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自治会は「ガチャ要素」が強くて戦慄する…Xに見る自治会・町内会の要不要議論

地域住民の暮らしを支える「自治会・町内会」。住民による任意の参加と助け合いで成り立っている組織ですが、最近X(Twitter)では「自治体や町内会に参加したくない」という論調の話題がたびたび注目を集めています。

自治会や町内会でさまざまなトラブルに遭遇した、という体験談をきっかけに「自治体・町内会は本当に必要なのか」という議論に発展するケースが多いようです。

ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」、今回は「Xに見る自治体・町内会の是非」について掘り下げます。

自治会ガチャに戦慄するXユーザーたち

Xで自治会の入会をめぐるトラブルが拡散されるたびに「ウチの自治会では…」という各地の自治会の対応例が相次いで寄せられます。あるXユーザーがこの様子をみて「自治会ガチャ」と評し、共感を呼びました。

きっかけは、近所に引っ越してきたばかりの夫婦が自治会長から「自治会に入らないならゴミ集積所を使わせない」と言われ「では集積所利用差し止めの裁判を起こしてください」と返した、というエピソード。

住民のゴミ集積所を自治会が管理しているという地域は少なくありません。住んでいる地域のゴミ集積所を使えないということは、生活に大きな制約がかかることを意味します。その夫婦は「裁判所の判断で使用禁止であればそうします」という姿勢を示し、その妥当性を第三機関に委ねる判断を取った形です。

こちらの投稿に寄せられた、さまざまな地域の自治会事情を見たXユーザーが「自治会ガチャに戦慄した。賃貸住宅情報にはコンビニの有無より自治会情報のほうが欲しい…」と投稿したのです。

自治会によっては「入会金が10万円で、毎月の会費もバカにならず面倒しかない」という話から「月200円の会費で地元の子どもの見守りとかやってくれてありがたい」という例まであり、その負担の差はまさに「住んでみないと分からないガチャ」の要素があるというニュアンスです。f

こちらについて、「何回か引っ越ししたけど、確かに不動産屋から『自治会費はいくらです』は言われたことない」とする声や、「実際に引っ越し前に不動産屋に自治会について徹底的に調べてもらった」という経験談などが寄せられました。また「マイホーム購入して自治体や近所が合わなかったらキツいなと思わされる 」と自治会ガチャに戦々恐々とする声も複数出ていました。

自治会長から「ゴミ箱を使わせない」と言われ市長に抗議

前段で紹介したのは「引っ越し直後に自治会に入るかどうか」という話ですが、途中で「脱会」するにあたっても似たようなトラブルに巻き込まれたという例もあります。

投稿者は、脱会を申し出たところ自治会長から「辞めるならゴミ箱(ゴミ集積所)を使わせない」と言われました。

投稿者は自治会長の言葉を「自治会を辞めないための脅し」と判断し、まず市役所に相談したそうです。ところが、市役所からは「自治会と話し合ってください」と言われたため、市長宛てに直接抗議の手紙を書くに至りました。

その結果、市役所から後日連絡があり「自分でゴミ箱を購入して設置すれば、そこからゴミを収集してもらえる」ことになったそうです。投稿者は「『これはおかしくないですか?』と声を上げることに意味があると思うので、今回市長へ手紙を書いてよかったと思ってます」と振り返っています。

一連の投稿に対しては「ゴミ集積所の管理を自治会がやっている以上、自治会を抜けたら利用できなくなるのは妥当」という指摘が複数あがりつつも、「(投稿者のように)自治会を飛び越えて自前で箱を設置して自分の敷地か市の所有地でゴミ出し、回収を許可して貰うのは正攻法ではある」「自治会を抜けたら自治会のごみ箱を使えないのは良いけど、自治会を抜けた時のごみ処理の方法がないのは単純に制度の欠陥」と投稿者の対応に理解を示す声も多くみられました。

それでも町内会の役員を続ける理由

「必要ない」「できれば入りたくない」といった後ろ向きな話が目立つ町内会・自治会ですが、「それでも町内会の役員を続けている」というXユーザーの投稿が反響を読んだ例もあります。

投稿者は、阪神淡路大震災の折の被災地の様子について「救援物資のすさまじい奪い合いが発生したり、被災者どうしで共同作業をする気力も失った状態だった避難所」と「町内会に信頼できるリーダーがいて、物資の分配にも秩序があり、被災者どうしで互いに助け合っていた避難所」とがあったと語ります。結果的に、秩序が保たれている避難所とそうでない避難所との間で物資の供給に偏りが出るようになり「秩序が崩壊している地域の被災者は水や食料や衣類をもらうチャンスを失う(負の)スパイラルが発生していた」と振り返っています。

この時の経験から、投稿者は「昨今不必要だと言われる町内会が、未曾有の有事に威力を発揮した例かもしれない」「『地域住民の絆を作る』だけでも恐らく有事には強くなる」と考え、啓蒙のため今でも町内会の役員を続けているそうです。

投稿に対しては「有事(なにか起きたとき)のための、平時の無駄とか余白って実は大事」と共感する声や「豪雨で体育館に避難した時、避難所で近所の人を知ってることがどれほど安心、秩序の安定につながるかを実感した」「町内の会合に毎回出てたおじいさんが来てなくて、家まで行ってみたら倒れてたってことがあったので、町内会とか地域の繋がりはバカに出来ないなと思ってる」といった実体験から自治会の必要性について言及する声が相次ぎました。

Xでの町内会・自治会に関する話題を見ると、多くのXユーザーがその仕組みについて「無理がある」「時代にそぐわない」と感じていることが分かります。一方で、町内会・自治会が現代まで残り続けていることには、一定以上の理由があるとも言えます。引き続き「これからの町内会・自治会のあり方」についての議論が続いていきそうです。

以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」でした。次回もお楽しみに。

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