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出荷-在庫バランスが再びマイナスに~2024年6月の鉱工業生産指数(速報)

 2024年6月の鉱工業生産指数の速報値が本日(7/31)公表されました。日経は、前月比3.6%低下と2ヵ月ぶりにマイナス昇となったことに注目しています。私は、GDP統計と同じように前年同期比(前年同月比)に注目して観察してみたいと思います。


6月の鉱工業生産の前年同月比は7.3%低下と大幅なマイナス

 前年同月比でみると、2024年6月の生産は7.3%低下。2024年3月(6.2%低下)以来の大幅なマイナスでした。主要業種別にみても全面的なマイナス(化学工業と食料品・たばこ工業は確報時に判明しますが)。このところ高い伸びを示してきた、電子部品・デバイス工業も2.2%低下とマイナスに転じたことも気になります。
 4~6月期でみてもマイナス2.6%。4~5月平均ではマイナス幅の縮小も期待されていたのですが、結果的に1~3月期(マイナス1.0%)より低下幅が拡大しています。

4~6月期の出荷-在庫バランスもわずかなマイナスに

 一方、出荷-在庫バランスは、4月のプラス1.0ポイント(出荷が1.4%低下、在庫が2.4%低下)に続き、5月はプラス3.4ポイント(出荷が1.3%上昇、在庫が2.1%低下)とプラス幅が拡大してきたのですが、6月はマイナス5.1ポイント(出荷が7.7%低下、在庫が2.6%低下)と一転して大幅なマイナスになってしまいました。
 4~6月期でみても、マイナス0.2ポイント(出荷が2.8%低下、在庫が2.6%低下)とわずかなマイナスになってしまいました。先々月、先月のnoteで書いた「2021年7-9月期以来のプラス幅」は幻に終わってしまいました(悲しい)。

出荷-在庫バランスは、電子部品・デバイス工業のみプラス

 業種別の生産と出荷-在庫バランスの動向を確認してみましょう。4月は10業種、5月は9業種がプラスだったのが、6月は電子部品・デバイス工業のみがプラスという結果になりました。速報時点で実績値がわかる医薬品を除く化学工業の出荷-在庫バランスは0.1ポイント(出荷4.1%低下、在庫4.2%低下)とわずかにプラスになりましたが、確報時にわかる医薬品を含めた化学工業はどうなるでしょうか?
 4~6月でみると、出荷-在庫バランスがプラスの業種は5業種と1~3月の3業種から拡大していますので、6月の動きが一時的なものかどうかが気になるところです。

増産が見込まれている7月に期待?

 生産指数とともに公表される7月の製造工業予測指数は、経済産業省が予測誤差を補正した試算値で前月比4.0%。仮に7月の鉱工業生産指数全体が前月比4.0%上昇すると、前年同月比上昇率も4~5%になりそうです。6月の生産低迷は一時的なもので、7月に期待なのでしょうか?引き続き、ウオッチしていきたいと思います。

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