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冬の動物園

次男がクリスマスに図鑑NEO Padをもらったので,動物園に行くことになった。

長男と次男は4歳も離れているので,最近は,長男に合わせると次男が退屈だし,次男に合わせると,長男が退屈してしまう。長男は昔は動物が大好きだったのだが,いまはもう興味がないようである。そこで,行く前に興味を持たせるための動物の話をした。


僕 「動物の歩く速さは,何で決まっているか知っている?」
長男「動物の大きさじゃない。大きい動物のほうが1歩が大きいでしょ?」
僕 「動物の大きさが関係していると考えたのは良い考えだね。だけれど,小さい動物ほど,1歩に必要な時間が短いから,必ずしも大きい動物が速いとは言えないんじゃない?」
長男「それじゃぁ,何で決まっているんだろう。」

僕 「こう考えてみたらどうかな。長男君は普段歩いているとき,あまり力を入れないで歩いているでしょ?そのとき,足を振り子のように使って歩いているんだ。そう考えると,動物の大きさと歩く速さの関係がわかるんじゃないかな。ちょっと実験してみる?」
長男「うん,やってみる。」

僕 「5円玉とたこ糸で振り子を作ろう。」

息子「できた!」

僕 「そうしたら,糸の長さを変えて10往復するのに何秒かかるかを測ってみよう。10往復数えるから,息子君はストップウォッチを押して。」
息子「わかった。」

糸の長さを10cmずつ変えて,10周期の時間を測定する。

10cm  6.88秒
20cm  8.57秒
30cm 11.71秒
40cm 12.91秒

僕 「10往復する時間を測ったでしょ。これから1往復する時間はどうやって求めればいい?」
長男「10で割ればいい?」
僕 「10で割るとどうなる?」

息子が電卓をたたき,1周期の時間を求める。

10cm  0.688秒
20cm  0.857秒
30cm 1.171秒
40cm 1.291秒

僕 「いま,行って戻ってで1って数えたから,1歩にかかる時間はその半分になる。1歩の幅が糸の長さと同じだとして(またを開く角度が60度だとして),1秒間に進む距離を求めてみよう。」

電卓をたたき,速さを求める。

10cm 10/0.344=29.1cm/s
20cm 20/0.429=46.6cm/s
30cm 30/0.586=51.2cm/s
40cm 40/0.646=61.9cm/s

僕 「1秒間に進む距離が求まったね。これから何がわかる?」
息子「足が長い動物の方が速く歩く。」
僕 「そうだね。振り子で考えると,"足が長い動物の方が速く歩く"ってことがわかったね。」

足は"糸の先におもりがついている振り子"ではなく,"棒状の振り子"に近いので少し異なるが,大雑把には,これで良いだろう。


長男「ねー,だけども,チーターの方が象より速いのはなんで?」
僕 「それはね,いまの話は,足を振り子のように使って歩いているって考えたでしょ。そういうふうに,リラックスして歩くときしか説明できないんだ。」


長男「それなら,走ったときはどうしてチーターが速くなるの?」
僕 「それは,少し難しい質問だな。長男君は,徒競走でスタートのとき,思いっきり足で地面を蹴るでしょ?走るときには最大の速さになるまでに,加速をしなければならない。そのときに力を入れないといけないんだ。そして,大きい動物ほど,最大の速さになるまでに,力を入れないといけない時間が長いから,象のようなあまりに大きい動物だと,最大の速さになるまでに筋肉が疲れてしまって,最大の速さになれないって言われているんだよ。」
息子「そうなんだね。」

僕 「これから動物園に行くけれど,動物の動きに注意して見てみたらどうかな。」
長男「そうだね!」


(図鑑NEO Padは,自分で図鑑を完成させるというコンセプトは良いのだが,太陽の下で使用することを考慮していないディスプレイのため動物園では見づらかった。反射防止フィルムを貼れば太陽の下でも見やすくなるかな。)

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