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アイドルと応援部の共通点

 はじめまして。東京大学運動会応援部、令和六年度主将を務めております、長尾翼と申します。この度は弊部のnote、その中でも私の記事に目を通してくださり、誠にありがとうございます。
 このnoteを幹部でありながら執筆するか迷っていたのですが、昨年度下級生でありながら書かなかったことの後悔、ならびに今現在、私が考える応援部に関する考えを表明するのにいい機会だと思い、執筆している次第です。
*初めに断っておきますが、これは完全に私個人の考えであり、誰か特定の人を指しているわけではありません。ご理解の程よろしくお願いいたします。

 早速ですが、表題にもあるように、私が考える「アイドルと応援部の共通点」について説明差し上げます。両者の共通点は一言で言うと、「嘘」だと思います。それではそれぞれについて考えていきましょう。

<アイドル>
 まず、アイドルについてです。漫画・アニメ「推しの子」ならびにその主題歌『アイドル』から着想を得ました。この歌の「嘘はとびきりの愛だ」という歌詞が最もアイドルを表していると思っています。

アイドルとして活躍されるような方は、容姿端麗で魅力的であり、恋人の1人や2人いてもおかしくありません。しかし、「恋人はいない」と嘘をつき、そして、認識もしていない不特定多数の相手に対して、ファンサービスとして「大好きだよ」とこれまた嘘を重ねています。

しかし、この言葉が嘘なのか、本当なのかはファンにとって重要ではない、と思っております。リンク先の動画にもあるように、真偽は関係なく、「かわいいよ、大好きだよ」と言ってくれれば、ファンにとってそれだけで十分なわけです。その言葉こそ、「アイ」だと思います。(https://youtu.be/fskZ1ffuDnc?si=s3z9F2AF3Xy_lIMY&t=179)

就活時に「推しの子」をネタにして作って提出した動画の一部。書類で落ちました。

<応援部>
 それでは応援部における嘘についてですが、私は二種類の「嘘」が、応援部にあると考えております。

①どんなに絶望的な中でも「東大勝つぞ」と叫ぶ姿

例えば野球において、九回裏に20点差で負けていたら、普通の人は「勝てるわけない」と思いますし、プロ野球でしたら多くのファンは途中で帰ってしまうかと思います。しかし、どんなに点差があろうと、どんなに絶望的な状況の中でも東大応援部・応援部員は最後まで「東大勝つぞ」と叫び続けます。この様子は、普通の人から見たら、「嘘」だと思えるかもしれません。しかし我々東大応援部からしたら、「嘘」ではなく、本当に「勝てる、必ずここから逆転して勝ってやる」と心の底から思って、応援し、それを声に出しています。なので、東大応援部の発する「勝つぞ」という言葉は全て真心なのです。そして何よりも、一見「嘘」と思われるような、応援部の声掛け、諦めない姿勢は、応援する部活動・選手への愛だと考えております。

②現役部員間の縦の関係性

応援部である以上、上下関係はしっかりしています。とりわけリーダーではその色が一番強いです。私自身の経験になりますが、新人の頃、当時の幹部の方々、中でもリーダー長からは厳しい言葉を何度も浴びました。厳しい言葉しか言われた記憶がありません。入部してから、春の神宮応援、そして「六旗の下に」までの怒涛の練習の中、肯定されたこと、褒められたことは一度もありませんでした。

しかし、(過去の想い出として多少美化されているとは思いますが)それら全ては、「嘘」で、(当時のリーダー長のお言葉は)愛で満ち溢れていたと、今では感じています。

私が新人の時にリーダー長を務められていた藤田先輩は、本当は誰よりも優しく、誰よりも私たち後輩のことを大切に思ってくださっています。そのような優しく、愛で満ち溢れているからこそ、私たちの成長のために、リーダー長として仮面を被って、厳しく接してくださっていました。実際、当時の厳しい練習のおかげで、「不死鳥の如く」で大車輪を回し切れるようになり、突きを自信もって行うことができるようになりました。この場をお借りして、藤田先輩に感謝申し上げます。

私が新人の時の「六旗の下に」の映えている写真。リーダー幹部御三方は私にとっての憧れです。

 YOASOBIの『アイドル』という歌の歌詞から、「嘘」という点において、応援部とアイドルが共通しているのではないか、という自論を展開させていただきました。しかし、私が説きたいのは、応援部は愛で一杯である、ということです。

一見すると、上下関係が厳しく、愛とは程遠い団体と思われることもあるかもしれません。しかし、愛がなければ、膨大な時間を後輩や先輩、仲間たちと一緒に過ごしません。愛があるからこそ、部員一人一人、一つ一つの部活動に対して、誠意と熱意をもって向き合います。

このnoteを通じて、少しでも多くの皆様に、東大応援部のリアルを知ってもらえれば幸いです。

最後まで目を通してくださり誠にありがとうございました。

東京大学運動会応援部 令和六年度 主将 長尾翼

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