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ひぐらし引きこもり日記19 衝動買い

私は買い物が苦手である。子どものころから欲しいものが無いままに大きくなってしまった。なのでお小遣いはいつも余っていた。大人になってもウィンドウショッピングは苦痛で、必要最小限の品をリストアップして、さっさと買うのが常であります。
なので、生まれて初めて衝動買いをした時のことをはっきり覚えている。
郡上八幡、風情のある呉服屋さんの2階に上がった時に目に飛び込んできた郡上紬。この品は私に巡り合うのを待っていたのだ!ってヤツです。
ブランド物とかに興味がなかった私にとっては目が飛び出るような値段だったけど、とにかく購入した。ついでに着物に仕立てていただきました。それまで着物を着たことが無かったので、着物を着る練習をいたしました。そのうち緞通修業をするようになって、着物は箪笥に眠ったままになってしまって、くだんの郡上紬はいまだに袖を通していないけど、いつも心の片隅に存在する。
衝動買いではあったけど、あれは私の人生で違う世界への扉が開いた瞬間だったと思う。あの扉の先に今の暮らしが待っていた。

次に覚えている衝動買いは、アジア少数民族の古布アクセサリーを買いに高松へ行ったとき。N'scollectionという確信犯のお店なので、使えないものは買わないという鉄則を心に決めて行ったんですが、お店に入ったとたんに目の前に中国の鳥籠があり、鉄則は吹っ飛んだ。

毒食わば皿までで、インドの長椅子も買ってしまった。

もちろん衝動買いなので、何処に置いたらいいのかわからず置き場所を転々とした挙句、親不孝にも父が作った囲炉裏部屋を改装してしまった。この鳥籠の下に囲炉裏は今でもあって、年に一回、牡蠣を焼いて食べる為に開けます。

何でこんなことをクダクダ書いているかというと、最近またもや衝動買いをしてしまったからです。赤穂ギャベを置いて撮影する椅子を探していて、ひょんなことから上海アールデコという初めて知ったジャンルの椅子に出会ってしまった。一応撮影用なので相談し一晩熟考したが、最初から買うことに決めていたような気がする。

そして遥々篠山の古民家での撮影場所に運び、椅子に合わせて赤穂ギャベを選んで写真撮って(それは順序が違うだろう)クリームを舐めた猫の気分です!

赤穂緞通工房ひぐらしG wrote #日記 #赤穂ギャベ

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