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ギンザメを貰った。食べた。

出勤したら先輩が突然ギンザメの頭部と切り身をくれた。先輩の行きつけの魚屋で見つけたらしく面白半分で買ったようだ。1匹5000円ほどだったらしい。

珍しい魚を食べることが好きな私はこれを喜んで持ち帰った。電車で持ち帰る道中、見ず知らずの人に紙袋の中の不気味な魚の頭を見られた時の言い訳を考えていたが、全くの杞憂で電車は最寄り駅までいつも通り私を運んでくれた。

ギンザメはサメという名前がつくものの、ホホジロザメやシュモクザメなどの一般的なサメ(板鰓類)とは異なるグループ(全頭類)に属する。

家に帰って頭を紙袋から出す。

掌よりまだ大きいくらいのサイズ。薄いアルミ箔がのった様な皮膚。ぷるぷるとした肌触り。
かなり大きい胸鰭。
歯は鳥の嘴の様に鋭い。
微弱な電気を感じ取れるロレンチーニ器官もびっしりと詰まっていた。
サメの切り身は時間が経つとアンモニア臭が目立つことで知られているが、このギンザメはそんな匂いは全くしなかった。
側線(魚が水の流れなどを感じ取れる器官)が波打っている魚は初めて見た。

などと見慣れない魚を前にマジマジと観察してしまった。

さて、どうやって食べようか。

とりあえず「ギンザメ 食べ方」で検索してみる。なるほど、ムニエルなどがいいのか。

でもその前にやはり刺身で一口食べておこう。

適当なサイズに切った切り身を刺身醤油につけて一口。皮は剥がすにそのままいただく。ほのかな甘みがあるが噛めば噛むほどあまり意識しなかったギンザメ臭?が少し気になる。食感はくにゃくにゃとした感じ。水っぽさも感じる。もっと刺身で美味しい魚はいくらでも知っているという感じだ。

続いて加熱調理。ムニエルを作る。
塩胡椒を振ってキッチンペーパーで水を取り、小麦粉を振ってバターで焼いてみる。
加熱してる間も水がかなり出ている様子である。

刺身で食べた時より味がする。甘みが増した様にも感じる。ただ噛めば噛むほど遠くでギンザメ臭がする。しかも水っぽさもやはりまだ残っている。

今回のギンザメの食味評価だが、淡白な白身で甘みもあり意外と美味しかった。ただどうしても水っぽさやギンザメ特有の臭いが気になった。ただなかなか食べられる魚ではないのも確かなので、機会があれば是非食べていただいて、感想を教えてほしい。

ちなみに頭部はこれから標本にする予定だ。

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