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日本語教師なら英語が話せるの?

こんにちは!
日本語パートナーの千原です。

私は日本語教師になって、もう15年が経ちました。今でも初めて教壇に立った日のこと、その時の学校の空気、他の先生からもらったアドバイスなど全部覚えています。当時は20代前半で日本語教師になる人がすくなかったようで、なんだか色々大変でしたね。でも、担当するクラスの担任を務めていた先生が全面的にバックアップして下さったおかげで、続けることができたと思っています。

先日、お話しした方からタイトルの質問をされました。日本語教師という職業の人に初めて会った人にはほぼ必ずされる質問です。
日本語教師なら英語が話せる?
いやぁ、話せないんですよ。授業で英語使いませんからね・・・。
え、じゃあどうやって?とも言われるので、ご説明します。
多分日本語教師のほとんどの人がこんな説明をしていると思います。

まず、あなたが中国語を学ぶために中国に行ったとします。
そうしたらなんと、中国語の学校が全て英語で説明するのです。オーマイガー!なんということ。中国語を学びたかったのに英語をまず理解できないといけないの??
そうなったら一気にモチベーション下がりますよね。なんなら日本語通訳用意しろよー!って思いますよね?

外国語を学ぶとき、その外国語を学びたい人の母語は多岐にわたります。
初級のクラスなら特にアメリカ人、ベルギー人、フランス人、中国人、韓国人、ベトナム人、インド人など、多国籍です。
そこでは共通の言語は英語ではありません。
日本語が共通言語なのです。日本語を学びに来ている人には日本語で話すのです。

どうやって?というと、教えた日本語だけを使って、説明します。
だから最初の最初は教師である私も本当に何も話せません。教室用語と言って、「見てください」とか「聞いてください」とかそういう言葉は最初に翻訳付きで教えるので、そんな言葉ばかり使っています。
だから絵とかジェスチャーとかたくさん使います。
みんなも必死です。
指示を理解できなければ、当てられた時に恥ずかしいですから。
ほとんどの人が一生懸命聞いて、理解しようとして、答えてくれます。
初級クラスのやる気満々具合はこちらがドキドキするほどです。

授業が進むにつれ、だんだん話せる言葉が増えていきます。習ったばかりの日本語で中国人と韓国人がコミュニケーションしてるのを見ると嬉しいです。アジア人とヨーロッパ人のコミュニケーションも。あ、ヨーロッパ人同士も。あっ!イギリス人とアメリカ人も。つまり、みんなだね!
そんなこんなで3ヶ月経つと、自分の言いたいことがけっこう言えるようになって、半年経つとだいぶコミュニケーションできるようになります。
すごいですよね。

私は韓国に留学した経験があります。そこでも同じでした。最初から全部韓国語です。でも、やっぱりチンプンカンプンなときがけっこうあったので、自分より詳しい日本人のクラスメイトに授業中こそこそ質問していました。
一日、3時間ぐらいの授業なのですが、それが全部韓国語だと本当に疲れます。
脳がフル回転している感じ。そこで初めて、留学生たちがねむい、ねむい、つかれた、つかれたと言っていることが理解できました。
外国語だけで過ごすって大変なこと。
聞いてるだけで脳みそは回転し続けている。
午前の授業が終わって午後はもうぐったり、家で休んで宿題するだけ。

少し話はそれました。
日本語を日本語で教えるというのを「直接法」と言います。もちろん学校によっては英語やその他の言語を使って教えることもありますが、ほとんどの日本語学校が直接法を使っていると思います。
だから、日本語教師=英語が話せる、というわけではないのです。
ちなみに私はもうずっと、英語が話せるようになりたいです。
理想の先生を探しています・・・。

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