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創作

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いつか本にしたい
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記事一覧

電話BOX

夜、目が覚めると、真っ暗だった 少しだけ、鳥肌も立っていた 悪夢にうなされていたのかな 汗…

未明
4か月前
1

とりあえず、久しぶりだね

「もしもし、今大丈夫?」 「もしもし、大丈夫だよ」 「・・・とりあえず、久しぶりだね」 …

未明
8か月前
7

迷う。 私の目の前から旅立つ人へ、何を言えばいいか。 いつも迷ってしまう。 どんな言葉が…

未明
1年前
5

絵を描く。

遠くの雲に絵を描く。 私に生えた天使の翼をみんなに自慢している絵。 みんなは私のことが怖…

未明
1年前
13

ブリキと湖

朝と昼と晩のこと。 乾いた鐘の音が聞こえて目が覚めた。 高い空が見えてここがベッドの上だと…

未明
1年前
14

タイトルはあなたが決めて下さい。

君にも泣きたい夜があったんじゃないの。んで、その夜は泣くことが出来たのかい。毛布にくるま…

未明
1年前
14

帰り道は遠回りのステップで

 街灯に照らされる私の影は愉快に踊っている。耳に着けたイヤホンからはアップテンポな曲が鼓膜を心地良く叩いている。自然と身体はビートを刻んで、鼓動は加速した。心もまだ帰路には着きたくないようで。私は身体を弾ませながら夜に飛び込む。胸騒ぎがするこんな夜はリピート&スキップで軽やかに躱しちゃう。  コンビニで缶ビールとおつまみを買って、ひとの気が少ない路地に入ったところで、私は遠回りを始める。今日のお供は、なんだかピーナッツの気分だったはずなのに、選ばれたのは殻付きピスタチオだった

ワンルーム~another~

 扉が閉まるのはゆっくりだった。  いっそ、一時停止して巻き戻してもいいかな。  ・・・…

未明
1年前
9

踊ろう

思い出は砂のようにぽろぽろ零れていくから ひとつ残らず手で掬って 瓶に詰めて時計にした …

未明
1年前
8

ガタゴト揺れるこの箱は たくさんの思惑を乗せて 終点を目指して ガタゴト ガタゴト・・・…

未明
1年前
11

 恋なんて、あんなに辛いもの二度としないはずだったのに、  中学一年生のころ、隣の席の女…

未明
1年前
22

私の海

 深くまで知られることは怖い。 自分がまだ行ったことのない深い場所まで勝手に行って覗かれ…

未明
1年前
19

あの本は良かった。

 という書き出しから始まるあの本は良かった。読者を一言で待たせた上、自分が迷子であること…

未明
1年前
6

ワンルーム

 その部屋は、私たちにとって狭すぎたし、広すぎたんだ。  彼とは高校時代の同級生でそこそこ仲の良い友達だった。  東京に上京してきた、というから連絡を取り合うようになった。いつしか、たった一瞬の微かで確かな振動を待つようになっていた。  会う約束をした。  新宿にある小洒落たバーで。  木目調のカウンターは、私の心とは裏腹にささくれひとつなくて羨ましかった。  彼はウイスキーのロック。私は店長おすすめのカクテルを。  私たちも、もう大人。それはわかっていた。痛い