「今度ご飯に行きましょう」はどこまで本気にしたらいいの? Xで繰り返される「社交辞令」の悩み
「今度ご飯に行きましょう」「また誘ってくださいね」など、ビジネスや人付き合いの中で物事を円滑に進めるためによく使われる「社交辞令」。
一方で、社交辞令を言われた側からすると、「どこまで本気にしていいの?」と見極めが難しく困惑したり、真に受けて傷ついたという場合も。X(Twitter)ではこうした社交辞令にまつわる体験談が語られては議論になります。
ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいで分かる週刊Xトレンド」、今回は「社交辞令」について掘り下げます。
後輩からの誘いは社交辞令? 受け止め方に変化
社交辞令を言われた時の受け止め方については、時代を経て少しずつ変化しています。Xでも、職場で新卒の若者から「飲み連れてってくださいよ」と言われたというユーザーの感想に、多くの共感が集まりました。
投稿者は「我々最近のおじさんは」と前置きした上で、若者から「飲みに連れてってくださいよ」「もっと色んな仕事の話聞かせてほしいっす」と言われた場合のリアクションとして、「『社交辞令だろうな』『本当に誘ったら迷惑だろうな』とか思う程度には教育されてる」と投稿していました。
こちらの内容に対し、Xでは「飲みの誘いはすべて社交辞令に感じる」などと同意するコメントが多数寄せられました。特に異性の部下からの誘いに対しては注意深く捉えられ、「(真に受けて誘うのは)絶対やめた方がいい」と指摘するユーザーも。たとえ相談を受けたとしても「仕事の話が聞きたければ業務時間中にする」とプライベートを切り分けて応じるユーザーも少なくないようでした。
また、一連の話題では社交辞令かどうかを見分ける方法についても言及しており、「いつでも声かけて」と相手に主導権を渡すことで出方を探る、というアドバイスも。
相手の発言が社交辞令かどうかに困ったら、参考にしてみてはいかがでしょうか。
社交辞令なら嘘もOK? 真に受けて傷ついた人も
Xでは社交辞令の使い方について指摘する声もあります。あるユーザーが耳にしたという「社交辞令で言った『今度ご飯でも行きましょう』を本気にされてマジで面倒だった」という発言にまつわる投稿に注目が集まりました。
投稿にあった「今度ご飯でも行きましょう」はよく使われる社交辞令のひとつですが、言われる側としては「本気にしていいのかな?」と迷う場合も。
もし額面通りに受け取って食事に誘ったところ、相手が「社交辞令だったのに」と迷惑がられたとしたら…。そんな可能性を想像して不安になったことがある人もいるのでは。
ところが、投稿者は「最初から行く気もないのに平気でウソを言える人間の方がよっぽど面倒」と、言う側のほうを一刀両断。
これに他のユーザーからも「本気にしてしまう」という反応が少なくなく、「社交辞令と言えば嘘を言っても良いのか」「相手から誘われたら本当に行く場合だけ言うべき」と、社交辞令の使い方について指摘するコメントが寄せられました。
Xでは、他にも判断に迷う社交辞令の例に「いつでも遊びに来てください」「行けたら行きます」などを挙げる人も。いずれにせよ、社交辞令を使う際は、そもそも思っていないことは言わないなど、適切に言葉を選んで使う必要があるのかもしれません。
社交辞令は国を超えるとより複雑に
社交辞令かどうかの判断は、海外の文化も含めるとさらに迷ってしまいそうです。最後に、あるXユーザーが仲の良いインド人のお宅を訪ねた時の体験エピソードを紹介します。
そのXユーザーはインド人の友人宅にお土産を渡しに行ったところ、「どうぞお茶でも」と家に招かれたそう。しかし投稿者は日本でもおなじみの社交辞令だと思い「結構です」と断って帰ることに。ところが後になって、その友人から「(お茶を断られて)すごく悲しかった」と言われてしまったというのです。
さらに、そのユーザーは投稿に続けるかたちで、インド人の友人から見れば自分は外国人だから「『すごく悲しかった』と言ってくれたことに感謝してる」と振り返っていました。
Xでは「どうぞお茶でも」という言葉の解釈について、「お茶が大事な文化は中東もですね」「インドやパキスタンでは親愛なる友人への歓迎の証」と日本とは異なる文化に理解を示す人がいる一方で、前述のユーザーと同じように「(自分が同じ状況になっても)社交辞令と捉えて断る」と判断しただろうという声も少なからずありました。
海外の人とコミュニケーションを取る際、日本での社交辞令の感覚で対応するとすれ違いが起こる可能性があるようです。日頃から社交辞令を意識して生活している人が多い日本人にとっては、悩ましいポイントかもしれません。
また、インド人の友人が言った「すごく悲しかった」という感想に対しても、「(異国での常識の違いが)可視化されるのはいいこと」と考える人や、「コミュニケーションや相互理解、多文化共生ってそういうことの繰り返しだと思う」として、ちゃんと言葉にして相手に伝えることの重要性を説く人もいました。
日本ではコミュニケーション手段のひとつとして馴染みのある社交辞令ですが、社交辞令を引き金としたすれ違いも少なくないようです。Xでの話題を思い出し、コミュニケーションの手がかりとして役立ててみてはいかがでしょうか。
以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」でした。次回もお楽しみに。
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