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ライナーnoteS 2020(逆噴射小説大賞投稿作)

 よく来たな。
 逆噴射小説大賞もいよいよ3年目。その熱狂は留まる事を知らず、参加者数も投稿数も増え続けるという驚異的な祭りとなり、もはやメキシコというパルプの枠組みを超えた季節の風物詩と化して来たな…というのが実感だ。

 参加3年目の俺は結局、弾倉に1発弾丸を残して祭りを終えた。
 つまり今年は計4発の作品を投稿したって寸法だ。

 今年は事前に備えていたつもりだったが、直前になって
(小説とは……書き方とは……ドライブ感とは……シーライフとは……)
 と、スランプに陥り(※日々のプラクティスを怠って居るからだ)、今年は1作でも記念的に投稿出来れば良いだろう……くらいに当初思っていたものの、いざ投稿してみると書きたいモノが次々と湧いてくるという一種ZONEに入った様な、そんな実に逆噴射トーバーらしい逆噴射トーバーだった事が印象深かった。

 今年の課題
・文章で遊ばない(扱うテーマがふざけて見えても書くからにはガチ)
・過度な文字の強調や引用演出は避ける
・タイトルは徹底的に練る
・ヘッダー画像は加工して分かり易く(コンテストに影響が無いとはいえ)

 前置きが長くなったが、各投稿作品の解説・裏話等を楽しんで頂ければ幸いだ。

 尚このようなライナーノーツを書く事で、日を経た投稿作を再度人の目に触れる機会を増やすという巧みなマーケティングも兼ねている。

◆◆◆

ウィンチェスター・ウィッチクラフト

 本年度投稿作、第1弾!初日0:00組の投稿作です。

 筆者自身ここまで反響があると思っておらず、驚くほど好評でした。
 結果、全期間のnote投稿小説の中で最もスキのついた作品となりました。
 特に異端審問大統領への反響が多かった気がします。

 そもそもこの話、投稿日が迫る中、他のストーリーの資料漁りをしている中で偶然降りてきた話でした。
 「侍星条旗」「大武法時代」で何かと出てくるアメリカ西部開拓時代の銃について調べていた時、西部を征服した銃と名高いウィンチェスターライフルにどうしてもついて回るミステリー、「ウィンチェスターハウス」を目にして、(コレ、悪霊から身を守る為の家じゃなくて、復讐者たちを誘き寄せて葬る為の家…要塞だったらどうだろう?)と思い付いたのが切っ掛けでした。

 1人のキャラを中心に様々な登場人物たちの視点で展開出来たらなぁ…
 と構想中。最後に羅列したキャラクターたちはもう少し設定を掘り下げておきたいですね(未だ漠然としたビジュアルイメージしかないので)。

 タイトルは「Winchester's WitchCraft」とWWの頭文字がバシッと韻を踏めたのでかなり気に入ってます。

 ここで西部コソコソ噂話!(デデン!)
 筆者はかなりギリギリまでタイトルを
「無敵要塞ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」
 にするか迷っていたそうですよ?



侍星条旗

 第一回・逆噴射小説大賞時、ししジニーさんの投稿作「妖説大坂御陣」(最終選考作だ)に触れて(時代物もパルプになるのか!)という驚きと、いつか自分も時代物で書いてみたいな…と思っていたのを、今回ようやく書く事が出来ました。

 この投稿作も非常に好評で、全期間のnote投稿記事の中で3位、小説の中では最も読まれた作品となりました。スキの数も小説では3位と大快挙でした。

 当初「プロト大武法時代」と物語が前後する設定だったのですが、レギュレーション違反に抵触する可能性があったので、独立した物語に改変しました(世界自体は地続きです)。

 人並みに幕末大好き人間なのですが、河田小龍や吉田東洋の様な実在した偉人を自分のイメージで動かす楽しさが実感として良く分かりました。
 ちなみにメインで会話をしているこの二人は主人公では無く、今回名前しか出ていないジョン万次郎こそが主人公(の1人)です。

 ふざけた設定をシリアスに突き詰めていく楽しさは書いていてかなり癖になりますね。

 タイトルは「Samurai Stars and Stripes」とSSSの頭文字がバシッと揃ったのでかなり気に入ってます。

ここで西部コソコソ噂話!(デデン!)
筆者はヘッダー画像の星条旗ビキニをフリー素材から探すのに
リアルで一晩掛かったそうですよ?


天狗狩(DUCK HUNT)

 1作投稿出来れば良いと思っていたのに、3作目まで目途が付いたので「侍星条旗」の後に「大武法者時代」を投稿したら今年は終わろう……
 と、当初思っていたそんな最中、FGOで新選組イベント(正しくは邪馬台国イベント)が始まり、埋もれ火の如く燻っていた新選組熱が再燃!時代物を書く楽しさに目覚めた事も有って急遽新選組で一本書こうと思い至り、書いた……という寸法です。

 この作品も一部の方に刺さったのか、熱烈にご支持頂き(心底(マジ)感謝(アザ)ッス!!)全投稿小説の中でも4位のスキが付きました。

 自らの新選組観を見つめなおすと、物語的には司馬遼太郎なのだけれども、漫画的には黒鉄ヒロシの「新選組」の影響が大きかったりします。
 特に氏の漫画は、写真の残る幕末の志士はそれを元に描き、不明な人物はぼんやりと描かれるところで、芹沢鴨のはっきりとした顔かたちは分からないままにその多くの逸話が語られるのが強く印象に有った為、顔の分からない超常の芹沢鴨を書いてみようと思った……という次第です。

 ここで幕末コソコソ噂話!(デデン!)
筆者は最後までタイトルを「天狗狩(DUCK HUNT)」にするか
「鴨狩(TENGU HUNT)」にするかで迷っていたけれど、
ゲームのダックハントと同じ読みの方が面白いと思って
前者に決めたみたいですよ?


大武法者時代

 当初1弾目に投稿する予定だった「西部・侍・星条旗ビキニ」がコンセプトの物語はなかなか纏まらず、結局4作目となってしまいました。

「星条旗ビキニとかふざけてるの!?」
 と思わせておいて
「ま、まさか星条旗ビキニである強みとは……こいつは驚いたゼ!」
 と読者に思わせたいな(※感じ方には個人差があります)という戦闘シーンメインで一作書きたかったのですが、戦闘が多くなるとその他の情報が入らない入らない……

 星条旗と一切表記が無いのに星条旗が見える気がするとコメントを頂けたのは嬉しかったですね(※実際星条旗ではないのだけど)。

 引きで他の投稿作(よりによってししジニーさんだ)と風魔かぶりをやってしまったけれども、こればかりは伊賀、甲賀ではなく風魔である必要があったので致し方なし……メキシコ風魔って点ではかぶってないし!
 この話と侍星条旗の0話に当たる話は早めに書いてしまいたいですね。

ここで西部コソコソ噂話!(デデン!)
この話、当初はカリフォルニアに金採掘に来たジョン万次郎が
星条旗ビキニの少女に救われるって物語だったみたいですよ?


未来へ

 昨年は増えた800字に四苦八苦した覚えが有りますが、今年は全体的に800字だと微妙に足りない感を強く感じました。もうあと少し文字数が有れば…と何度思ったことか!
 特にカタカナ表記の単語は文字数を食うので、noteは早くルビ機能を実装しろ!

 前回は変化球&自分が王道と思うパルプテーマに肉付け・味付けをしていくという手法で物語を組み立てていたのですが、今年は書きたいテーマをパルプに寄せていくという手法で挑戦してみました。

 おかげさまで年々読んで頂ける機会も増え、特に今年は去年よりも宣伝行為を控え目にしていたにも関わらず、去年以上にViewとスキが伸びた事に驚きました。
 少しは自分の味が出せるようになってきたのと、他には無い素材を出す店の印象が強まってきたかな?と多少実感します。

 今後の課題は物語を終わらせる……の前に続けて書いていく事(“描く”の方もしたいですね)と他の投稿作を読んでいる時に感じる“文章自体の艶”を身に着けれるよう精進したいと思います。プラクティス・エブリデイ……

以上です。

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