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私、「異世界テンプレはつまらなくはない」って言ったよね?

きちんと感想を書くことにしました。普段読まないジャンルに触れたのに、つまらなくはないけど……と一言で済ますのはもったいないと思ったので。

感想を書くのは「私、能力は平均値でって言ったよね!」という作品です。アニメ化もしており、Amazonプライム会員なら無料で1巻を読むことが出来るので興味のある方は触れてみてください。以下、ネタバレを含みます。

私、能力は平均値で

この本が目指している面白さ

これはタイトルからも読み取れる通り、「平均的な能力になりたかった女の子が超強いパワーを与えられて、それを隠しながら生きようとするんだけど隠しきれなくて―――――」という部分です。

さて、ここで重要になるのが「隠しながら生きようとするんだけど隠しきれなくて―――――」の部分です。

どうやって隠すのか?問題に直面した時には隠すのか、使うのか?隠しきれなくて世界の陰謀に巻き込まれるのか?と、色々と考えが膨らみワクワクする部分だと思います!

実際のところこの作品はどうしているのかというと

主人公が天然なので最初から隠せていません!

つまり、ギャグ的な面白さを目指している本だということですね。ギャグの内容ですが、「また何かやっちゃいましたか?」系が中心かなと思います。

ただし、このギャグという部分が面白いのかどうかというのは評価の分かれる部分だと思います。この本に限らず、ギャグというジャンル自体に言えることだと思いますが。正直私にはわかりませんでした。

話が逸れますが、私はこの本を読むまで「また何かやっちゃいましたか?」ってギャグだとは思っていなかったんですけど、読み終えた後にAmazonの感想欄で「ギャグが面白かった!!」って書かれていて初めてこれはギャグ要素なのか、と気が付きました。「俺TUEEEE」の一種かと思っていたので、目から鱗でした。

ストーリーの感想とかツッコミ

ギャグメインの作品にするのは的外れな気もしますが、大まかにまとめたものを載せて、いくつか気になった点を述べようかなと思います。まとめを読まなくても分かるので、読んだり読まなかったりしてください。

私、能力は平均値で-1

大まかに2パートで成り立ってます。学園編と養成所編ですね。

構成としては結構おしゃれで、3章4章が7章8章と対比されているように見えますが、対比というよりは類比で同じことを繰り返しているだけです。

じゃあどちらか片方はなくてもいいのでは!?と思うかもしれませんが、2巻も読んでいるレビュー者曰く、学園編はなくてもいいらしいです。

キャラクター設定にも多少無理があるように感じる人もいるかもしれません。主人公は「平凡になりたい」と思っているくらいには現実世界では非凡でした。しかし、そんな主人公が天然で「また何かやっちゃいましたか?」をするのが矛盾しているような気もします。

物語はキャラクターが一番大事だろ!ちゃんとしろ!と思うかもしれませんが、2巻も読んでいるレビュー者曰く、今後はもっと崩壊していくそうです。

でもAmazonのレビューは平均以上あります。私、Amazonレビューは☆5でって言ったよね?

個人的に興味深かった点も書きます。

私は、主人公が苦難に挑戦して、人間的に成長し乗り越えていくような物語が好きです。なので、異世界で超パワーをもらって全然成長しないという作品は苦手としていました。この作品の主人公も成長はしないのですが、代わりに周囲が成長していきます。超パワーの主人公を指導者的立場において、周りの成長を書くというのは私の中ではとても新鮮でした。

まとめ

話の展開はシンプルで安定しています。言い換えればテンプレートです。物語がサクサク進みます。言い換えれば深みがないです。つまらない!!と手を止めるほどでもないですが、面白い!!と目を止めるほどでもないです。

キャラクターの悩みを掘り下げたり、主人公に問題を与えたりして対比を作っていればもっと面白い作品になったのに!!って思う反面、こういったストレスフリーさこそがweb小説の売りなのかもしれないとも思います。難しいところですよね。アニメ化までしているし、そもそも若年層向けに書かれている本に大人が口出しするのはナンセンスなのかもしれませんね。

でも剣戟のシーンを

きんきんきんきんきん!ぎんぎんぎん!がんがんがん!

で済ますのはやめてください。


……んぴゅ

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