はじめに/目次-「あなたの孤独は美しい」より
ついに、初の著書が書店に並ぶ未来へとやってきました。既にお手にとっていただいたみなさん、ありがとうございます。ネット上に書き落としていくにはあまりに個人的な話をたくさん盛り込んでしまったので、なんだか気恥ずかしい気持ちもありますが、なによりも読んでいただけることが嬉しいです。感想など、ぜひ本のタイトルや「戸田真琴」の名前を入れてどこかに投稿していただければ見にいくことができるので、思うところがありましたらぜひ教えてくださいね。書店が遠方で買いに行けない方には、kindle版もリリースされていますので電子でもぜひお目にかかれたらと思います。
ここからは、気になるけれど自分に合うかわからない、というひとのために少しだけ中身をお見せします。本の一番初めに収録されている「はじめに」と、目次を載せておきますので、気になったらぜひ本を読んでみてほしいです。
一人でも多くの、届くべき誰かのもとへこの本がたどり着いて行けますように。
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はじめに
みなさん、こんにちは。初めましての方も多いと思います。私の名前は戸田真琴。職業はAV女優をしています。
私はこれからこの本の中で、ひとりぼっちで生きていくというライフスタイルのことを根っから肯定していこうと思っています。
どうして二〇代の小娘、しかもAV女優に自分を肯定されなければいけないのか、という疑問は、あなたがこの本を読み進めていくうちに ― 納得して貰えるところまで私が連れていくことができたなら ― 解けるものだと信じています。なので、まずどうして私があなたのことをこの紙と文字の向こう側から肯定したいと願っているのか、そのことからお話しできればと思います。
あなたの目には、この世界はどのように映っていますか?
たとえばまさに「ぼっち」だった学生時代の私の目からは、まるで自分以外の全てが無駄にキラキラとして見え、反対に私自身は小さくて冷たく硬い、汚い石ころのように見えていました。自分以外のものたちが輝いている様を、時にうらやましく、時に憎たらしく思いながら、それでも私という生き物は、孤独であるということをやめることができませんでした。
友達に話しかけられたとしてもうまく話せる自信がないから、読みもしない本を机に積み上げて嘘の居眠りをし続けていた教室の隅で、卑屈さと同時に自分自身の孤独に対して「これでいいんだ」と納得しているところがあったのです。
いまならば、その納得の理由をいくらでも紐解いていくことができます。
今、あなたが信じられなくても構わない、けれど知っておいてほしい確かなことが、ここにたったひとつだけあります。
それは、人生において愛が全てだということでも、健康に長生きすることが素晴らしいということでも、努力は必ず報われるということでも、友達を大事にしなければいけないということでも、ありません。
人生において大切なたったひとつのことは、
「あなたの孤独は美しい」という事実です。
それを、言葉だけでなく感覚として、あなたのなかでもう決して消えないように、ちゃんとわかってもらいたくて、私はこの本を書こうと思います。
あなたが、世間からほんのちょっと浮いてしまった時、そんな自分を恥じるよりも早くに、私が大丈夫だと言うために駆けつけます。
あなたが、賑やかな集団に混ざれなくて、そんな自分を情けなく思う時、本心に背いて無理やり混ざりに行こうとするよりも早くに、私がその手を掴んでちゃんとあなたらしくいられる場所まで連れていきます。
現実には身体は一つしかないのでそんなことはできやしませんが、心という自由な空間の中では、あなたのところまでちゃんと走っていけるのです。こうして、本という形にして、いつでもあなたが開くことのできる場所に置いておくことさえできたならば。
そんな願いを込めた本にしたいと思います。
あなたが、あなた自身を恥じないで生きていけるようになるのなら、私はきっとどんな言葉も吐くでしょう。
あなたに言葉を聞いて貰えるように、私自身の生い立ちも掘り下げつつ、私たちのような、どこか一般社会に馴染みきれない爪弾き者たちの生きていく方法を、一緒に探していければと思います。
ただの満足よりももっとみずみずしい「孤独」を、それぞれに生きていくために。
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contents
●第一章
そもそも親が新興宗教信者だし教育歪みすぎでやばい
誰かの善意が誰かの悪夢
結婚するまで男の人と付き合えない!
たすけて! 処女童貞信仰
小学生時代 〜劣等感のかたまり〜
中学生時代 〜思春期の地獄〜
泣かないでお姉ちゃん
誰にも羨ましがられない存在
高校生時代 〜もうひとりの私〜
百個の理由
●第二章
AV業界は体育会系?
超マイナス・ヒーロー
無駄にモテなくていい
愛と憎しみとナチュラルハイ
優しくて可愛い人ほど舐められる
優しさの周波数
●第三章
ツイッターやめたら元気になった
白でも黒でもないグレーのままで
呪いをじわじわ乗り越える
男らしさって必要?
永遠が欲しい
人のオモテしか見なくて良くない?
オリジナルの愛で
ひとりぼっちのなり方
せーの、で世界を変える
老いるのはかっこいい
愛になりたかったものたち
無いものはつくればいい
おわりに
ありがとうございます!助かります!