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社会人4年目、マネジメント3年目。マネジメントって、なんだろう。

みなさん、こんにちは。

SaaS系ベンチャー企業でマーケティング&マネージャーをしている轟(@biztodo)です。

マーケティング知を市民化するメディア「マケフリ」を、20代の心強くて暖かいメンバーとともに、育てています。

今回は、「社会人4年目、マネジメント3年目。マネジメントって、なんだろう。」と題して、マネジメントについて書いてみようと思います。

「社会人4年目で、マネジメント3年目・・・?」と違和感を覚えた方もいるかもしれません。そうなんです。私は社会人4年目でありながら、マネジメント3年目。一般的な社会人より早く、マネジメントを意識した働き方をしてきたと思っています。

今では正式にチームのマネージャーとしての役職を担っていますが、プレイングマネージャーをしていた2年間は、「正式にマネージャーとして任命されていないものの、リーダーシップをとってチームを仕切っていた」というちょっと特殊なポジションにいたこともありました。

そろそろ社会人4年目も折り返し。ここで、あらためて自分が経験してきた「マネジメント」について、頑張ってまとめてみようと思います。

マネジメントって、なんだろう?

巷には、さまざまなマネジメントの定義、および方法論があります。最近のマネジメントのトレンドは、「マネージャーは邪魔をしないこと」でしょうか?

メンバーの自由意志を尊重し、メンバーの個性を最大限生かすマネジメント手法。これがトレンドかな、と思っています。マネジメントに実態はないので、どの定義も間違いではないでしょう。

僕はというと、マネジメントをこう定義しています。

マネジメントとは、組織、チームの成果を最大化するための手段である。

チームのパフォーマンスは、メンバー個々人の能力と、配置や仕組みの掛け合わせで決まります。チームの総合点に対して責任を負うのが、マネージャーの責務です。

実務レベルまで落とすと、マネージャーの役割は5つに細分化できると思います。

1.チームメンバーの強みを見つけ、伸ばす
2.最適な配置、業務配分を実施する
3.ワークフローの構築、業務の可視化
4.意思決定(のために、ときに上長との橋渡し役になる)
5.仕事の意義を見せ、モチベーションを引き出す

もう少し抽象化すれば、マネージャーのなすべきことは、チームメンバー個人の成長を促すことと、チームの仕組みを整えること。

そしてこれら2つのうち、優先順位をつけるとしたら、経験上まずはチームの仕組みづくりが先かな、と思います。どんなに優秀な人を育てても、仕組みや配置によっては持っているちからを出しきれない。逆に、仕組みができていれば、どんな人でもある程度活躍できると思っています。

ちなみに、マネージャーの5つの役割の中には、「戦略論と戦術論」を入れませんでした。戦略と戦術、つまり「向かうべき方向性を決めること」と、「どのくらいの速さで向かうか」を決めるのは、厳密にはリーダーの役割だと僕は思っています。

マネジメントは、その方向性や速さについて、適宜チューニングする役割といった感じでしょうか。リーダーが船長であるならば、マネージャーが航海士です。

ただ、実務ではリーダーの業務とマネジメントの業務を兼任しているケースが多いと思うので、ここはあまり厳密に分けて考える必要もないでしょう。

優秀なマネージャーは、優秀なメンバーがつくる

マネージャーがチームのパフォーマンスに対して全体的な責任を負っている。では、マネージャーのパフォーマンスは誰が決めるのか。それは、間違いなくメンバーでしょう。

優秀なマネージャーはよいチームを作るが、一方で優秀なマネージャーもまた、メンバーによって作られる。こう思っています。

少し前、弊社代表と1on1をした際、こんなことを言われました。

「とどはさ、マネージャーとしてのパフォーマンスは誰が作ると思う?それは、メンバーだよ。優秀なマネージャーとされる人のもとには、かならず優秀なメンバーが集まっている。チームのパフォーマンスはメンバーが決めるのだから、成長につながる美味しい経験はどんどんメンバーに積ませよう。」

これは、本当にその通りだと思うんです。

自分がどんどん前に出ていく、「俺が一番目立ちたい」と言わんばかりのマネージャーを見かけることがありますが、本来マネージャーは裏方。プレイヤーがあってのマネージャーです。

「俺ってすごいマネージャーだろ。俺が強いチームを作っている。」というスタンスには、どこか違和感がある。なぜなら、彼/彼女を優秀なマネージャーにしている、真にすごいヤツはチームメンバーだからです。

スポーツの世界でもそうですよね。名監督と呼ばれる監督のもとには、とても優秀なプレイヤーが揃っています。

この点が腹落ちしてから、僕はマネージャーって、ある種達観している必要があると思っています。

美味しい経験はメンバーにどんどん積ませて、自分が目立つよりもメンバーに輝いてもらう。実はこれって、特に若手社員にとっては結構難しい。

若手としては自分がどんどん美味しい経験を積みたいし、早く成長したいし、目立ちたい。1番評価されたい。そう思っている人も少なくないと思うんです。でも、こんなマインドだと、メンバーから信頼されるよいマネージャーにはなれない。

誰かのために働く、というのは仕事、というかビジネスの基本だと思いますが、マネジメントをしているとそれが自然と身に付く気がします。

マネジメントの経験を社会人のごく初期の段階から積めていることを、個人的にとてもありがたく感じています。余談ですが、マネージャーを経験することで、人間的にも大きく成長できる。そんなふうに考えています。

命令するのではなく、仕事の意義を見せる

命令によってチームメンバーを従わせるのは、指揮命令権のある役職者にとっては簡単ですが、それでは最高のチームは作れません。

いくらお金をもらって働いているとはいえ、結局僕らは人間ですから、嫌々やらされるのと自発的に取り組むのとでは、モチベーションやパフォーマンスに大きな差が生まれます。

では、どうやってメンバーのやる気を引き出すか。中長期的に渡ってみんなのモチベーションを高め、強いチームを作るためには、やはり「仕事の意義を見せること」が大事だと思っています。

イソップ寓話に、「3人のレンガ職人」という物語があります。3人のレンガ職人に、「あなたは何をしているのですか?」と質問すると、三者三様の答えが帰ってきます。

1人目のレンガ職人「レンガを積んでいるんだよ」
2人目のレンガ職人「大きな壁を作っているんだ。これで、家族を養っているのさ。」
3人目のレンガ職人「歴史に残る、偉大な大聖堂を作っているのさ」

これは物語の世界の話ですが、現実世界も同じです。同じ仕事をしていても、「お金のためにやっている」と思っている人もいれば、「社会を変えるためにやっている」と思っている人もいる。

当然、会社のビジョンに共感し、社会への貢献といった外向きのモチベーションを持っている社員の方が、仕事へのエンゲージメントは高まります。

内向きのモチベーションだけでなく、外向きのモチベーションをいかに引き出せるか。これが、マネージャーの腕の見せ所なのかなと思います。

実際には、採用の時点でフィルタがかかっているので、程度はあれど入社した時点で会社のビジョンには共感している(はず)。だから、マネージャーとしてはそのビジョンが形骸化しないよう、ことあるごとに口に出すくらいの工夫があればOKなんじゃないかと僕は考えています。

「この考え方って、僕らのビジョンからズレるよね」「これをすることで、僕らの達成したい未来に近づくだろうか」

こんなふうに、日頃からビジョンに基づいた議論ができれば、きっとみんなが仕事の意義を意識しながら働ける、強いチームになれます。

メンバー1人ひとりにリスペクトを持ち、謙虚な姿勢で向き合う

とても当たり前のことを言っているのは自覚しています。でも、マネジメントにおいてこれは本当に大切なことだと思っています。

マネージャーやリーダーになることは、「昇進」と表現されることがあります。一般社員から役職者になり、裁量が大きくなる。これにより、「偉くなった」と勘違いしてしまい、メンバーに対し尊大な態度を取ったり、リスペクトを忘れてしまったりするケースは珍しくありません。もともとの上司が横柄だったために、「上司になったら部下に同じ態度を取っていいんだ」と思ってしまうパターンもあるかもしれません。

でも、マネージャーってただの「役割」です。CEOだってCOOだって、リーダーだって営業だって、みんなそれぞれの役割です。だから、本来上下関係ではありません。

少し、僕のエピソードをお話しさせてください。僕は現在の会社で、新卒2年目にしてチームの立ち上げを経験しました。それから3年経ったいまでは、チームも7人まで人数が増え、チームでさまざまな仕事ができるようになってきました。

チームを立ち上げてからは、少しずつメンバーが増えていったわけですが、立ち上げから2年間、僕は正式に「リーダー」や「マネージャー」といった役職を持っていませんでした。

他のメンバー同様、一般社員であり、名刺の肩書きは「コンサルタント」。しかし、この状態であってもメンバーはどんどん増えているわけなので、誰かがリーダーシップをとってチームをコントロールしていかなければならない。

そこで約2年間、僕はリーダーやマネージャーといった肩書きを持たないまま、実質的にリーダーやマネージャーといった役割を担っていました。この間、本当に色々な苦労がありましたし、たくさんの学びもありました。(何度、「正式なマネージャーの肩書きが欲しい!」と思ったか分かりません笑)

まず、私は役職を持っていなかったので、「こうしろ」「ああしろ」といった「命令」はできません。命令しようもんなら、「でも轟さんって、僕らと同じ一般社員ですよね?なんの権限があって、命令するんですか?」と言われても言い返す言葉がありません。(こんなことを言う人は、実際1人もいませんが笑)

つまり、自分の権力によってメンバーを従わせることは不可能でした。

加えて、当時新卒2年目だった私は、その他30代のマネージャーにくらべ実務経験が圧倒的に少ない。経験値によって、みんなを納得させることは難しい。

このようなハードモードな状況で、マネジメント経験が浅かった僕が何を意識していたかというと、「相手をリスペクトし、一人ひとりと謙虚に向き合う」という至極当たり前のことでした。

みんなの相談にはかならず手を止めて話を最後まで聞く。新しい取り組みをする際は、かならずその意義や背景、その結論に至ったロジックを丁寧に説明する。ひとりで決めず、「分からないから、力を貸して欲しい」というスタンスで、メンバー全員の叡智を結集する。

こういう当たり前を、徹底的に意識しました。これは正式にマネージャーになった今でも意識しています。この甲斐あってか、今では新しくジョインしてくれるメンバーから「心理的安全性が高いチームで、感動しました。」と言っていただけるまでになりました。

「相手をリスペクトしよう。」「謙虚に向き合おう。」どちらも月並みだけど、大事なこと。僕はこの「リーダーじゃないけど、リーダーをしていた2年間」で腹落ちした気がします。

さいごに

マネジメントについて体系立ててまとめるのは、やっぱり難しいですね。でも、いま現在僕が大事に考えているマネジメントの価値観はまとめられたかな、と思います。

ここには書ききれませんでしたが、他にも本気で1on1を導入してみたり、勉強会を開いてみたり、コーチングやマネジメントに関するさまざまな取り組みをしてきました。ここについては、また別の機会にでも書きたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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