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仕事がつまらなくて、辞めたい人へ

世の中には、仕事がつまらんと言いながら働いている人が多すぎる。

「仕事って、そういうもんじゃん?」みたいな風潮すらあるし、実際僕も前職の大手SIerに勤めていた頃、おっさんたちに言われた。いや、おっさんたちだけでなく、もっとも社内でフレッシュなはずの新卒の同期にも言われた。

いやいや、ちょっと待ってほしい。仕事って、果たして本当にクソつまらんものだろうか。そんなクソつまらんものに週5日40時間も費やしていたら、人生の大半はクソになってしまわないだろうか。

そして、そんなクソな人生を過ごしているダサいおじさんたちの有難いアドバイスを真に受け、実践している健気な若者が多すぎる。洗脳とも言うべきか。

人生100年時代。我々若者には、安定した老後も定年退職もない。もう自分の頭で考えて、生き抜くしかない。会社とともに心中するもよし、マーケットに出てサバイバルするもよし。どちらを選んでも自己責任だ。

僕は、新卒で入社した大企業を半年で辞めた。同期が200人以上いる中の、離職者第一号だ。第二新卒として転職活動をして、今は従業員数20人以下のスタートアップで働いている。スタートアップは、前職の100倍くらい刺激的で、楽しい。

別にこの記事で僕は、誰彼構わず「転職しようぜ」というアドバイスをしたいわけではないし、「スタートアップ最高」と言いたいわけでもない。

ただ、「毎日仕事がつまらない。こんなはずじゃなかった。でも、3年は我慢しないと」と悩んでいるあなたが、人生の一歩を踏み出せる勇気になれば、と思って書く。

バカでお利口な就活生

僕は、バカでお利口な就活生だった。就活は、「とりあえず大手に入っとけば安心」という風潮がある。学生は、基本的に社会のことをあまり知らないので、名の知れた大企業に入っておくのが絶対安泰、と考えるのは当然だ。それに、あながち間違ってもいないと思う。

バカでお利口な就活生は、大手に入るための自己分析ができる。各企業を分析して、どういう人間が欲しいのかを考え、自分を作り変える。演技が上手い。思っていないことでも、内定のためなら平気で言える。ある意味お利口で、バカなんだ。

僕がなぜそんな賢い就活生を「バカ」呼ばわりするかといえば、最終的に入社した後に困るのは自分だからだ。演技してしまったがために、窮屈。周りの同期と考え方が全然違う。会社の価値観と合わない。こんなはずじゃなかった、となる。

これは全部僕の話だ。しかし、「自分にも当てはまる」という人、結構いるのではなかろうか。

でも大丈夫、バカでお利口な就活生だったあなたも、少しばかりの行動力があれば、人生は変わる。

新卒でせっかく大手に入社したのに、なぜ会社を辞めたか?

僕がなぜ新卒入社した大企業を辞めたかと言えば、この2点に尽きる。「企業の価値観と合わなかった」「大企業特有の、自分でコントロールできない要素が多かった」からだ。

1点目について。前職は、とにかく保守的な人が多かった。リスクよりも安定。新しい風を取り入れたいと言いつつ、出る杭は打つ。同期を見渡しても、良い意味でも悪い意味でも、会社は素直な人間を欲しているのだとわかる。「新人なんだから」という理由で思考力をどんどん奪われる。そういう、企業の文化的なところは、異動しても変わらない。

2点目について。僕は、いわゆる「新卒ガチャ」に外れた人間だ。これから目に見えて廃れていく分野の、保守の担当になった。ローテーション制度もあったが、数年はその部署で我慢しなければならない。20代の数年は貴重だ。それに、ローテーションの機会があったとしても、希望の部署に行けるとは限らない。もはやギャンブル。次も外れを引けば、いよいよ転職はもっと厳しくなる。社畜待った無しだ。

というわけで、さっさと見切りをつけて転職した。幸い今は第二新卒という選択肢がある。自分の人生の舵は、自分で切れ。

上司を見て働くか、市場を見て働くか

あなたは、「社内価値」を重視しているだろうか、それとも「市場価値」を重視しているだろうか。どちらを重視するかで、キャリアは大きく変わる。

大企業にいる人ならわかると思うが、大企業は基本的にジェネラリストを育てたがる。社員はいろいろな部署に異動し、長い年月をかけ実力と運があれば幹部になれる。社内のいろいろな部署を経験していると、根回しが上手くなる。根回しが上手い人間が幹部になった方が、会社にとっては都合がいい。

新卒には、新卒ガチャがある。ハズレの部署を引いたら数年間は我慢だ。ただし、新卒ガチャで当たりを引こうがハズレを引こうが、また数年後には次のガチャが待ち構えている。

上司の顔色を伺いながら働き、市場よりも社内での価値を高めることを最優先にすると、社内政治は上手くなっても、市場価値はどんどん下がる。市場価値が下がれば、転職という最後の切り札が切れなくなる。

転職ができなくなると、あらゆる理不尽に耐えなければならない。給料や福利厚生がカットされても、希望の部署に行けなくても、文句は言えない。会社に首を切られたらおしまいなので、会社にしがみつくしかなくなる。

あなたが重視すべきは、会社の看板や肩書きではない。市場価値だ。市場価値こそが、あなたを守る最強の武器だ。

どうせ働くなら、市場を見て働こう。

「とりあえず3年」なんて常識は、ぶっ壊せばいい

「とりあえず3年は頑張れ」とよく言われる。意味がわからない。「とりあえず3年」説を信じている人は、思考停止している人しかいない。3年後に違う風景が見えることを信じて、腹をくくって今の会社で3年間全力で頑張るか、さっさと辞めてしまうかの2択しかない。

「3年未満で辞めてもいいのか?」という質問がよくあるが、そんな質問自体が愚問だ。あなたの時間の使い方なのだから、あなたが決めればいい。あなたがその気になるか、ならないかの問題だ。

そもそも新卒には、なぜか「転職する」という選択肢を持っていない人が多い。転職先を見つけ、上司に話をし、退職届を出す。それだけ。仕事を辞めることは簡単だということを、まずは思い出そう。

売り手市場のあおりを受けて、今第二新卒市場は過熱している。3年未満で辞めても雇ってくれる会社はいくらでもある。僕のように新卒半年でも受け入れてくれる会社だってある。

そして、「とりあえず3年」がマイナスに作用することがある、ということは覚えておこう。「今の仕事を続けて3年後には、何が身についているだろうか」と考えてみよう。

もし、市場にアピールできるものが何も得られないと思うのならば、早めに行動を起こした方がいい。僕は、今の会社の第二新卒に面談に同席させてもらうことがよくあるが、「とりあえず3年間やりました」という人は絶対に採らない。一緒に働きたくない。

「とりあえず3年は続けろ」というおじさんたちは、あなたの人生に責任を取ってはくれない。決めているのは常にあなたであり、人生の責任もすべてあなたにある。

人生を「線」で考えるな

人生を「線」で考えずに、「点」の集合体で考える。これは、アドラー心理学で学んだことだ。僕らは、人生を「線」で考えようとする。

「20代はとりあえず下積み期間で、つまらない仕事でも我慢する。30代になって価値が認められれば、大きな仕事も回ってくるだろう。そうすればきっと仕事も楽しくなる。40代になれば、……」といった具合だ。

多くの人は、人生を山登りのようなものだと捉えている。山頂という目標へ向かってひたすら歩く。しかし、いつも上手くいくとは限らない。足をくじくかもしれないし、大雪が降るかもしれない。途中で山登りを断念することもある。

「20代、あんなに残業をして、やりたくない仕事も我慢してきたのに、結局30代になってもやりたい仕事は回ってこなかった。会社のために尽くしてきたのに、会社に裏切られた」

あり得る話だ。こういう生き方を、アドラー心理学では「人生の嘘」という。人生を線で考えていると、山頂にたどり着けなかったときに、今までの自分を否定することになる。

大事なのは常に「今」「この瞬間」だ。計画的な人生を送ることなんてできないのだから、今この瞬間に、やりたいことをやる。いつ死んでも後悔のない生き方をしよう。

さいごに

人生は有限だ。20代には20代にしか得られないものがある。「とりあえず3年」とかいっている時間がもったいない。3年ルールとか気にせずやめろ。心から楽しいことをやれ。レールに乗るな。頭を使って、市場で生き抜け。行動を起こせ。別に新卒半年で辞めてもなんとかなる。ここに生き証人がいる。

この文章が、誰かの一歩を踏み出す勇気になれば嬉しい。

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