旅のメモなぞ(山形③)

30日朝。鶴岡市内から約20分、私は日本海を眺めていた。
風はさほどなく、波は穏やかだ。

私はある施設が開館するのを待ちながら灯台の周辺を散歩していた。
日本海、灯台、開館で敏い方は気付いただろう。
私は今、山を登っていない。山を登っている場合、今頃は眼下に広がる町中に感動しているあたりではないだろうか。
9月最終週の平日、天気予報を見ては一喜一憂していた。
結果、土曜日の予報は午後から雨が降るかもしれないし、降らないかもしれないといった微妙な予報だったので、登山は諦めた。
そのため、私は計画を変更し、鶴岡市からレンタカーを借りて、ある施設→出羽三山神社→湯殿山神社を観光し、山形市でレンタカーを返却するといったものとなった。

施設の入口前に立つ。開館まであと10分ほど。
後ろでは私の親くらいの方々が並んでいる。土曜日の早朝となると案外子供はいないのかもしれない。
鶴岡といえば。出羽三山巡りを調べたときに鶴岡市の名称を見て、ある施設が真っ先に思い浮かんだ。鶴岡市立加茂水族館である。
加茂水族館は、小さな水族館であったが、クラゲに特化した展示をし、集客を増やしたことで有名な水族館だ。
水族館好きとしては押さえておくべき水族館である。
ちなみに、我が家で水族館に行くときは滞在時間の想定に気をつけなければならない。
平均滞在時間より30分から1時間くらい長い。今回は2時間と予想している。
入場し、チケットを購入する。
最初は鶴岡の漁業の歴史が書いてある展示。
この時点でクラゲが目的であったおばさま方は先へと進んだらしい。楽しみ方は人それぞれ。
じっくり見る私にとってはバラけてくれる方がありがたい。
歴史の展示のあとは地域の水生生物の展示や日本海を中心とした魚の展示。
普段、瀬戸内海あたりの水族館を見ている分、日本海の魚の展示は新鮮だ。
こんぺいとう(ダンゴウオの一種)が見れたのも大きな収穫である。
海獣を2階から見おろすコーナーを通り過ぎればいよいよクラゲだ。
ちなみに、「今飼育しているクラゲは約80種類」だそうだ。
クラゲコーナーでは、水族館のお兄さんによる解説もあり、普段見ることがないクラゲを見ることができた。というか、ユウレイクラゲ何種類いるのよ……
水族館を出たのは11時20分。計画より20分押していた。
滞在時間を2時間見ていたが、やはり足りなかったようだ。

次は出羽三山神社に向かう。
昼前ということもあり、少しお腹が空いてきたため、出羽三山神社麓の食事処で麦切りと草餅をいただいた。
社務所で御朱印をいただき、石段を登り始める。
回り道をすれば頂上まで車で行けるのだが、五重塔を見るには石段を登らなければならない。
そもそも登山のつもりで来ていたため、石段を登る事自体は苦にならなかった。
しかし、残念なことに五重塔は改修中で足場が組まれておりその姿を見ることはできなかった。
頂上に着き、お参りをして御朱印をいただく。
神社全体を散策し、下山する。
石段の途中に社があり、各々に神様がいらっしゃるため、お参りしながら下ることにした。

次は湯殿山神社である。
ちなみに、出羽三山神社の駐車場を出る時点で一時間弱遅れていた。
湯殿山神社の駐車場に入るには門限があるため、寄り道をせず、車を走らせる。
湯殿山神社でも麓の社務所で御朱印をいただき、本宮へ向かう。本宮までは歩いても良いし、定期的に走っているバスを使っても良い。
とはいえ出羽三山神社のように小さな社があるため登りは歩き、下りはバスを利用した。
なお、湯殿山神社でのことは語るなかれのため、これ以上は書くのをやめておく。

その後、無事に山形市に到着し、山形の旅一日目は終了した。

今回分かったのだが、一人旅の場合、どうしても一つの施設の滞在時間が長くなるようだ。
今度はそれを見越してプランを立てていきたい。
また、湯殿山で一つ失敗したことがあるため、これから登る予定の方に注意しておきたい。
「タオルを持っていくように。」

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