【東大柔道部新歓ブログ⑦】
こんにちは、東大柔道部3年の山路です。
ちょうど今日錬成大会が終わり、自分にとって最後の長期練が終わり、いよいよ残すは七大戦本番までの総仕上げという時期になりました。新歓ブログを書くのも最後になるかと思うと、少し寂しい気持ちです。寂しさ故か、僕という人間がつまらない故か、面白い文章が書けそうにない為、今回は大真面目に書こうと思います。
この冬練を通して、ここ数日は遠征もあったため、柔道部員と日常的に接する中で、後輩とも一層仲が深まり、チームとしての一体感が出てきたように思います。部員全員が同じ目標に向けて団結する、なんてことは中高の僕からすれば考えられなかったので、改めてとても恵まれた環境なのだと気付かされました。特に留学生コンビ(メリッサと世銀)が僕らと一緒に高いモチベーションで練習してくれていることは、喜ばしい限りです。
思い返すと、初めて柔道部に顔を出したときは、個性派揃いの先輩に気圧されて、ここでやっていけるのかととても不安になったのを覚えています。大学で適当なサークルに入ったり、バイトしながらプラプラしたりする方が良いのでは?と考えたこともありました。高校同期にも部活辞めちゃえよと囁く連中が多く、正直少し揺らいだ時期もあったかなと思います。
ところが僕のキャンパスライフも終盤に差し掛かり、気づけば毎日のように柔道部の連中と過ごすことになんの抵抗も感じなくなっていました。柔道部は言うなれば東大の泥沼のようなところで、一度入ると脱出を試みる度に深みにハマっていくのではないでしょうか。自分も知らない間に柔道部の泥沼に引き摺り込まれてしまったサイドの人間です。東大の泥沼、恐るべし。
柔道部が泥沼たる所以には、圧倒的な雰囲気の良さがあると思います。体育会系である以上、大学生にもなってきつい練習していることは間違いないです。ただ、七大戦での優勝を目標とする僕達は、他所の柔道部以上に個の強化だけでなく、チームを底上げする、といった視点を持つ稀有な柔道部だと言えます。結果的に、他のどこよりも仲間意識が強く、経験者も初心者も関係なく、頑張る人は誰1人見捨てないアットホームな雰囲気が形成されているのではと感じます。
また、七大戦を通じて全員が柔道に対し自分なりに真摯に向き合っている、というところも、泥沼を加速させます。僕みたいに、柔道で不完全燃焼感が残っている人には、この点が一番大きいんじゃないでしょうか。特に今年の新入生はコロナもあって、満足に練習し燃え尽きた人は中々いないと思いますが、東大なら誰でも、間違いなく熱い気持ちになれます。僕にとって七大戦は自分史上最高に感情的な経験で、あんなに勝って嬉しいことも、負けて悔しいこともありませんでした。東大は、そんな七大戦での優勝を目指して、本当に熱い気持ちで切磋琢磨することができます。こんな刺激的な経験は唯一無二で、必ず今後の人生の糧になると言えるでしょう。
柔道部の魅力を上げるとキリがないのですが、とにかくこの泥沼は居心地が良いだけでなく、人生においてこれぞ青春という経験ができる最後のチャンスをくれます。抜け出そうと他所を見れば見るほど、この経験がいかに貴重かを実感した僕は、最後までどっぷりこの泥沼に浸かり切ることにしました。願わくばこのブログを読んだ新入生諸君が、僕と一緒に青春してえなぁと泥沼に沈んでくれることを祈っております。
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