マクニール『世界史』ノート①現代の礎を築いた「産業革命」と「民主革命」
本記事はマクニールの『世界史』を簡潔にまとめた内容を投稿していくシリーズ第一弾。現代から扱っていきたいので、内容的には産業革命後からとする。
時代
1789-1914年。第一次世界大戦前まで。
イギリスの産業革命とフランスの民主革命がセットで起きたことで、西欧は莫大な富と力を手にし、他の国々をはるかにしのぐ存在となる。言い換えると、西欧は産業革命と民主革命で世界をリードする存在となったともいえよう。
両者の主な意義は以下の通り。
産業革命:経済的富を大きく拡大
民主革命:王による絶対主義→国民主導の自由主義への移行
産業革命
イギリスでは、ワットの蒸気機関を皮切りに、ミシン、電気、電話、自動車など様々な技術が一気に発明された。また輸送、通信が発達し、拡大を続ける産業の基盤を形成。手工業から機械工業への根本的な変化が生じることとなる。下水、ごみ収集、警察、公園、病院、健康保険、学校なども、このころに膨張した都市を支える制度・施設として生まれたという。それに伴う人口の爆発的増加も特徴だ。
「現代」にいたる道の基礎がつくられた時代なので、この時代を掘り下げると現在の社会がどうして作られたか、その原型が見えてくるだろう。
民主革命
一方、フランスでは自由主義が台頭し、旧体制=アンシャン・レジーム(絶対主義)を打倒する。政府とは神に選ばれた為政者が行うものではなく、人間が作ったものであるということを実証したのがこの民主革命であり、貴族と上層市民が対等になった。またトップに立つ人間の権力が拡大したこともこの革命の特徴。
芸術
パリでは、大戦前にピカソやブラックのキュビズムが誕生し美術的な表現に革命をもたらす。キュビズムのきっかけとなった『アビニヨンの娘たち』は、ピカソが1907年に描き上げたもので、これをもって現代美術の誕生とする見方も多い。
科学
科学の分野でもそれまでのニュートン的世界観を覆す様々な常識が覆された。その後、1916年にはアインシュタインによる相対性理論が登場することになる。
まとめ
西欧文化が他の文化圏よりも優位性を得て、その後世界を席巻するきっかけとなった大きな理由はこの時代にあるように思える。産業革命と民主革命で人類の未来を指し示し、芸術や科学の分野でもパラダイムシフトが起きていた。
この後、2度の世界戦争を経て世界史は別の転換期を迎えることとなるが、その萌芽をこの時代に見て取ることができるだろう。
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