回答として、Togetterでは「記事広告」を(たまに)掲載しています。
記事広告とは記事の形をとった広告のことを指します。WEBメディアではよく見られる手段で、普通の記事と変わらない読み心地で読者を楽しませながら、商品やキャンペーンの宣伝もするというなかなかに難しい広告形態です。

Togetterも記事広告をやっているわけですが、前述のようにTogetterはあくまでツールであり、メディアではありません。なので、Togetterの機能をそのまま生かして「ツイートをまとめることで記事広告を作る」という一風変わった方法で作成しています。この形態の記事広告は多分Togetter以外では存在していないかと思います(あったらすみません)。

「ツイートをまとめることで記事広告を作る」、一見そんなの面白いのかと思われそうですがこれが面白いんですよね……。なんせ全てがユーザーの生の声で構成されているのですから、ものすごくリアルです。文字で説明するよりも実際に見てもらったほうが早いので、過去の記事例を見てもらいましょう。

こちらはヤクルト様の期間限定商品「カップ de ヤクルト」に対するユーザーの反応をまとめた記事広告です。
Togetterで記事広告を作るときの大きなポイントの一つに、「普通の広告では使われなそうな表現を積極的に採用する」というのがあります。
例えば上記の記事ですと "もっと食べたい" "今年も売られてよかった"などといった一般的な表現よりも、

"家にあったら無限個食べてしまう"
"カップdeヤクルトの霊圧感じれて今年も安心"

といったツイッターならではの語彙がまとめ内にたくさん含まれています。このリアルなライブ感がTogetterの記事広告の一番の魅力といっても過言ではありません。
かといってこの表現がそのまま広告になるとおそらく消費者は引いてしまうでしょう。本当にツイートされている生の声だからこそ受け入れられるのです。

前述したように、記事広告は難しい広告形態です。PR表示をしていても「普通の記事だと思って読んだら広告だった、騙された!」という意見が出てくることはありますし、通常であれば「つまらなかったな〜」で終わる記事が、記事広告の場合「つまらないと思ったら広告じゃないか!最低!」と思われてしまいます。
かといってPRしたい商品とかけ離れた内容にしてしまうと広告効果が得られません。読者が楽しんで読めて、広告主も伝えたいことが伝えられる、という絶妙なバランスが求められます。

デリケートな分、うまくハマったときは読者が自分自身で拡散してくれるなどの大きな効果が得られます。読者に「面白い!」と感じてもらいながらも本筋からズレないようにするにはどうすればいいか、毎回悩みながら作っています。

Togetterの記事広告が得意なジャンル

今まで実施した中で、Togetterだからこその価値を出すことができたな、という成功事例をいくつかご紹介します。

【Twitterに点在する潜在的な声をまとめて可視化する】

たとえばグンゼのTシャツ用インナー「in.T」。ピンポイントな用途の商品ですが、「シャツを一枚で着た時、肌が透けて困ってる人が結構いるんじゃないか?」という仮定のもと探してみたところ、たくさんの方がお悩みをツイートしていました。

「困ってるけどどうしたらいいか分からない」という潜在的な声を拾い上げ、解決方法を提案する、というベーシックな広告の形も、Togetterの記事広告なら現実に存在するリアルな声で構成されるので説得力があります。

また"実はファンがいっぱいいる商品"の宣伝も得意です。
ヤクルトの「カップ de ヤクルト」は期間限定商品のため、そこまで認知度は高くありませんが一度食べたらやみつきになるおいしさなので実はファンがいっぱいいます。これをなんとか広告にできないかと考えてできたのがこちら。

カップDEヤクルトを食べたものだけが、人生が終わり死後天国への門が開かれる

などといったファンだからこそ出せる語彙で表現されると思わず食べてみたくなりますよね。
さらに「期間限定」「どこにでも売っているわけではない」というともすればマイナス要素になりそうな部分を逆手にとり、ユーザーが商品を発見したらツイートしてもらう「#食べるヤクルト見つけたよ」という企画も同時に実施。
まとめを見て終わり、ではなく読んだ人が行動を起こしたくなるサイクルを作りました。

【広告から新たな広告を生み出す】

「CMを作ったけどいまいち反応が見えなくて効果があったのかなかったのかよく分からない」…みたいなことってよくあると思うんですよね。あるいは逆に「広告作ったらSNSでめちゃくちゃ話題になった!」というケースも。Togetterはネット上の反応を可視化することに向いているので、「広告の広告」も得意です。

一見広告には見えないこちらはナショナルジオグラフィックTVの番組「ホスタイル・プラネット」の広告。渋谷に設置されたリアルなカバがSNSで拡散されることで、現地に来られない人にも届く広告になっています。Togetterもその一端を担わせていただきました。

こちらは関西電気保安協会の広告。CMシリーズを完結編まで一気にまとめて、各回の反応を載せることでまるでドラマの感想まとめのように面白さのポイントが伝わってきます。
「誰かが刺さったポイントを説明してくれることで自分自身も新たな良さに気づく」というドラマや漫画では当たり前に行われていることを、Togetterなら広告でも行うことができるのです。

【ゼロから話題化させる】

Togetterの記事広告には「そもそも誰も話題にしていないものでは記事が作れない」というウィークポイントがあります。例えば発売前の商品に関しては誰も存在を知らないわけですからツイートもなく、まとめることができません。
だけどそこで諦めるTogetterではありません。なければ作ればいいじゃない!サクラじゃなくて正攻法で!というわけで、こんな企画を実施したこともあります。

日清「All-in PASTA」の味が改良されておいしくなりました、というのがこの広告で伝えたいことです。
しかし「All-in PASTA」はブランド自体がまだできたばかり。誰でも味を知っている定番商品というわけではないので、味が変わったかどうかは食べ比べてもらわないと伝わりづらいしどうしよう…と頭を悩ませた結果、「改良前と後の商品をセットにして配ってツイートしてもらおう!」というわけでできたのがこちらの記事です。

応募者に新旧セットを無料で提供し、正直な食レポをツイートをしてもらい、その結果を最終的にTogetterにまとめて、さらにまとめを読んだ人にも試食してもらう。Twitter上に一件もまとめられそうなツイートがない状態から、ユーザーを巻き込む形で一緒に広告を作りあげられるのもTogetterならではです。

Togetterへの出稿、ものすごくお待ちしております

などなど、ここでご紹介したのはほんの一部です。Togetterの記事広告にご興味を持たれた方はぜひ過去の記事一覧をご覧ください。

Togetterではこの先も、ユーザーに楽しんでもらいながら宣伝にもなる、新しい広告の可能性を探っていきたいと考えています。
お仕事はいつでも募集しているので、うちも広告出してみようかな?と思ったらぜひ一度ご相談ください!既存の枠にはまらない形での提案も可能です。

熱く語っていたら長くなってしまいました。まだまだ紹介しきれなかった部分はまた次回に。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

(記事広告担当:M)

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