「わたし」のいまの気づき方

常に未来のことを考えて、不安な中で通り過ぎる今。「これができるようにならなきゃ」焦りばかりで、いくらやっても「できる」ようにならない。達成感がなく、自分の存在意義が感じられない。虚無感。希望がない。

「わたし」のいまの気持ちに気付くことで、自信を高めたり、ストレスを軽減したり、自分を整え・成長するきっかけができます。遠くをみるのはやめて、「いま、ここ」の自分に目を向けてみませんか。


眼鏡を外してみる

「わたし」はただ事実を見ていると思っている。誰が見たって普通はこう思う、と思っている。でも実は生きてきた中で作り上げた「眼鏡」をかけて見ています。

さあ、眼鏡を外してみよう。評価や解釈を切り離して考えてみよう。

例えば「A 今日は本を読まなかった。+B 自分は怠け者で意思の弱いヤツだ」

客観的な事実はAだけ。Bは「わたし」が考える意味づけです。


「わたし」の眼鏡タイプに気付く

事実と意味づけを切り離せたらもう大丈夫。切り離した「意味づけ」に目を向ける。誰かを慰めるときのように、心の中の「わたし」に心を寄せてあげる。

「自分は怠け者で意思の弱いヤツだ」と感じているんだね。そっかそっか。

こころの中に浮かんでくる気持ち一つ一つ、ただただ受け取って。その気持ちをじっくりと味わう。その習慣を続けていくと、あら不思議。「わたし」の眼鏡のタイプに気付くことができる。

「わたし」っていつも自分を「ダメなヤツだ」と思うクセがあるんだな。

新たなことに気付く。


あえて別の眼鏡をかけてみる

事実と意味づけに気付いたら、別の眼鏡をかけて別の意味づけをしてみる。

A 今日は本を読まなかった

B 「その分、ゆったりと身体を休めることができて、明日はもっとたくさん本が読めそう」「気分が乗らなかった。自分の気分を尊重できた」「休みも大切だ」「そのかわり用事を済ませたので、今日は用事の方が大事な運命だったんだろう」

たくさんの意味づけを出してみよう。意外と出てくる出てくる。考え方は一つじゃない。


不完全な「わたし」も100点満点

自信のない「わたし」は完璧な自分にならなければ、と今の「わたし」を直そうとする。理想の「わたし」から、いまの「わたし」を見下ろすと不完全に感じる。そんなに自分を責めないで。直そうとしなくていいよ。

「怠け者で意思の弱いヤツだ」と感じている自分だって大切。そう思うからこそ、「頑張ろう」とひたむきに頑張ることができているのかもしれない。不完全だからこそ、前を向く。何かに向かっている「わたし」はワクワク輝いている。

いまの「わたし」も100点。人間だから。本能だから。浮かんでくる考えは全て自然なもの。ただし、外に出るものはコントロールできる。いまにどんな意味づけをし、行動するかは「わたし」の自由だ。


おまけ:マインドフルネスでトレーニング

「いま、ここ」での気づきを高めたいあなたは、マインドフルネスに挑戦してみて。どこでも、短時間でもできますよ。

楽な姿勢、リラックスできる環境。目をつぶり、深い呼吸。呼吸に意識を集中。別の考えが頭に浮かんだら、その考えに気付き、「考えてるね。うんうん」と受け流す。「わたし」のこころを客観的に観察します。

「息を吸っている」と気付く。「息を吐いている」と気付く。「そういえば、今日の晩ご飯用のお米といでない」と考えているね、と気付く。受け流す。呼吸に戻る。「お腹が落ちつかないな」と感じているね、と気付く。受け流す。呼吸に戻る。「ほっぺが痒くなってきた」と感じているね、と気付く。受け流す。呼吸に戻る。

このトレーニングを重ねることで、以下の効果があります。

ストレスが減る:イライラ、モヤモヤの原因となる考えに気付くことができ、自分の考え方を自分の望ましい方向に変えられるので、ストレスが減ります。

集中力を高める:いまの「わたし」の意識の対象がわかるので、意識を向けたいことに向いているか、雑念が湧いているか、わかります。意識的に集中することができるようになります。

ありのままの自分を受容できる:自分の考えに評価を加えず、全てあってよい考えとして100点満点をあげるので、弱い面や嫌いな面も含めて、操作しない「ありのまま」の自分を受容することができます。その結果、自信を高めることにもつながります。

そのほか、免疫機能を高める、自律神経のバランスを整え睡眠の質をあげる、不安が和らぐ、ポジティブな感情にも気付く、学習効果が高まり記憶力が向上する。という効果もあるようです。


【参考】『100%集中できてストレスをためない脳の鍛え方』吉田昌生/WAVE出版

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