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文を書くときには目的が必要な時と、そうでない時がある

何か書こう書こうと思いながら毎日を過ごしていたら、晩秋と言われる季節になってしまいました。佐光です。取り立てて書くこともないのですが、「今思っていることを書くことは今しかできない」という一節を目にしたため、今の気持ちを記しておこうと思います。そんな就寝前。

突然ですが、私はキーボードが好きです。
はじめてのキーボードの思い出は、祖父から貰ったスヌーピーのタイプライター。アルファベットが並んでいるけれど、小学生になったかなっていなかったか、その頃のわたしにはその道具で文章を作ることはできませんでした。カシャンカシャンというタイプ音。改行すると紙が少し上に動いてくる。そんな機構が楽しくて、めちゃくちゃな文字列を生産していたように思います。幼い子にこんなプレゼントをする祖父は当時50前後?センスが良すぎるなと思います。
で、次はワープロ。ワードプロセッサの略です。小学校2年生くらいかな?このときはカナ打ち。「プログラム」という文字を打つのに一文字目の「プ」が打てなくてだいぶ長い時間探した覚えがあります。
そしてパソコン。小学3年?4年?ここでローマ字の概念を知ります。パソコン通信ではチャットができたのでここではじめて「キーボードで自分の言葉を文字にする」ことを体得しました。とはいえ、表現するようなものは何もなく空っぽ、道具の使い方だけが上手くなっていた状態ですけどね。

私にとっては、耳で音声を聞くよりも、文章を目で見る方が速いし素直に頭に入ってきます。(余談ですが、だからなのか、テレビドラマや演劇、実写映画を観る事が苦手でした。作品の筋やストーリーを楽しむタイプで、その表現方法自体には全く興味がなかったからです。)
それと同様に、キーボードで文字を打つほうが言葉で話すよりも頭の中のものをクリアに出せる感覚があります。思考がそのまま指先に流れてくる感覚です。手書きで文章を書く時は、いかんせん思考スピードに筆が追いつかない。または、全く書けない。宿題の読書感想文なんてものは全く筆が進みませんでした。例えば中学の頃は何千字レベルの文通をハイペースで続けていたのに、読書感想文になると1時間経っても一文も書けず居残りしたことも……。まあ単にこれは正解がないのに評価されるものが苦手だったんだと今ではわかるんですけどね。

何が言いたいかって言うと、キーボードが好きなんだけれど最近触っているのはもっぱらスマホ。フリックも速いけれど直感的に文字を打てなくて、なんだか億劫になってしまうんですよね、っていう、そういうこと。ああ、はいはい、言い訳言い訳……。ちなみに今回のこれは頑張ってスマホで書いてみました。

冒頭で今を記すといいながら、思い出話に終始してますね。あれれ。思い出に逃げている時って、現状に満足していない時と言いますが。

今、今……
今は本当に娘とのことばかりで、毎日が驚きと幸せに溢れていて、体力的には本当にしんどくて、だけどもちもちのほっぺに頬を擦り付けていると全部飛んでいって、そのためになるべく化粧はしたくないけれど化粧をしないと私は外に出られないほど醜くて、それでも彼女はきゃっきゃと笑ってくれるし無防備に眠る、そんなことばかりを書きたくて。でもなんだか、どこに向かってかわからないけれど遠慮しているというか、逃げているような。そうだね。今は評価や人の目から逃げていたいようなそんな気持ちです。
全人類に「かわいい!」ってお世辞でも言って欲しいのに(容姿ということではなく、赤ちゃんというのは存在そのものがかわいいです)、言われなかったとき。いまから二人目の話をされる時。どっちに似てるか軽い気持ちできかれたりするたびに、砂利のようなものが溜まっていく。昔は楽しんでいられたようなものでも、いまは味わいたくない、ナイーブなわたしがいます。

わたしは昔は強かった。無敵だった。自覚していますが、だいぶ弱くなりました。母は強し、なんて言うけれど強くならざるを得ないのでしょう。自覚的に強くなりたい。

風立ちぬだったかな。
想像的人生の持ち時間の話ね。
いまその最中にある若人はもがいてもがいて掴み取って欲しい!反面、わたしは何者でもなく、確実にバイタリティを失ったことを納得できるようになりました。その中でなるべく多くのエネルギーを、わたしではない、大切な人物に注ぎたい。っていう気持ちです。残念ながらそれは夫ではなく、あ、劇団員でもなく、、ってそんなことわざわざ言わないでいいか。

娘と向き合うたびに、私を育てた人のことを思う。して欲しかったこと、してもらって嬉しかったことを思います。
今ここにいる彼女は、今ここにいる私がどうやって自分のことを見つめているのかなんて数年後にはまったく覚えていない。
そんなことがふと浮かんでは消え、浮かんでは消える情緒的な毎日、です。
夜中に書く文章はおそらく、次の日には恥ずかしくなるのだとわかりながら、この辺りにしておきます。ではね。

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