見出し画像

トークイベント「AIの話をしよう」②近年のAIトレンドとこれから

8月20日(火)ポートカケガワにて開催したトークイベント「AIの話をしよう」の報告その2です。

その1は以下の記事をご覧ください。

その1では、生成AIでできることをおさらいして、さまざまなアプリケーションとその活用シーンを紹介しました。
本記事では、近年のAIトレンドとこれからについて戸田の所感をお話します。
といっても技術面ではなく、社会だったりビジネスだったり普段の暮らしにおいて、どんなことは変わって、どんなことが変わらなくなさそうか?といった話をざっくばらんにしていきます。

2-1. タスクをさばく能力はヒトの平均以上

個別のシングルタスクへの対応力、という点では、もう平均的な人間以上の能力があるので、任せられるところはガンガン任せちゃってもいいかも、という話をしました。
一方、タスクとタスクの間を有機的につなぐことや、そもそもこのタスクやらなくてもいいんじゃ?みたいなことを思いついてくれたりはしないので、そのあたりの司令塔としての役割はまだしばらく人間優位なんじゃないかな~という話をしました(要は弱いAI、強いAIの話ですね)。

2-2. AIの浸透

すでにAIはさまざまなサービスの中で使われていて、そもそも意識せずにどんどん普及が進んでいます。
例えば、戸田はよくCanvaというアプリケーションを使ってスライドを作ったり画像を編集したりするのですが、マジックデザインという生成AIによる機能があり、よく背景画像を削除したり、サムネイル画像をそのままスライドに転用するためにいい感じにリサイズしてもらったりしています。
というかnoteもAIアシスタントという機能が導入されてたんですね。最近あまりに書いていなかったので気付きませんでした。
特にCopilotがOffice製品に搭載されたインパクトは大きく、禁止している会社でなければ自然にWordやExcelの中で使い始めているのでは?と思っています(現に、参加者の中にもExcelのマクロはCopilotに組んでもらっている、という方がいました)。

2-3. インターネット・スマホくらいの変化

「AIってのはどれくらいのインパクトがあるんだ?」という話をよく耳にしますが、よくもわるくもインターネット・スマホくらいの変化なのかなあ、というのが現在の所感です。
これを大きな変化と見るか小さな変化と見るかは人それぞれかと思います。
インターネットによって劇的に情報収集・発信のコストが下がったり、スマホが登場したことで誰でも情報にアクセスしやすくなったりして、新たな市場やビジネスが生まれ、中には激減した仕事もあるかと思います。ので、そうした観点からは大きな変化と言えるでしょう。
一方、インターネットやスマホが浸透しても、依然として営業にはテレアポが有効だったり、人と直接会って飯を食いながら話す、とかの重要性は変わらずあるわけで、生成AIが浸透してもこうした人の営みがちょっとやそっとで激変するとは考えにくいでしょう。そうした観点では、またちょっとだけ技術が進んで暮らしが豊かになるよ、くらいの話かと思います。

2-4. 検索から生成へ

perplexictyのような情報収集ツールがまさにドンピシャですが、これから情報は検索するものではなく、生成されていくものになるかも、と考えています。
さらに言えば、画像も音楽も、これまでは既存のものから適切なものを選択していく、ということが利用シーンとして多かったかと思いますが、もしかしたらこれからはその都度その都度適切なものを生成していく、という流れになるかもしれません。

2-5. ヒトの能力拡張・学習速度向上

対話型AIを日常的に使用するようになって、知らない分野やテーマをキャッチアップする速度がかなり向上したように感じます。
また、戸田は画像生成AIをあまり使っていないのですが、イラストを描けない、デザインができない人が、自分の思う通りの画像を生成できるようになっているのを見聞きすることが増えました。
さらに、例えば生成AIで画像生成するだけでは飽き足らず自信でデザインを学びたい!と思ったときには、その学びもサポートしてくれます。
例題を作成するのもAIであれば自分に個別最適化された問題を何問でも即座に生成してくれ、これはなかなか人間には難しいのではないかと思います。何度同じことを尋ねてもイライラしたりもせず、24時間付き合ってくれる、というのもやはりAIならではでしょう。

2-6. 意志と実行がますます重要に

日進月歩でAIができること、AIにやってもらえることが増えていく中で、これから人間に残されたことはなんだろう?
ということを考えると、結局のところ「これをやりたい!」「あんなふうにしたい!」という意志と欲望を発揮すること、そしてAIといっしょに考えたことを実際に物理世界で実行すること、になるのかもしれません。
AIはめちゃくちゃ美味いカレーのレシピを一緒に考えてくれますが、「今日はカレーを食べたい!」とは言い出さないですし、レシピ通りのカレーをつくるのは結局自分、ということです。

ここまでざっくり生成AIでできることとトレンドを概観してきました。
「3.対話型AIを使いたおそう」に続きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?