東堂杏子

趣味で小説を書いたり書かなかったりした。

東堂杏子

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マガジン

  • 【note創作大賞2024】致命傷のふたり

    note創作大賞2024恋愛小説部門に参加している作品です

  • 初婚晩婚こなし主婦の日記

    婚活を諦めて一生結婚することはないと思っていた初老女子がうっかり派遣先で隣に座っていた初老社員さんと初婚同士で晩婚しちゃったタイプの日記。できれば週に何度か更新したいです。

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少女文学とnote創作大賞に参加しているよという話(応援してほしい!!)

ご無沙汰しております。こちらでは東堂杏子(とうどうあんず)と名乗っております。名前だけでも覚えていってくださいね。 んもう相も変わらず、自分の話ばっかりなんだから。 そんなわけで日常の日記も放置して数ヶ月(肉体的にはあまり元気ではないが元気にしております)、告知のためにノコノコとやってまいりました。 ひとつめ。『少女文学 第七号』【5/19(日)/文学フリマ東京38】 今回も図々しくも本館「少女文学第七号」に参加しております。みんな大好き別館も同時刊行だ!参加メンバーが

    • 致命傷のふたり 第4話後編(最終回)

      よろしければ第1話からどうぞ! #4.ふたりのなつやすみ・後編 「なまんだぶつ、なまんだぶつ」  なまんだーぶなまんだーぶなまんだーぶ、と何度も唱える坊主の良い声がセルフでフェイドアウトする。お経の最後はいつもこうだ。  流行のアイドルソングの最後に似ていた。 「はい、おつかれぇい。お経おしまい!」  仏壇に向かっていた中年の坊主が、いきなり声の調子を改めてくるりと向き直る。 「ふー」  それを合図に小太郎は正座を崩した。  チカコが仏間を出て、あらかじめ用意し

      • 致命傷のふたり 第4話前編(全5回)

        よろしければ第1話からどうぞ! #4.ふたりのなつやすみ・前編  結ばれるのが遅すぎた運命の恋は残酷だ。  最近の小太郎は積極的に休暇をとるようになった。  これ以上の出世が見込めなくなったから会社に飽きたんよと笑っているが、以前よりもすっきりとした顔をしている。仕事の愚痴も言わなくなった。梅雨の頃、何かを悩んでいる小太郎にチカコは「仕事なんてやめたらいいやん」と言ってしまった。それが契機になったのか、ともあれ小太郎が会社勤めに飽きたというのは本音らしい。 「おれねえ

        • 致命傷のふたり 第3話(全5回)

          よろしければ第1話からどうぞ! #3.次のカウンセリングが最後だといいのに  スマホが鳴る。  デフォルト設定の愉快なマリンバが響く。  庭に出て植木に水を撒いていたチカコがその音に気づいたのは奇跡だった。微かに響く着信に気づいて水道の蛇口を閉め、サンルームの前を横切って縁側から飛び込み、食卓に放置していたスマホを掴むと画面には小太郎の名前が浮かんでいる。見慣れたはずの名前なのにときめいてしまう。 「はい」  通話ボタンを押して受ければそれを待たずに小太郎の声がした

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        • 【note創作大賞2024】致命傷のふたり
          5本
        • 初婚晩婚こなし主婦の日記
          15本

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          致命傷のふたり 第2話(全5回)

          よろしければ第1話からどうぞ! #2.日曜日の柱時計  金曜日の後には土曜日が来て、土曜日の後には日曜日がくる。  ならば日曜日の次は月曜日が来るというのか。明日は月曜日なのか。 「ゃだぁ」  ゃだゃだ嘘でしょ信じらんなぁいと小太郎は呻いた。  起きて早々気分が沈む。  テレビの中では特撮戦隊が暴れている。  これを観るのは久しぶりだ。第一回を録画して鑑賞した後に悲しくなって「今季の戦隊はおれの口に合いそうもない」と愚痴を言ったら、隣で一緒に鑑賞していたチカコが「そ

          致命傷のふたり 第2話(全5回)

          致命傷のふたり 第1話(全5回)

          #1.致命傷のふたり  一言では説明できない人生の紆余曲折があって、小太郎とチカコは現在同居している。  その理由を簡単にまとめてしまえばつまり、恋だった。  四十代半ばを過ぎた中年のふたりがとある屋敷の所有を巡って大喧嘩をしたあげく、それはちょうど去年の今頃、彼らはあっけなく恋に落ちた。だから仲良く同居することにした。  肌をすり合わせたわけではないが、大人の男女が「好きだ」「好きよ」と意思を確認したのだから両思いで間違いない。  一緒に暮らしているが籍は入れない。

          致命傷のふたり 第1話(全5回)

          アァモゥヤダァヤダヤダァ 2024/01/08

          ・夢ならばどれほどよかったでしょう。実はこの三連休のどこかで某テーマパークにでかける予定にしていた。ところが私が発熱した。発熱で中止。小学生か。 ・思えば小学生から社会人をドロップアウトしちまった数年前までにかけて、私の「熱が出たから休みますサーセン」はその八割が仮病だった。いやちょっと盛りました。ほんというと九割は仮病。ガチだったのは低学年の頃に親戚が某博覧会に連れて行ってくれるというその前日、楽しみすぎて倒れたとき。それから仲良くしてくださっている友人に誘われたとき。今

          アァモゥヤダァヤダヤダァ 2024/01/08

          2024年なのだった。2024/01/05

          ・年が明けている。2024年だ。二週間に一度はnoteを更新したいという昨年の目標はあえなく潰えた。初夏に胆嚢摘出手術を受けたときにはじゃっかんの盛り上がりをみせたが、その後はやはりどうでもよくなった。自分にとってnoteとは何なのか、あらためて考え直すときがきたのかもしれない。なんだそれ。新年なだけに話がでかい。 ・年末は、夫の同僚氏ファミリーと忘年会で美味い肉を貪った。感染症の渦中に結婚したので、こういう「家族ぐるみのおつきあい」というものそのものが初めての経験だ。夫同

          2024年なのだった。2024/01/05

          ほうかご倦怠期クラブ 2023/08/23

          ・それっていったいどんな感じなのかしらと怯えつつ耐ショック体勢をとり続けて心の準備をしてきたけれど、どうやらとうとう初めての「それ」が来たような気がする。それとは夫婦の倦怠期である。 ・「それ」はいつか必ず来るのだ、と防災意識を高めた瞬間というのがある。 あれは一年半ほど前、月イチで夫の持病を診ているというクリニックに連れて行ってもらった日のこと。 診察室ではドクター先生が 「あぁご結婚なさったんだね。こんにちは奥さん、夫くんの主治医です」 と挨拶し、私に夫の症状の説明をし

          ほうかご倦怠期クラブ 2023/08/23

          2000年後か10日後かそこらへんの君へ 2023/08/21

          ・例の如く放置ぎみのnoteだった。こんな私でも若い頃には毎日かかさずネット上で日記を書いていたのに、歳を重ねるにつれすべてがどうでも良くなったのだ。みんな聞いて聞いて!あたいの日常!みたいな前のめりな欲望が抜けてきたのかもしれない。もっとギラギラしていたい。 ・そんなこんなの日常、昨日だか一昨日だか、ふとスマホをみると通知のバッジがついていた。前回の記事に誰かがスキ♡をつけてくれている。私は寂しい人間なので、失礼かなと思いつつもついその方のホームに遊びに行ってしまった。

          2000年後か10日後かそこらへんの君へ 2023/08/21

          胆嚢とってきたわ 2023/06/30

          さて胆石である。誰がといえば何と私だ。  コレステロールの悪鬼、暴飲暴食の忌み子、中年デブ女の宿命、胆嚢結石である。 ・ゴールデンウィーク前、夜、突然ズドンと躰の右側に痛みがはしった。 重くて苦しいやつ、筋肉痛できなくて明らかに内臓系のやつ。どうしてすぐに「これ内臓だわ」と直感したのかというと、十数年前に虫垂炎をこじらせたときと同じ、  爆心地はわからねえけど上半身のモツが全部痛い。 という状態だったから。 あぁ…あぁ…と呻きながらベッドに横たわり、#7119に電話して「

          胆嚢とってきたわ 2023/06/30

          PS5を買った 2023/03/16

          ・かなり流通してきていると思う。何の話だ。PS5の話だ。 ・スペックの話はわからない。「応募しなきゃ当たらないから」と夫婦ふたりでそれぞれアマゾンの抽選にエントリーしたのが何ヶ月前だったか。去年の年末だったような気がする。 ・ここ最近では近所の家電量販店でも普通に「緊急入荷!本日在庫あります!」的な呼び込みがされるようになって、こりゃもう電器屋で買った方が早いのでは…という意見も出されたが、抽選に当たった!という高揚感が欲しかった。店頭買いは自分の意思で果たすものなのでど

          PS5を買った 2023/03/16

          Twitterに書かないタイプのドロッとした愚痴 2023/03/13

          ・いま住んでいる賃貸部屋の前入居者へのお届け物がいまだに届く。物品でも郵便でもない。 「これは郵便ではありません」のメール便、ビニルで包装されている何かの通販カタログだ。 ・い、いまどき紙媒体で~~!? と引いちゃうんだけど、普通に紙媒体のカタログは日々届く。 そういえば我が家も、義実家のお勧めで取り寄せている健康食品関係のお知らせ、年に一度の一太郎バージョンアップのお知らせ、それから私の生命線であるルピシアの「おたより」がメール便だ。JAFメイトはデジタルに移行した。とこ

          Twitterに書かないタイプのドロッとした愚痴 2023/03/13

          二月が逃げるどころか溶けた 2023/03/05

          まさに蒸散だった。 二月、あっという間だった。 データ入力の内職で毎日毎日パチポチしていた。家事以外は入力をしていた。 本来ならば月に何日かの隙間時間で楽々お小遣い稼ぎ、扶養内でもWワークでも大歓迎です♡みたいな募集だった。 私は家計目的ではなく、夫に乗っかかるわけにはいかない自分の維持費(スクエニに払うお課金と散髪とアマプラとKindleとネトフリと書籍とガソリン代と夫には内緒のランチ代)のためにコソコソやっている本来の意味でのお小遣い稼ぎなので、月に上限3万円で充分な

          二月が逃げるどころか溶けた 2023/03/05

          アイタタしまった、締切だった 2023/01/12

          ・鏡餅をまだ解体していない。昨日すべきだった。それはわかっているのだが面倒くさかった。 ・夫と私の体調がよかったり悪かったりしているうちにもう1月が半分過ぎようとしている。大人の人生はドキドキが足りないから体感速度が上がってるのだとチコちゃんは言っていた。チコちゃんは何でも知っているからすごいね。 私の説として、年齢的なものからくる動悸息切れのせいではないかと踏んでいる。動悸が速い生物は生き急いでいるので人生が速いのだ。 ・ジャンプブラス原作大賞、もうひとつ出すつもりにし

          アイタタしまった、締切だった 2023/01/12

          デブ光線 2023/01/07

          ・子を持っていないのだけれど、世間一般からみると年齢的にも体型的にも「お子さんをひとり成人まで育て上げて一息ついてる大ベテランの肝っ玉母さん」に見えるらしい。 まあたしかにここまででっぷり太っていると、地球人全体のマンマ認定されても仕方ないこととは思う。もう愛だとか恋だとか難しく言わないであたしの子どもになりなさい(中島みゆき)。 ・ということもあってか、ひとりで飲食店や交通機関を利用していると、ほぼ確実に子連れの団体が近くに座ってくる。たぶん私には 「こどもが近くで泣いて

          デブ光線 2023/01/07