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小説創作にも転職にも役立つタクシードライバーの基礎知識

【以下の方必見】
・創作の時間がない!
・創作のネタがない!
・残業が多い!
・創作という金がかからない趣味なのに生活はカツカツだ!
・知らない街に行きたい…。
・色んな飲食店に行ってみたい!
・作品の登場人物に幅がなく、タクシードライバーでも使ってみたい!

これを読めば、そんなわがままが叶うかもしれません。

と、書くと怪しい広告ですが、

四回転職して、一番創作活動ができている仕事であるタクシーの、ただの職業紹介ですので気楽に読んでくたさいませ。

※東京のタクシードライバーですので、他県との差はあることはご了承ください。

1.タクシードライバーになると、執筆の時間がたくさん取れます!

タクシードライバーは、基本的には隔勤(かっきん)と言いまして、

一日働いて、一日休む。

という勤務体系です。

一日の最大拘束は20時間20分。

法令でこれ以上働けないので、一般的な残業はありません。

しかも、働けるのは最大13日。

つまり、単純計算で17日は創作の時間に当てられるのです。

一般企業勤務中は、残業後の疲れた体にムチを打って、一時間だけ創作し、休みの日も全て創作。

もっと、執筆の時間が欲しい!

そう叫んでも、会社員は時間を作ることなど不可能。

しかし、タクシードライバーなら、創作の時間を作ることができます!

2.給料の金額を決めるのは俺だ!

タクシーは完全歩合制です。
そのため、欲しい分だけ稼ぐということが可能です。

割合は、営業収入の60~65%が平均的。

月収は25万~40万が可能だと思います。

私は最初、24万から始まって、35万に落ち着きました。

最近は緊急事態やらで、だいぶん減りましたが、会社員としての最低賃金は守られているので、13日勤務で18万を割り込む心配はありません。

ちなみに大ベテランは50万以上を平気で稼ぎます。
化け物ですよ。

3.会った客の分、小説のネタができる!

僕はタクシーを「究極の一見さん商売」と呼んでいます。

平均で一日20組の客を乗せる仕事です。
それだけ、たくさんのキャラクターが生まれるチャンスがあるのです。

金持ち、マダム、幸せな家族など満たされたお客さん。

不機嫌なサラリーマン、無愛想なホスト、高圧的なホステス。

テレビで見るような人も半年に1回以上めぐり逢いますし、いわゆる反社的な人にも出会えます。

タクシーの中で別れ話でケンカするカップルもいましたし、これから離婚届を提出する夫婦もいました。

陣痛に苦しむ妊婦さんを何度も運んでいますし、アルツハイマーで自分の家が分からないおばあちゃんを千葉まで送ったこともありました。

それと本物の二重人格の方と出会い、なぜその方が二重人格になったか、まで知ってしまったことも。

タクシーは一見さん相手のお仕事ですが、それ故にたくさんの出会いと、それを創作に活かせるチャンスが生まれる仕事だと思います。

4.毎日が孤独のグルメ!

タクシーは基本一人で行う仕事です。
チームを組んで取り組む人もいますが、僕は気楽さを求めているので、ずっと一人です。

そのため、食事どきは完全に孤独のグルメのごろうさんです。

田端でお客を降ろし、お腹が空いてたらパーキングに入れてご飯屋を探し、

千葉の街道で入りやすいラーメン屋を見つけたら、そのまま駐車場へ。

仲良くなったお客さんと行きつけのレストランに入ったこともありました。

タクシードライバーは一日のうち、最低二時間は休憩を取らなくてはなりません。
規定は三時間です。

あ、いい店があるぞ。
さっき、昼飯食べたばかりだけど、うーん、いいや、晩飯をすませちゃえ。

そんなことが可能です。
だから太るんですわ…。
反省。

5.タクシードライバーのデメリット。

と、ここまではタクシードライバーのいいことを書き続けてきましたが、当然、デメリットもたくさんあります。

・免許に傷がつく。

タクシードライバーになってみてわかったのですが、事故や違反を一切しないタクシードライバーは超まれです。

警察はタクシーを狙いうちします。
タクシーは企業ですから、逃げないとわかっているので捕まえやすいんです。

それにお客さんが圧をかけて、違反をするように仕向けて来ることも。
お客さんの言いなりになって、後ろからサイレンが、なんてこともありました。

僕自身、事故を起こしましたし、一度免停になっています。
なんとかここ一年は無事故無違反ですが、特に不慣れな初心者の時期は違反や事故は避けられません。

・事故や免停期間のお金が…

違反や事故は、運転手の責任です。
保険が効くことはありますが、保険でまかなえない修理費は請求されます。

僕の場合、給料から2万円が引かれる月が数ヶ月続いたことがあります。

また、免停になると運転出来ないので、欠勤となります。
当然、無報酬です。

会社によっては事務作業を手伝うことで最低賃金を得ることができるパターンも。
いずれにしても、万が一に備えて貯金は必要です。

・クレーム対応には注意が必要。

タクシーは変な人を乗せることがあります。
明らかにクレーマーな人がいるんです。

理不尽に吹っかけられて、つい怒りたくもなるでしょう。

しかし、そこでケンカをするととんでもないことに…。

タクシーセンターという、苦情を受け付ける窓口があるのですが、そこにクレームが行くと、センターに弁明しに行かなくてはならなくなります。

もし、そこでこちらが悪質と判断されたら、最悪、乗務員資格を取り上げられる可能性があります。

忍耐力と、クレーム対応力が必要です。

・必ず煽られます

大型トラックには毎日煽られています。
ゴミ収集車も煽ってきます。
高速を走ると高級車にパッシングされます。
細い道だと、自転車にも煽られます。
絶対に煽られます。

それにカッとなって戦ったら、事故ります。
事故らなくてもクレームになります。
諦めるしかありません。

・不健康が極まる

タクシードライバーは二つの人間に分かれます。

太るか、痩せるか。

自己管理できる人もいるのですが、僕や僕の周囲はこの二択。
十何時も不眠で座っているのです。
不健康にもなりますわ…。

・車は手洗いが基本。

タクシーは基本黒い車体です。
黒はキズが目立つもの。
機械の洗車だと、車体に着いた砂が擦れてキズをつけるので禁止されていることが多いと思います。

冬、地獄です。
自分で洗いたくない場合は、1000円払って業者に任せることもできますが、お金を払いたくないので、霜焼けになりながら今日も磨きます。

以上が、僕が考えるタクシードライバーの基礎知識です。

タクシーの啓蒙活動に思われたかもしれませんが、正直、安定を求める人や接客が苦手な人、家庭を大事にしたい人にはおすすめできません。

生活リズムも不規則ですし、同僚の中にはそのリズムのズレで離婚した人もいますし。

ただ、創作活動を行う上で、これほど自由がきく仕事は二つとない気がします。

僕はタクシードライバーという仕事に巡り会ったおかげで、創作活動が充実していて満足しています。

不景気なのでこれから収入が増える仕事だとは思いませんし、遠くない未来に自動運転になってタクシードライバーという仕事はなくなるでしょう。

ただ、今の自分を満足させるのには最高の仕事だと思うので紹介させていただきました。

長々と失礼しましたが、この記事が少しでもあなたの糧になれたなら幸いです!

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