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自転車を盗まれた時に警察がマジでやらかした話

深夜営業しているスーパーでお買い物をしていたら自転車を盗まれました。

自分は性善説を信じているので、滅多に自転車の鍵をかけません。停めた付近をくまなく探しても見つからず、「元から安いのにさらに2割引きになったメキシコ産の豚肉やカット野菜を買う」と貧乏なりに節約しようと頑張っていた健気な心が打ち砕かれます。

そのままトボトボ交番に向かい、被害届を出します。若い警官は無愛想で、めんどくさそうな対応でした。

申し訳ない、と思いながら帰宅。見つかるまでは親の自転車を貸してもらわなければならず、億劫な日々が始まってしまいました。

「鍵かけない奴に自転車貸すなんて、チンパンジーにパソコンやらせるようなもん」

親父にとんでもない嫌味を言われてもグーの音も出ずに頭を下げて自転車を貸してもらう生活を続けて数ヶ月、ついに警察から電話がかかってきました。

「勝手に使っていた人を見つけました!」

そこで僕はちょっと、びっくりしてしまいました。

今までも何度か自転車を盗まれたことがあるのですが、見つかる時は必ず、どこかの路上で発見されて、乗り捨てられていたケースだったからです。酔っ払いがコンビニや居酒屋で傘をパクるように、1回2回の移動で乗り捨て。それだって許せないけど、まだ心情としては理解できる。

しかし犯人が捕まったということは、この数ヶ月、そいつは我が物顔で、継続的に自分の自転車を乗り回していたことになる。職務質問とかあるのに、平気で。

それは大胆不敵な、悪党です。怖いもなしの悪党。

ヤバい人に盗まれちゃったな、と思いながら親に車を出してもらって警察署に向かいます。

まず盗まれた自転車を自分の物か確認、その後は2階の廊下で担当のおじさん警官から話を聞くことに。聞けば聞くほど、僕はお腹にぞくぞくとした痛みが走りました。

捕まったのは、2〜30代の女性。横断歩道の信号待ち中に防犯登録の確認を警官が行ったところ、僕の自転車だということがわかったと。

盗んだのか尋ねると、「旦那にもらった」と答える。なので、旦那も警察署に呼び出す。

旦那は最初、「なんで俺の嫁が警察に捕まらないといけないんだ!」と怒り散らしていたらしいが、自転車の件だということがわかると急におとなしくなり、「俺が友達からもらった自転車だった。その友達は海外移住をはじめてしまい、もう連絡がつかない」、と取り調べで答えたそう。


いや嘘すぎる、、、。そんな都合の良い友達いる? でっちあげのイマジナリーフレンド作って、そいつ犯人にしたて上げてるの手慣れてて恐ろしい! しかもそんなチャリを何も知らない奥さんに使わせててサイコパスだし、その上に奥さんが警察沙汰になったことに対してブチギレる支離滅裂さ! 

ってか結婚してる成人男性がチャリ盗むなんてことある!!!!? 独り身でヤンチャな高校生とか大学生じゃないの!!!!?

ってかなんでチャリ盗む奴にお嫁さんいて、俺はいくつになっても独身なんだよ!!!!!!!!!!

独身弱者男性の憤り、すぐに逮捕してほしいくらいの気持ちだったけど、自転車窃盗くらいではそこまでの念入りな取り調べはやらないのだそう。めちゃめちゃ怪しくても、完璧な証拠がないため、無罪でお家に帰れるのだそう。

ぜんぜん納得いかねえ、、、と歯軋りする僕を、「まあ見つかったことを喜んで下さいよ!」と明るく慰めるおじさん警官。

するとそこに若い警官が登場。どうやら僕が、これは僕の自転車だと認めたことにより、取り調べ室で待機してたイカレ旦那が解放されるそう。被害者の立場である僕と加害者の立場であるイカレ旦那を遭遇させないために、僕はこの廊下から一旦別の場所に移動するそう。ありがたい配慮だ。

「ああーまだ移動してないよ! 移動してない移動してない!」


ぎょっとしながらも声の方向に目を向けてしまうと、警官二人に連れられた、180センチ100キロを越えるごくせんの脇和弘みたいな大男がふてぶてしい態度で歩いてきた!


失禁するかと思った


そして僕のことをめちゃくちゃ睨みつけながら、階段を降り、夜の街へと消えていった、、、。

「いやーすみませんすみません、連携ミスですな!!!」


ナハハと頭を掻くおじさん警官。100%被害者なのに、逆恨みされたかのような恐怖にビビり散らす、悲しい悲しい夜のことでした。

警官頼むぜ



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