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【読書記録】プロダクトマネージャーのしごと(その2/2)

参考になった書籍についてまとめました。個人的な抜粋と感想です。
興味を持たれた方は書籍全体をお読みください。

ボリューム満点の内容なので、各章で私がアンダーラインを引いた部分とその時の感想を備忘録的にまとめていきたいと思います!

その1では、1~8章をまとめています。心構え的な感じでプロダクトマネージャーって何?についてすっきりします。

前半と後半の区切りに特に意味はありません。
興味のある項目から目を通していただき、詳細は本書を手に取って詳しく見てください。


9章 ドキュメントは無限に時間を浪費する

  • 「メニューは食事ではない。」あくまで素晴らしい食事を作ることに集中する。

  • ロードマップは厳密な計画ではなく、戦略的なコミュニケーション用のドキュメントであるという認識を共通のものにし、READMEに明記する。

    • PdMがロードマップの唯一の「持ち主」ではなく、叩き台。

  • ガントチャートは最悪。けど、ガントチャートは伝わりやすい。

    • ロードマップにガントチャートを採用すると、厳密な計画であるというニュアンスが出てしまい、アウトプット(ガントチャート達成)に意識がいく。

    • ロードマップは、あくまでアウトカムに向かって調整余地を残したものであると伝える。

  • 軽量で柔軟なテンプレを使用する。

    • 共有する前に最低でも3回はテンプレを自分で使用する。

→ ドキュメント(ロードマップ)を完全に仕上げることに固執するのは、プロダクトマネージャーにとってよくある罠であり、これが最も重要だと誤解しているプロダクトマネージャーもいるかもしれません。この章は、そうした考えを改めるためのものでした。ロードマップはあくまで道標であり、プロダクト仕様書はプロダクトそのものではなく、ユーザーストーリーはユーザー自身ではない。当たり前のことかもしれませんが、意識しておきたいです。

10章 ビジョン、ミッション、達成目標、戦略を始めとしたイケてる言葉たち

  • ゴールと戦略はシンプルに保つ。

  • アウトプットに対するチームの裁量と自由度を上げたいなら、アウトカムは具体的に。

  • ゴール設定のフォーマットやフレームワークはチームに適したものを採用し、うまく活用しよう(SMART、CLEAR、OKRなど)。

  • 戦略と実行は常に密接に結びつけておく。

  • シンプルで端的なゴールや戦略を立て(1ページ1時間の誓い)、早い段階でチームと一緒に「試乗」する。

    • ラフに仕上げて、チームでワークショップ。

    • 資料を参照しなくても、暗唱できるくらいにシンプルに。

→ この章も学ぶところが多かったです。プロダクトマネージャーの腕の見せ所と張り切ってゴールや戦略のドキュメントを作成してもそんなに浸透しません(私の経験上)。なので、ちょっとキャッチーでシンプルな言葉を作って、その中身についてはチームで話しながら理解度を上げていく。現時点で私の思うベストプラクティスです。

11章 データ、舵を取れ!

  • 「データ」はユーザーやプロダクトを理解するのに重要なツールだが、代わりに仕事をしてくれるものではない。

    • 何のデータが自分にとって重要で、なぜ重要か、どのような意思決定に役立つのかに対しての見解をもつ。

    • 真のデータドリブンは直感に従い、そのあとで直感が適切かをテストするためのフィードバックループを作る。

  • ゴールと戦略を調べ、現在地と行き先を理解させてくれる計測可能なシグナルを解き明かす。

  • 「データ」という言葉を一般化に使うな。何の情報でどのように集められたかを開示しよう。

  • サバイバル指標(撤退基準)と成功指標(達成目標)を組み合わせる。

  • 実験について「価値を証明するな。価値を作れ。」

    • ユーザーに対する価値を作る。

  • インパクトの定量化は難しい。

    • 成功失敗の指標ではなく、目標や対象を明示すること。

→ この辺りはスッと頭に入ってきました。「定量データは切り取りの情報の一つでしかない。データインフォームドな意思決定」と念仏のように唱えていきたいと思います。

12章 優先順位づけ:すべてのよりどころ

  • 会社のゴール、戦略、チームミッション、プロダクトビジョン、KPI、ユーザーインサイトなどがぐちゃぐちゃに絡み合った中で、できる限り最高な意思決定を模索する。

    • 不完全な状態での意思決定が普通。

    • 全ての意思決定はトレードオフ。

  • 意思決定時の仮説は文章化し、共有する。

  • スパイク(アジャイル用語。使う時間の上限を決めてから学習、研究、実験を実施すること)を積極的に取り入れる。

  • 「緊急」を捌くための簡単なプロセスを準備しておく。

    • フォームを作るなど。

  • 志は大きく、スタートは小さく。

    • 必ずフィードバックをもらって、再評価や調整ができるサイズから始める。

    • 大きな計画や意思決定は分割する。

→ アジャイル精神に尽きるということでした。日々の業務で大小数多の意思決定をしていると思います。そして、意思決定が必要な場面はどっちを取るのかわからない時がほとんどです。この本で繰り返し出てきている「全ての努力はアウトカムのために」精神とアジャイル精神が全てだと感じました。

追加で考えたこととして、
ステークホルダーやチームメンバーにも「正解を出しているのではなく、ゴールに近づくための方向を定めている」ということを理解してもらうことが重要だということです。朝令暮改が当たり前の世界へようこそということです。

13章 おうちでやってみよう:リモートワークの試練と困難

  • お互いに素早く信頼するという選択をする。

    • レスポンス時間に対する合意

    • タスクにかかる時間の期待値の明確化

    • コミュマニュアルなどの運用マニュアルの共創

  • 同期サンドイッチ(事前資料、フォローアップ資料)

  • 雑談の場や機会を用意。

→ リモートは、空気感というなんとも不思議な感覚が使えないので、言語化による明確化を避けて通ることはできないと感じました。「このタスクはどういう目的で、どのくらいの期間で、どのくらいの完成度で仕上げて欲しい。」とか、「このチャンネルは趣味や興味を持ったことなど仕事に直接関係のない雑談をするチャンネルです」とか・・・。リモートワークのチームマネジメントはコミュニケーション能力の強化トレーニングですよ。日々鍛えられています。

14章 プロダクトマネージャーのなかのマネージャー

  • (自分を含めた)全ての人に長所と短所がある。

  • 昇進がどのようにビジネスゴールに役立つかを考える。

  • 自分自身に課している基準がチームに課している基準。

  • 「自律」と「権限委譲」(≠ 放置)

    • 明確なゴール、明確なガードレール、小さなフィードバックループ

  • ビジネスとユーザーに対してのアウトカムに集中する。

→ シニアマネージャーになると今とは違う景色を見るのだろうなと想像しながら読み進めていました。ただ、ブレずに共通して言えるのは「価値に直結するど真ん中に立ち、関係者を繋ぐ役割」であるということだと再認識しました。

15章 良い時と悪い時

  • 自動操縦モードが続かないように、新しいアイデアや挑戦を積極的にチームに持ち込む

    • 「プロダクト再発明」セッションの実施(1時間くらい)。

    • 過去の経験を思い込みへと硬化させることなく、周りを巻き込み、常に学習して成長する機会を作る。

  • プロダクトマネージャーとして、良い状況に貢献できている時の指標。

    • 対立をオープンに議論している。

    • チームが自分たちの仕事に注力していると感じている。

    • 新しい情報を脅威ではなく、好機だと考えている。

  • 重荷を背負いすぎている時には・・・(英雄のPdMやプロダクト殉教者になりかけているときは)

    • コントロールできないことをリスト化し頭から追いやる。

    • 重要なことを同僚に委譲する。

    • チームのルーティンや儀式に参加する。

  • 世界最高の会社で働いていると想像する。

→ この本の心構え的な部分は本当に心に刺さります。少し日本語が読みにくいところが残念なんですが・・・。
プロダクトマネジメントには浮き沈みがつきもの。どんな時でも価値を届ける中心に立ち、学習・共有・コラボレーションの機会に変えていく。

16章 どんなことも

まとめの章です。
いいこと書いてあったので引用して終わりたいと思います。

あなたがどんなに頭が良くても、プロダクトマネジメントをするには失敗することを学ばなければいけません。あなたがどんなにカリスマでも、プロダクトマネジメントをするには、言動を裏付ける行動が必要なことを学ばなければいけません。あなたの志がどんなに高くても、プロダクトマネジメントをするには、同僚をうやまい尊ぶことを学ばなければいけません。プロダクトマネジメントには完璧な職務記述書などありません。隠れるための薄っぺらい権限もありません。成功したいなら、良いコミュニケーター、良い同僚、そして良い人間になる必要があります。

本書より引用

感想

1〜8章は前半でまとめています。

いやー、とてもためになる本でした。
私がこの本と出会ったのは、プロダクトマネージャーに近いポジションを任された直後でした。それから1年が経過し、改めて読み返してNoteにまとめていますが、当時とは異なる新たな発見が多くありました。

業務に追われていると、「何をやっているのか?」「自分の専門は一体何なのか?」といった迷いが出てきます。そんな時、この本を再読して本質に立ち返ってみるのもいいかもしれません。

プロダクトマネージャーは、
組織やチームのゴールに貢献するために「どんなことでも」やるんです。

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